『TOM FORD(トム・フォード)』は、アメリカ発のラグジュアリーブランドです。
「ラグジュアリー」という言葉を現代に再定義することをミッションとして、2005年に創立されました。
さらに『TOM FORD(トム・フォード)』ビューティラインでは、こだわりのメイクと香水のコレクションを展開。
グラマラスな女性らしい美しさ、完璧な男性らしさを創り上げると同時に、どれもハイクオリティで満足度の高いアイテムが揃っています。
『TOM FORD(トム・フォード)』香水の大きな特徴として、以下の2点が挙げられます。
・大衆的ではない、ハイエンドな香り
力強いコンセプトのフレグランスが並び、個性にあふれ、ダイナミックで、官能的な香りがほとんどです。愛用者は世界中に存在しセレブの名も多数。大人の男女に幅広く支持されています。
・ユニセックス
フレグランスによっては女性寄り、男性寄りと分かれるものの、基本的に性別問わず、違和感なくまとえる香りばかりです。それは「ジェンダーレスな美」、「世界共通の芳香」を感じさせるもので、時代をリードするトレンドの香りでもあります。
また、『TOM FORD(トム・フォード)』香水には「プライベートブレンド」と「シグネチャーライン」という二つのラインが存在します。
「プライベートブレンド」は、ブランドでも高級ラインで、薬瓶をイメージしたボトルが魅力です。香りによってカラーの異なるデザインのボトルは色違いで揃えたくなってしまうほど。そして「シグネチャーライン」は流線型で、より重厚なボトルデザインです。裸の男女のための香水とされていて、黒、金などゴージャスな雰囲気を放っているのが魅力です。
今回ご紹介するのは、「プライベートブレンド」のなかでも人気ナンバーワンの香り「NEROLI PORTOFINO(ネロリ・ポルトフィーノ)」。
一般的にシトラスの爽快な香りは官能性と直結しないものが多いのですが、この「NEROLI PORTOFINO(ネロリ・ポルトフィーノ)」は違います。
ライトなシトラスノートのなかに高級感、官能性、グラマラス感をしっかりと感じられるのはさすが『TOM FORD(トム・フォード)』の成せる技、といったところでしょうか。
甘い香りは苦手だけど、しっかりとセクシーさも出したい…という方にもおすすめのこの香り、詳しくレビューしていきたいと思います。
「リビエラの真珠」ポルトフィーノの風を感じて
NEROLI PORTOFINO(ネロリ・ポルトフィーノ)オードパルファム
トップノート:イタリアンベルガモット、マンダリンオレンジ、シチリアンレモン、ラベンダー、レモンマートル、ローズマリー、ビターオレンジ
ミドルノート:アフリカンオレンジフラワー、ジャスミンサンバック、チュニジアンネロリ、トベラ
ラストノート:アンバー、アンブレット、アンジェリカ
発表年:2007年
調香師:ロドリゴ・フローレス・ルー
対象性別:ユニセックス
「NEROLI PORTOFINO(ネロリ・ポルトフィーノ)」の香りのコンセプトは、イタリアの小さな港町、ポルトフィーノの風景です。
ディズニーシーのモデルとなった可愛らしい街で、カラフルで素敵な建物が立ち並ぶ漁村でもあります。ポルトフィーノは、その景観の良さから世界中のインスタグラマーから脚光を浴びるほどになりました。
出典:ポルトフィーノ/公式インスタグラムより
小さな漁村のように見えますが、実はポルトフィーノは、ヨーロッパの富裕層が押し寄せる避寒地でもあります。「リビエラの真珠」と呼ばれる風光明媚な自然が残り、州立公園として手厚く守られています。
「NEROLI PORTOFINO(ネロリ・ポルトフィーノ)」は、このポルトフィーノに吹く涼しいそよ風、歴史あるカフェでふるまわれるスパークリングウォーター、青々とした葉の生い茂る様子、をイメージして調香されました。
まず、トップノートには最上級の柑橘系香料がちりばめられています。
トップのオレンジ、ベルガモット、レモン、ラベンダー、ローズマリーが、弾けるスパークリングウォーターを彷彿とさせます。
バカンス先の地中海、鮮やかな太陽と、ターコイズブルーの海。訪れたカフェでサーブされたのは地元産のレモンが入ったスパークリングウォーター。
活力がみなぎるような、夏で疲労した心身が生き返るような…ラグジュアリー・バカンスの初日を思わせる、キラキラとしたトップノートです。
ミドルノートでは爽やかさはだんだん落ち着いていきます。
ポカポカとした温かみを残しつつも、フレッシュ&ライトなフローラルの香りがメインに。
この香水のタイトルにもなっている「ネロリ」はここで花開くのですが、ビターオレンジフラワーとも呼ばれる柑橘系の香りです。
オレンジのように明るくてさわやかな香りと、花の精油ならではの華やかさを合わせ持ちます。一度感じると忘れられなくなるような、あでやかな香りが特徴です。
中世の面影を残す港町、路地裏で感じるそよ風、ブーゲンビリアの花畑。
ここで生涯を過ごせたらどんなに幸せだろう、と、香りからその憧憬が目に浮かんでくるようです。
『TOM FORD(トム・フォード)』ならではの上質なネロリが漂ったあと、香りはいよいよクライマックスに。
ラストノートではアンバーが肌の香りと混じって、ヨーロッパの高級ホテルのソープのような香りに変身します。その香りは本当にエレガントで、グラマラス。
まるでTOM FORD(トム・フォード)自身がバスローブをまとって、海辺のホテルの窓から星空を眺めているかのようです。
清潔感と、エレガンスと、官能性のバランスが絶妙で、これぞ『TOM FORD(トム・フォード)』!といったセンシュアルさをも感じられるでしょう。
シトラスやネロリといった、カジュアルになりがちな香料をしっかりとハイブランドらしく、品良く仕上げているのも流石といったところ。
とはいえ全体的にはライトで、重く引っかかる香りでは全くありません。
清潔感があって、安心できる落ち着いた大人のフレグランスです。本当に「誰からも愛される香り」と言って過言ではないでしょう。
嫌われずに「個性のある香り」を身に着けたい方に
出典:『TOM FORD(トム・フォード)』ビューティ/公式インスタグラムより
「NEROLI PORTOFINO(ネロリ・ポルトフィーノ)」は、日本人にとって実に愛すべき香りであり、絶対に「香害」となり得ない香りです。
何が素晴らしいかというと、ラフになりがちなシトラスノートに官能性や高級感がしっかり感じられること。
少し飛びが早いのですが、夕方に重ねづけしても問題ありません。
入浴後の「寝香水」として使っても良いでしょう。
清潔感を身に着けたい男性であれば、一年を通してまとうのが理想的です。またフォーマルでもカジュアルでも、どんなルックでも合わせることができる心強いフレグランスでもあります。ただし、ベースに『TOM FORD(トム・フォード)』らしい品の良さを身に着けることは忘れずに。
年齢層は20代後半以上の大人の男女に最適です。
どちらかというと男性寄りで、女性が「男性にまとってほしい」と考えるフレグランスの上位にランクインしています。
女性ならシャープでマスキュリンな印象になるでしょう。
さわやかなだけでなく存在感もありますので、「人とは違う香りを求める」方や「嫌われずに個性のある香り」を身に着けたい方にはぴったりです。
まとめ
官能フレグランスといえば、『TOM FORD(トム・フォード)』。
セクシーにもいろいろな種類がありますが、このブランドの魅力は“品格のある色気”にあると思います。
不足感から出る色気はチープになりがち。ですが、「NEROLI PORTOFINO(ネロリ・ポルトフィーノ)」には“にじみ出る”色気を感じます。
リラックス感、夏のバカンス、地中海、自信、喜び…このようなワードが似合う香りなので、きっと皆さまの「内面から出るセクシーさ」を引き出してくれることでしょう。
イタリアの小さな港町、ポルトフィーノにインスパイアされた「NEROLI PORTOFINO(ネロリ・ポルトフィーノ)」。『TOM FORD(トム・フォード)』の感性を通して、それまでの自分のなかにはなかった“新しい感覚”を得られるはずです。