パリ生まれの『Chloe(クロエ)』はファッションブランドとして有名ですが、フレグランスラインもたくさんの人に愛されています。
いちばん人気の「Chloe EAU DE PARFUM(クロエ・オードパルファム)」は香水好きの方なら一度は手に取った香りではないでしょうか。
そんな『Chloe(クロエ)』のフレグランスラインに、「ATELIER DES FLUERS(アトリエ・デ・フルール)」(花のアトリエ)が2020年4月に仲間入りを果たしました。
フローラルに特化した12種のラインナップは、一流の調香師によりクリエイトされたもの。1種類でつけるのはもちろん、お花屋さんでブーケを選ぶようにいつくか組み合わせて、香りをカスタマイズすることもできるんです。
そしてそれぞれの香りは、調香師たちの子供の頃の思い出や旅先での出来事、忘れられない場面といったパーソナルな物語からインスパイアされています。
単体で「一輪挿し」のような香りを楽しむのもよし、2〜3種類のフレグランスを組み合わせて、ご自身の「花束」を堪能するのもよし。
花々が織りなす、贅沢で上品なフローラルノートを感じることができるでしょう。
今回は、その中でも「バラの女王」として親しまれているダマスクローズの香り、「Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)」をご紹介します。
クレオパトラも愛したという、ダマスクローズの魅力に迫ってみたいと思います。
甘さを抑えた、シャープでラグジュアリーなローズ
Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)オードパルファム
香りのタイプ:フローラル・スパイシー
発表年:2020年
調香師:アマンディーヌ・クレール・マリー
対象性別:女性
「ATELIER DES FLUERS(アトリエ・デ・フルール)」シリーズには全部で12種類の香りがあります。
・Verbena…バーベナ
・Jasminum sambac…ジャスミン・サンバック
・Magnolia alba…マグノリア・アルバ
・Lavanda…ラベンダー
・Rosa damascena…ロサ・ダマスケナ
・Herba mimosa…ハーバ・ミモザ
・Hibiscus abelmoschus…ハイビスカス・アンブレット
・Neroli…ネロリ
・Cedrus…シダー
・Papyrus…パピルス
・Tuberosa 1974…チュベローサ・1974
・Vanilla Planifolia…バニラ・プラ二フォリア
それぞれがフローラルの香りに特化した、まるでお花屋さんのようなラインナップ。ひとつひとつ丁寧に調香されているといった印象で、とても繊細な香りがします。
良い意味で香水っぽくなく、生花とアロマキャンドルの間のような鼻触りの良いオードパルファムです。裏を返せば、それほどストイックにクリエイトされているというのが伝わってきます。
「Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)」は、フランス人調香師のアマンディーヌ・クレール・マリー氏によって創られました。
「私は幼い頃からノルマンディーの自宅の庭で多種類のバラを調合し、楽しんでいました。みずみずしい花びらの優美な香り。葉をこすり合わせ、わくわくしたのを覚えています―そこには新鮮でバラ本来の優雅な香りがあったのです。」
クロエ公式HPより
マリー氏は自身が子どもの頃に家の庭で育てていたバラの花びらと葉に着想を得て、爽やかなバラの香りを放つ「Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)」を考案しました。
「Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)」とはダマスクローズの意味ですが、数あるバラのなかで最も香りが良いとされることから「バラの女王」と呼ばれています。
このオードパルファムには、清らかさとエレガントさの両方を感じます。可愛らしいといった表現より、“凛としている”という表現の方が似合います。甘さはほとんどありません。かすかにスパイシーで、植物の純粋さが上手に表現されています。
少しシャープなところもあり、“バラ園”というよりも、“一本で独立して咲くバラ”のイメージです。
「Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)」のように、媚びないローズ香水も素敵だと思います。甘さを抑えた、バラそのものの香りを楽しみたいという方にはぴったりのフレグランスです。それに加えて高級感と上品さもありますので、30代以上の大人の女性にはもちろん、トランスジェンダーの方にもぜひお勧めしたい香りです。
さらに男性がまとうフローラル香水としても完璧で、壁のない、親しみやすい雰囲気をまとわせてくれることでしょう。
世の中にありふれたフローラル香水にいよいよ飽きてしまった、という方に試していただきたいのが、「ATELIER DES FLUERS(アトリエ・デ・フルール)」シリーズです。
「Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)」をもっと楽しみたい方へ
バラの香りを愛する方でしたら「Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)」のみでもきっと満足すると思います。確かにこれ1本でも香水として完成するのですが、もう少し奥行きが欲しい方のために加えるとしたら「Magnolia alba(マグノリア・アルバ)」がお勧めです。
公式サイトでも推奨していますが、この二つを肌の上でミックスさせることによって、とても華やかなブーケの香りに変身します。
マグノリアは日本名で「モクレン」です。春になると木に咲く白い花で、レモンにも似た爽やかなシトラスノートに甘さをプラスした香りがするのが特徴です。
そして「Magnolia alba(マグノリア・アルバ)」は「Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)」よりもっと豊満でふくよかな香り。
花の蜜のような、清潔でピュアな甘さもあります。フレッシュではありますが、同時に教養も色気もあるイイ女像を彷彿とさせます。
二つを組み合わせると、この写真のようにほがらかで美的なフローラルノートができあがります。夏はシトラスやマリン系のライトな香りが一般的ですが、この組み合わせは夏にもまとえるフレッシュでエレガントなフローラル香水。
フェミニンなファッションにプラスしても甘くなり過ぎることはありません。ワンピース+サンダル+フローラル香水は相性が良いものですが、甘さが立ってしまうと周囲に不快な印象を与えてしまいます。
「ATELIER DES FLUERS(アトリエ・デ・フルール)」シリーズはそんな心配事とも無縁です。暑い夏でもしつこくなく、透明感もあって、不快な気持ちには絶対にならないでしょう。
このシリーズは基本的にとても上品なので、年齢を問わずさまざまな年代の女性に受け入れられる香りだと思います。『Chloe(クロエ)』の香水を愛用している方のセカンド・フレグランスとしても大変お勧めです。
まとめ
植物本来の純粋さと上品さが光る「ATELIER DES FLUERS(アトリエ・デ・フルール)」。
シンプルながら、高潔な香りが楽しめるこのフレグランスラインは『Chloe(クロエ)』のなかでも毛色が違って新鮮です。
女性だけでなく男性にもウケが良いので、絶対に重宝するでしょう。
なかでも「バラの女王」と呼ばれる香り「Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)」は、ダマスクローズの「ありのまま」が表現されているといった感じで、ローズファンを唸らせるであろう素晴らしい1本です。
そんな体感型の「ATELIER DES FLUERS(アトリエ・デ・フルール)」、ぜひカスタマイズを楽しんでみてくださいね。