今回ご紹介する香水メゾンAkro(アクロ)は、日本ではほとんど馴染みのないニッチ・フレグランスブランドです。

創業はイギリスの首都、ロンドンです。

フランス人である創業者のアナイス・クレスプが、ロンドンに移り住んだことからすべては始まりました。

彼女は活気に満ちたロンドンのパブやバーで働きながら、ウイスキーや革、コーヒーの香りに魅了されていったといいます。

そしてアナイスはあるアイデアを思いつきました。

従来のフルーツやフローラルだけでなく、人間が「ついついハマってしまう」香りをフレグランスにするとしたら?

朝のエスプレッソの苦い香り、バーボンの冷たくてスモーキーな香り、喫煙者であれば煙草の香りなどなど‥‥

我々は皆、生活の中でお気に入りの香りを持っています。

そしてそれは香りでなくても構いません。味であれ触感であれ、我々の気持ちを高め、あるいは落ち着かせてくれる何かは、日々を乗り越えるための大切なキーアイテムだったりもします。

Akro(アクロ)はそのような香りを求めました。

温かみのあるレザー、ブラックコーヒー、最高級のウィスキー、ダークチョコレートなど、Akro(アクロ)のフレグランスは既成の枠にとらわれず、自分たちの好きなものだけを追求し、その香りを皆に楽しんでもらいたいと考えているのです。

さて今回は、ラインナップの中でも人気No.1の香り「AWAKE(アウェイク)」をご紹介します。

「AWAKE(アウェイク)」はなんと、コーヒーの香りが上品に再現されている「カフェの香り」となります。

ブランドもコンセプトも香りもすべてがニッチな「AWAKE(アウェイク)」の魅力を、Akro(アクロ)の個性と共にご紹介していきます。

父は世界的に有名な調香師。確かな技で調香されるフレグランス

「ノーと言えない人のための人間的なフレグランス」

これが、Akro(アクロ)の真髄です。

フランス語で「分かってはいるけどどうしても辞められない」という意味を持つ言葉に「accro」というのがあります。

これは人に向かっていうのであれば、夢中だ、熱中している、という意味になるのですが、モノに対していう場合は「辞め難い」という意味が付け加えられます。

つまりAkro(アクロ)はそうした意味を含む造語であり、日常のちょっとした「中毒性のあるもの」からインスピレーションを得ているのです。

正直に言ってしまえば、人間が依存しやすいモノ・コトのうち7つを挙げ、それをそのまま香りのテーマにしてしまった、ということになります。

・ドラッグ

・性交

・煙草

・カフェイン

・アルコール

・チョコレート

・タトゥー

現在、香りの種類はこれらのテーマに沿った7つだけと数も限定しています。

なかなかダークなテーマなので好みが分かれそうですが、香り自体はラグジュアリーそのもので、癖になりそうな良い香りばかりが揃っています。

そして創業者アナイス・クレスプの父は世界的に有名な調香師、オリヴィエ・クレスプです。

彼はドルチェ&ガッバーナのライトブルーやミュグレーのエンジェルなど、大ヒットを記録した香水の生みの親でもあります。

父と娘はアイデアやストーリーを共有し、やがて香りも共有するようになりました。

さてご紹介する「AWAKE(アウェイク)」は7つのうち「カフェイン」を表すものです。

どのような香り方をするのか、次で見ていきましょう。

これほど香り豊かなコーヒー香水は他にない!ヒーリング効果も抜群

出典:Akro公式インスタグラムより

AWAKE(アウェイク)オードパルファム

ノート:サントスコーヒー、グリーンカルダモン、イタリアンレモン、ハイチ産ベチバー

発表年:2016年

調香師:オリヴィエ・クレスプ

対象性別:ユニセックス

「AWAKE(アウェイク)」の舞台はロンドンにある、ブルーベルズ・カフェです。

そこで朝を迎え、前の晩の疲れを癒した創業者は、挽きたての豆、湯気、熱気、苦味のある贅沢なコーヒーの香りに感銘を覚えたといいます。

ノートは大きな変化のないシングルノートで、全体的に甘さはなく、本物のエスプレッソや濃いめのブラックコーヒーといった、ビターな香りが漂います。

休憩時間やふらりと立ち寄ったカフェで香るコーヒーの香りには、高いリラックス効果があると言われています。

コーヒーの香料を使った香水はいくつか販売されていますが、「AWAKE(アウェイク)」は徹底的に甘さを抑えており、カルダモンのスパイス感がマスキュリンらしい一面を備えています。

またハーブのベチバーも効いているせいか、どちらかというとアロマティックで癒し効果の高い香り。

パンチのきいたブランドコンセプトからは想像できませんが、非常に温かみがあり優しく、それでいて不思議なほどすっと肌に馴染んでいきます。

これはさすがオリヴィエ・クレスプ、と言えるところでしょう。

彼はグルマンノート(お菓子のような甘い香り)を発明した調香師でもありますから、真逆の「甘くない香り」をつくるのも天才的な技を持っていたのでしょう、非常に上手く引き算されているといった印象です。

オードパルファムではありますが、香り立ちは穏やか。

「強い」といった印象はなく、コーヒーアロマの深さが際立つ1本です。

冬、ニットに合う香り。自宅勤務では最高のパートナーにもなる

結論から言えば、「AWAKE(アウェイク)」は非常に使いやすいです。

もちろんフローラルやフルーティに振った香水ではありませんので、そうした植物系の爽やかさを求める方には向いていません。

季節は一年を通してまとえます。

ただ強いて言うならば、自宅勤務の時にまとう香水としてかなり活躍するのではないかと思います。

甘くもなく、強すぎず、ひたすらコーヒーのアロマティックな香りが漂う「AWAKE(アウェイク)」は、自宅で仕事に集中したい時にも最適です。

もし出かけるのであれば、特に冬のニットと相性が良いでしょう。

イメージはアイスコーヒーではなくホットコーヒーなので、「AWAKE(アウェイク)」の温かみのある香りは冬の癒しとなるかもしれません。

それ以外の季節でももちろんOKです。

少量であればオフィスでも大丈夫ですし、コーヒーの香りが好き、という方は非常に多いと思いますので香害にもなりにくいと思います。

この雑味のない香りはとても大事です。

コーヒー香水にはその他の香料がキツ過ぎたり、全体的に勢いが強いといったものもあります。

しかし「AWAKE(アウェイク)」にはそのような部分がありませんから、純粋にコーヒーアロマとしても楽しめるでしょう。

年齢層は幅広く、20代〜50代、60代の方に。

ユニセックス香水なので壁がない、というのも魅力的ですね。

まとめ

ニッチで珍しい香り、Akro(アクロ)の「AWAKE(アウェイク)」をご紹介しました。

現在はヨーロッパを中心に展開していますが、日本で誰も知らない香りを探しているという方には朗報です。

他にも魅力的な香りが揃うこのブランドをぜひチェックしてみて下さい。