2018年11月に発売された、『TOM FORD(トム・フォード)』のプライベート・ブレンド・コレクションの一つ「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」。
恐ろしいほど魅惑的なこのオードパルファムは、むせ返るような甘い香りの中に、耽美な雰囲気も感じられる香りです。
さてプライベート・ブレンド・コレクションとは、デザイナーのトム・フォード氏の高い美意識とセンスを反映した、『TOM FORD(トム・フォード)』のなかでも高級ラインに位置するアイテムです。
そのフレグランスは薬瓶をイメージしたボトルが印象的で、全てがユニセックス対応。
通常の香水と違い、1つの香りを際立たせたブレンドになっているため、繰り返しつけても重くならず、さらにほかの種類の香りを重ねてつけるレイヤリングもできます。
贅沢な香りの使い方を可能にした、魅惑の最高級フレグランスなのです。
今回ご紹介する「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」は、ただの良い香りではありません。
チェリーはその可愛らしいルックスから、“キュートな女の子”のイメージが強いもの。
ですが、そんなベリー系の愛らしさが『TOM FORD(トムフォード)』マジックで雌豹のようなコケティッシュ・フレグランスに大変身を遂げています。
恍惚の「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」、その魅力をお話していきたいと思います。
『TOM FORD(トムフォード)』美学、ここにあり。コケティッシュ香水の極み
出典:『TOM FORD(トム・フォード)』ビューティ・公式インスタグラムより
LOST CHERRY(ロスト・チェリー)オードパルファム
トップノート:サワーチェリー、リキュール、ビターアーモンド
ミドルノート:サワーチェリー、トルコ産ローズ、ジャスミンサンバック、プラム
ラストノート:ペルーバルサム、トンカビーン、サンダルウッド、ベチバー、シダー、ベンゾイン、シナモン、クローブ、パチョリ、バニラ
発表年:2018年
調香師:ルイーズ・ターナー
対象性別:ユニセックス
『TOM FORD(トムフォード)』の香りの多くは、「力強く、タフでしかもセクシーであるべき」というコンセプトに沿ったものです。
「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」はその名のごとくチェリーを主役としたフレグランスなのですが、こんなにも人を誘惑するチェリーは『TOM FORD(トムフォード)』にしか創れなかったことでしょう。
セクシーというよりもっとなまめかしくコケティッシュで官能的、人間の本能を突く香り。シンプルに誘惑してきそうな香りでもあります。
トップノートはチェリーとリキュールの、“チェリーシロップ”のような甘美さが輝きます。
一嗅ぎで離れられなくなってしまいそうな、初めてカクテルを飲んだ時のような「いけない体験」を嗅覚が覚えてしまいます。
それでも、身体は決して嫌がっていない。
やはり素材が良いものだと負担はかからないものです。
甘美と言っても圧をかけるような甘さはなく、気品のある甘さで、チープさはもちろん皆無。
おそらくほとんどの方がトップノートから「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」の魔力に引っかかってしまいそうですが、この美しい魔力なら本望、といったところです。
出典:『TOM FORD(トム・フォード)』ビューティ・公式インスタグラムより
続くミドルノートは、ピュアなのに胸がチリチリするほどダーク。
チェリーの可愛らしいレッドカラーが、朱赤のターキッシュローズに変化していくような感覚です。
もし、チェリーに棘があったのならこんな香りがするのでは。
天使のようにスイートで、悪魔のように悪だくみをしていそうな香り。
「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」は時間の経過とともに、だいたいミドルノートの中盤あたりからコケティッシュさのアクセルが全開になります。
自分のために規制していた全てのことをほっぽり出して、この「理性よりも本能が上回る」ような匂いに浸りたくなります。
これは自分をも誘惑し、他人をも誘惑する甘い罠。
ラストノートのペルーバルサムやトンカビーンを始めとした素晴らしい調香は、まさに“快楽”そのもの。一度この香りを記憶してしまったら最後、絶対に「もう一度」おねだりしたくなるような香りです。
出典:『TOM FORD(トム・フォード)』ビューティ・公式インスタグラムより
ムスクなどの動物性香料でもない、はたまた催淫効果のあるジャスミンを売りにした香水でもないこのチェリーの香りがここまで官能的なのは世にも珍しいことです。
フルーツの香りがここまで人を惑わせるなんて。という新たな発見が得られるとともに、決して抗えないその色香に“支配”されてしまう人が後を絶たないでしょう。
それでいて全くくどくなく、終始気品のある香りが漂うのは『TOM FORD(トムフォード)』の腕があるからこそ。
「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」は、好きな異性の前でまといたい香水のトップに来るはずです。
もともと持っている色気が完全に開花する「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」
出典:『TOM FORD(トム・フォード)』ビューティ・公式インスタグラムより
「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」をまとう年齢層に制限はありません。
ユニセックスタイプですが、やや女性よりの香りではあります。
ですが40代以降の大人の男性には「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」がとても似合うと思います。そういった落ち着いた男性から「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」のような上品な甘い香りがすると、一気に色気を感じるものです。
もしコケティッシュさを求める女性でしたら、「1本は常備したいフレグランス」と言い切れます。
もともとセクシーな方も、セクシーさを身に着けたい方も。
「色気」「官能性」「コケティッシュ」といった雰囲気を意識している方には絶対におすすめしたい香りです。
さらにいうと、「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」はもともと自身が持っている色気を完全に開花させてくれることでしょう。
今まで閉じ込めていた自分の官能性を覚醒させ、さらには己の美意識を一段も二段も格上げしてくれそうな香りなのです。
意外にも重厚感のないフレグランスなので、思ったより気軽に、いろいろなシチュエーションでお楽しみいただけると思います。
とはいえ人の嗅覚に“快楽”を与えてしまう香りなので、「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」は特に上手に香らせたいものです。
体温との相性が抜群なので、下半身やウエストよりもちょっと顔に近い腕の内側にほんの少しの量をつけると、とても綺麗なチェリー香を感じることができるでしょう。
まとめ
2018年に日本で発売されるや否や、すぐに完売となってしまった魅惑の「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」。
セクシーにもいろいろな種類がありますが、『TOM FORD(トムフォード)』フレグランスの魅力は“品格のある色気”にあると思います。
そして今回ご紹介した「LOST CHERRY(ロスト・チェリー)」は間違いなく歴史に残る名香。自分の本能の声が聴けるような、最高に魅惑的な香りです。
『TOM FORD(トムフォード)』のセンスを通して、これまでの自分になかった“新しい感覚”を感じてみてくださいね。