フランス生まれのファッションブランド、『GIVENCHY(ジバンシィ)』がオードリー・ヘプバーンのために作った香水があります。

その名も「L’INTERDIT(ランテルディ)」、フランス語で「禁断」という意味を持つ香りです。

『GIVENCHY(ジバンシィ)』の創設者、ユベール・ド・ジバンシィは、ヘプバーン主演の映画『麗しのサブリナ』の衣装をすべて手掛けていました。以後はほぼ彼女の専属スタイリストとなり、ヘプバーンは心底ユベールを信頼していたといいます。

もともとジバンシィは「オードリー」という名で香水を発売しようとしていたのですが、これを「L’INTERDIT(ランテルディ)」に改名し商品化。

ヘプバーンはユベールのためにほぼ無償で商品プロモーションに参加していたそうです。

そんな名香が2018年に完全リニューアルとなりモードの世界に帰ってきました。

イメージモデルを務めるのは、映画『ドラゴン・タトゥー女』で一躍スターとなったルーニー・マーラ。

「L’INTERDIT(ランテルディ)」のエッセンスはそのままに、現代のフレッシュさをまとって再出発となったのです。

今回は、そんな『GIVENCHY(ジバンシィ)』の名香をお届けします。

『GIVENCHY(ジバンシィ)』がジバンシィになるまで

誰もが知る『GIVENCHY(ジバンシィ)』ですが、ここでその歴史をちょっとおさらい。

ユベール・ド・ジバンシィは、1927年にパリ郊外で生まれました。

10歳の時に訪れたパリ万博にて、「自分もココ・シャネルやランバンたちと肩を並べるデザイナーになりたい」と決意したといいます。

『GIVENCHY(ジバンシィ)』のメゾンが立ち上げられたのは1952年、この時まだユベールは24歳。

貴族の身分に生まれたユベールは顧客にも恵まれ、初年度から大成功を納めます。

デビューしてからというもの、彼のもとに多くの著名人が訪れました。

マレーネ・ディートリッヒ、ウインザー公爵夫人、ジョン・F・ケネディ大統領夫人、そしてオードリー・ヘプバーンなどを顧客に持ち、デザインの成功からビジネスの成功へと進んでいったのです。

フランスよりアメリカで『GIVENCHY(ジバンシィ)』人気に火が付くと、シャネルと同じように香水を発表することになります。

特に成果を挙げたのが、1957年に設立された「パルファム・ジバンシィ」でヘプバーンに捧げられたとされる「L’INTERDIT(ランテルディ)」。

これによって知名度は爆発的に伸びたといいます。

一流ファッションメゾンのファーストフレグランスは、伝説的な存在となるものが多く、「L’INTERDIT(ランテルディ)」もまた同じ運命を辿りました。

それでは、現代風に生まれ変わった「L’INTERDIT(ランテルディ)」は一体どのような香りがするのでしょうか。その秘密を紐解いていきたいと思います。

たおやかなフルーティ・フローラルノート

L’INTERDIT(ランテルディ)オードパルファム

トップノート:ベルガモット、洋梨、チェリー

ミドルノート:チュベローズ、オレンジブロッサム、ジャスミンサンバック

ラストノート:パチョリ、ベチバー、バニラ、ムスク

発表年:2018年

調香師:アン・フィリッポ、ドミニク・ロピオン、ファニー・バル

対象性別:女性

「L’INTERDIT(ランテルディ)」を構成するのは、フランスの香水文化でも格を成すような重要な香料ばかりです。

ベルガモット、洋梨といったきらびやかなフルーツの香りにはじまり、少しずつほんのりパウダリーなフローラルへ。

甘さと華やかさ、嗅ぎやすさを備えていて、例えるなら「誰の目にもとまる若く美しい女優さん」のよう。

最後の方で、ベチバーをベースにほんのり甘いバニラとムスクが、先のフローラルを優しく包み込んでいって静かに幕を閉じます。

また、「L’INTERDIT(ランテルディ)」は香りの変化がほとんどないシングルノート。

初代「L’INTERDIT(ランテルディ)」の品とフェミニティはそのままに、現代のシンプルさをまとってリニューアルされました。

香り立ちはパルファムの中でも、やや軽め。

シングルノートとはいえ非常に親しみやすく、温かみのある香りが大変魅力的です。

その親しみやすさの理由には、キャンディのようなみずみずしい甘さがあります。

フランスには伝統的なキャンディに「スミレ飴」があるのですが、どこかその品のあるフレーバーに似た雰囲気も持っています。

甘く、ずっと口に残るフレッシュ感。

そんな誰もが愛するような、キャンディのような可愛らしさを含んでいるのが新「L’INTERDIT(ランテルディ)」なのです。

20代の女性へ。気分は麗しのサブリナ!

「L’INTERDIT(ランテルディ)」は、20代の女性によくお似合いになると思います。

季節は春や秋など、暖かさが残る日に綺麗に香りますが、甘すぎることもないので、オールシーズンまとえるでしょう。

『ローマの休日』でオードリー・ヘプバーンが着ていたような、クラシカルなワンピースにも合いますし、『麗しのサブリナ』のパンツルックにも似合います。

しかしいずれも、きちんとした装いが「L’INTERDIT(ランテルディ)」には良いでしょう。メイクもネイルも綺麗に整え、女性がきらびやかでいる時に効果を発揮する香りです。

「L’INTERDIT(ランテルディ)」はオードリー・ヘプバーンが愛用していたことでも知られていますが、実はイギリスのロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリーも愛用していました。

数々の著名人を魅了してきた「伝説の香水の再来」というだけあって、ここまでSNSを賑わせているのも納得のいく結果です。

まとめ

2018年にリニューアルされた「L’INTERDIT(ランテルディ)」が、最近また注目を集めています。

この香りを気に入ったオードリー・ヘップバーンが「私以外使っちゃだめ」と話したという逸話も残されているほど、素晴らしい香水です。

歴史に残るスターが愛用していたという香水のお話も、大変興味深いものですよね。

ぜひその逸話とともに、「L’INTERDIT(ランテルディ)」の香りを楽しんでみてくださいね。