ホルムアルデヒドといえば“人体に良くないもの”というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。

ただ、ホルムアルデヒドについて知らない人も多いので、具体的にどんなにおいがあるのか、その特徴を知らない人もいるかおしれません。

人体にどんな影響があるのか、その対策も含めて解説していきたいと思います。家を建築する予定のある人も建築材料に使われているのか確認する方法を紹介します。

そもそもホルムアルデヒドとは

ホルムアルデヒドは“有機化合物”の一種です。無色の気体になるので、見た目で判断できるものではありません。

もともとドイツで製造されたもので消毒剤や防腐剤として使われていたものです。

現在でも使用されることもあるくらいポピュラーなものでもあるのです。

日本でも、建築資材にホルムアルデヒドが使われるようになりましたが、健康上に問題があるとして使用が制限されるようになりました。

現在は、建材同士の接着剤や防腐剤·塗料に使われることがあります。

家を建てるときに使われている合板や集成材、フローリングの床材、壁材にも使われています。

どんな建材を使うのかによっても、建物のホルムアルデヒドの量は変わってきます。そのため、必ずしも発散量が多いとも限りません。

ホルムアルデヒドは、独特のツンとしたにおいを持っています。刺激臭のようなものなので、鼻につく臭いというとわかりやすいと思います。

建物でホルムアルデヒドの使用量が多いと、臭いを強く感じてしまいます。なかにはホルムアルデヒドで体調を崩してしまう人もいるなど、人体への影響も問題になっています。

ホルムアルデヒドが与える人体への影響について

ホルムアルデヒドを心配している人の多くは、人体に悪影響があるためではないでしょうか。

なかには、ホルムアルデヒドを使用している建物に入ると体調不良を起こす人もおり“シックハウス症候群”が問題になっています。人体にどんな影響があるのでしょうか。

·頭痛がひどくなり吐き気がする

·めまいがありふらつきがでる

·目がちかちかして落ち着かない

·鼻やのどの粘膜に不快感を覚える

·皮膚に何かしらの刺激を感じる

·倦怠感がとれなくなる

·集中力が低下して安定しなくなる

など、何かしらの不調を感じるようになります。特に、ホルムアルデヒドの量が50ppmを超えると肺炎などのリスクを引き起こす原因になってしまうことも考えられます。

症状には個人差があるので、ほとんど影響のない人もいれば、死亡する人もいるなど危険です。

また、長期的には発がん性の可能性があると指摘されています。白血病との関係性もあると考えられ、国際がん研究機構でも「グループ1」に認定しています。

これは“ヒトに対する発がん性がある”と断定していることになるのです。一定量のホルムアルデヒドがある場所では「最大100人に1人」が発症すると言われています。

がんのリスクを下げるためにも、ホルムアルデヒドができるだけない環境であることが大切です。

そのため、特に症状がない人でもホルムアルデヒドには接さないほうがいいと言われているのです。

家にいるときは症状が出てしまうものの、外出すると症状が軽減するときはホルムアルデヒドが関係しているのかもしれません。

ホルムアルデヒドを除去するにはどうしたらいい?

ホルムアルデヒドは人体に影響があるのがわかってもらえたと思います。

シックハウス症候群の原因となることもありますし、不調を引き起こす可能性もあります。除去する方法について、解説したいと覆います。

·とにかく換気をする

ホルムアルデヒドが気になるときは、室内濃度を下げるためにも“換気”をするのが最も手っ取り早い方法です。

今すぐにできる方法にもなるので、徹底的に行うようにしましょう。窓を開けて換気を回し続けるようにしましょう。

換気をするときは、対面の窓を開けるのもいいですし、離れた場所で空気の入り口と出口を作るようにします。

個室になるトイレは、換気扇を回しておき、空気が循環するようにしておくと、ホルムアルデヒドの心配も解消できます。

ホルムアルデヒドのにおいが気になるときは、換気が一番の解決方法になりますので、こまめに行い様子を見るようにしておきましょう。

·ベイクアウトの方法は要注意

ホルムアルデヒドは揮発性の物質になります。そのため、ベイクアウトと呼ばれる方法を用いて、一度揮発させたあとに換気して室外に出す方法もあります。

とはいえ、室温35℃以上にしないといけないので、家庭用のエアコンでは難しい部分もあるかもしれません。

石油ストーブなどを使いサーキュレーターで空気を隅々まで届くようにします。これを半年以上続ける必要があるので、個人で行うには限界があると思います。

ベイクアウトは一度乾いてしまうと難しい部分もあり、効果が期待できなくなってしまうことも少なくありません。

中途半端になってしまうと化学物質の濃度が高くなり、体調不良の原因になります。

やり方の一つとして選択肢はありますが、間違えると逆効果になるので注意しましょう。

·リフォームでホルムアルデヒドを取り除く

ホルムアルデヒドが気になるときは、リフォームも視野に入れてみてもいいと思います。

換気をこまめに行ったとしても、体調不良に悩まされるときは根本から解決していく必要があります。

調査によるとホルムアルデヒドは3年以降も発散し続けることもわかっています。そのため、すぐになくなるものではありません。

発生する原因がある限りは続いてしまうので、その原因から取り除くようにしていきましょう。

難しい場合は、リフォームなど根本的な部分を見直し、ホルムアルデヒドの影響を減らせるように変えていきましょう。引っ越しも一つの選択方法としておすすめです。

ホルムアルデヒドを測定してもらう方法もある

新築の場合は、完成したときにホルムアルデヒドを測定してもらう方法もあります。

これは「住宅性能表示制度」と呼ばれるものになり、希望すると化学物質の室内濃度を測定してもらえるようになります。

施工会社が測定を行うケースもありますし、専門業者に発注して測定するケースもあります。

ただし、濃度の測定はとても難しく正確な数字がでないこともあります。誰がホルムアルデヒドを測定するのかによって変わるので確認しておきましょう。

また、2003年以降の建物になるとホルムアルデヒドの制限を受けている状態になります。

これは2003年に“建築基準法”が改正されたことで、建材の使用制限などが厳しくなっています。

また、換気システムの設置も義務付けられているので、ホルムアルデヒドの発散量も変わってきます。

せっかく引越しした新居でホルムアルデヒドが気になってしまうと残念ですよね。そのため、建物を選ぶ時の基準として2003年以降のものを選ぶと安心です。

まとめ

ホルムアルデヒドのにおいは人体にも影響が出てしまいます。なんとなく不調が続いており、その原因がホルムアルデヒドにあったなんてケースも考えられるのです。

建材で全く使っていないというのは難しいものの、少しでも減らすことでリスクをなくせるようになります。

また、ホルムアルデヒドのにおいが気になるときは、今の数字を確認し換気をこまめに行うようにしましょう。リフォームも視野に入れつつ最適な方法を選びましょう。