ジャン ポール ゴルチェは、フランス発祥のファッションブランドです。
フランス・パリ郊外で生まれたジャン・ポール・ ゴルチェ(Jean Paul Gaultier)によって手掛けられました。
1976年には自身初めてのコレクションとなる、アクセサリーラインを発表します。
そして翌年には、自身の名を冠したレディースのプレタポルテコレクションにて華々しいデビューを飾りました。
1980年代のジャン ポール ゴルチェは、下着ルックやボディコン服といった斬新かつユーモラスな作品を次々と世に送り出していきました。
1992年には「ゴルチェジーンズ」を発表し、デニムを中心としたストリートファッションの影響を受けたジーンズラインで、世界のトレンドを変えることになります。
その翌年には、香水ブランドのジャン ポール ゴルチェ・パルファムをスタートさせます。
そして2003年には浴衣や水着も発表され、日本人になじみのあるアイテムの発表により、日本にも浸透していくこととなるのでした。
こうした成功により、ジャン ポール ゴルチェは大手ブランドエルメスからの出資を受け、ますますその名を世界にとどろかせることになります。
彼の成功はおよそ40年ほど続きました。
ジャン ポール ゴルチェ自身は、2020年1月22日にパリで行われた2020年春夏オートクチュールコレクションを最後に、引退を表明しています。
ジャン ポール ゴルチェの香水
出典:ジャン ポール ゴルチェ公式インスタグラムより
現在ジャン ポール ゴルチェはプレタポルテから撤退し、香水とオートクチュール部門のみにフォーカスしています。
またジャン ポール ゴルチェといえば、マドンナのステージ衣装を手がけた人物としても有名です。
マドンナがライブでよく着用していた衣装、それはゴルチェ・デザインによるビスチェ(コルセット)だったのです。
その後ジャン ポール ゴルチェは、ビスチェを形どったデザインの香水「ジャン=ポール・ゴルチェ」を1993年に初めて発表します。
この香りは「女性が鏡の前でコルセットをギュッと閉める瞬間」をイメージして作られたものであり、「女性が自身を最も美しいと思うひと時」を表しています。
かくして女性のパワフルさとセクシーさを表現した「ジャン=ポール・ゴルチェ」は世界的なヒット香水となり、有名調香師ジャック・キャバリエ(現ルイ・ヴィトンの専属調香師)の奥様も愛用するほどとなりました。
その後、巨匠ジャック・キャバリエは「ジャン=ポール・ゴルチェの香りが私に多大な影響を与えた」と語ったほどです。
今回は、そんなジャン ポール ゴルチェから「最もスキャンダラスな香り」とされる「Scandal(スキャンダル)」オードパルファムをご紹介します。
圧倒的なボトルデザイン、深く官能的な香りetc。
2017年の発売時にフランス全土で話題となった、人気香水「Scandal(スキャンダル)」の魅力を述べていきましょう。
インパクト大、ハニー香る甘めのフレグランス
出典:ジャン ポール ゴルチェ公式インスタグラムより
Scandal(スキャンダル)オードパルファム
トップノート:ブラッドオレンジ、マンダリンオレンジ
ミドルノート:ハニー、ピーチ、ガーデニア、オレンジブロッサム、ジャスミン
ラストノート:キャラメル、ビーズワックス、パチュリ、リコリス
発表年:2017年
調香師:ダフネ・ビュジェ、ファブリス・ぺルグリン、クリストフ・レイノルド
対象性別:女性
「Scandal(スキャンダル)」の香りは非常に濃厚です。
甘いハニーたっぷり、ホワイトフローラルのミックスで気分はまさに官能・スキャンダラスなものに。
まずはボトルからしてスキャンダルです。
ハイヒールを履いた女性の足が逆さになり、それがボトルキャップにもなっています。
これほどインパクトのある香水ボトルは他にないのではないでしょうか。
しかしその香りも、見た目に負けず劣らずインパクト大です。
トップノートからいきなりハニーが現れます。
オレンジの香りと混ざり合い、フルーツキャンディのような甘さに。
ハニーの主張は強く、ミドルノートにあるはずが堂々とトップから香ってくるのです。
そこからしばらくするとガーデニアやオレンジブロッサムが漂い、キャンディの香りから香水の香りに格上げされます。
フローラル香るミドルでも、ハニーは主役のままです。
ただ肌に馴染むと官能性は増し、思わず口に入れたくなるような「高級タルト」のイメージも。
甘い香りが好きな方には、「Scandal(スキャンダル)」はたまらないと思います。
ラストノートは少し重めな甘さに変わっていきます。
キャラメルとビーワックスが粘度を増し、パチュリの苦味とリコリスの漢方っぽさが隠し味となり、深みのある「大人セクシー」な香りになります。
ハニーの香りは最初から最後まで全開です。
ここまで濃厚で甘く、そしてインパクト大な香水は今ではなかなか見かけませんが、これもジャン ポール ゴルチェのエッジの効いたファッションを体現するものだと思います。
コルセットをギュッと閉め、自分の一番美しい状態を鏡の前でチェックする…そんな自信に満ち溢れた、堂々とした女性を表すようです。
香りの印象としてはやはりヨーロッパの女性、といったイメージが強くはありますが、つけ方によっては日本でも十分に楽しめる香りです。
特に甘い香水がお好きな方には、「Scandal(スキャンダル)」を知らずにいるのはあまりにもったいないと言えるかもしれません。
自分のためだけにある香水。寝香水や下着と共に
「Scandal(スキャンダル)」は持続力が大変強く、パンチの効いた香りですので、オフィスには全くと言って良いほど向きません。
プライベートで日中まとえるか、といっても好き嫌いの分かれる香りだとは思います。
しかし甘い香りが好きな方には「ストライクにはまる香り」だと断言できます。
クオリティは素晴らしく、ゴルチェらしいパンクな哲学も香水の中に入っています。
年齢層はちょっと狭く、20代後半から30代半ばくらいまでのイメージでしょうか。
ここまで狭いのも珍しいのですが、それくらい甘くてセクシーな香り。
ということで、女性が最も成熟して輝き出す年齢の方に、特にお勧めしたい香水です。
アルマーニの「Si」、イブサンローランのブラックオピウム、ディオールのプワゾンがお好きな方には特にお勧めです。
まとう場所は心臓から遠い場所であればあるほど良く、季節も冬が良いでしょう。
人の好みが分かれる香りではありますが、裏を返せば自分だけのために是非まといたいフレグランスでもあります。
そのため寝香水として使ったり、ウエスト部分にちょんと付けて下着と共に香らせる、という方法も良いでしょう。
いずれにしろ、ゴルチェらしく「自分が良いと思ったものを着る」といったスタイルがこの香水には合っています。
まとめ
ジャン ポール ゴルチェの「Scandal(スキャンダル)」をご紹介しました。
コアなファンを持つゴルチェではありますが、ヨーロッパでは根強い人気を誇る香水として今でも香水ブティックのセンターに立つ香りです。
甘い香水をもっと知りたい!という方、人に知られていない香りを探している、という方に是非とも手に取っていただきたいオードパルファム「Scandal(スキャンダル)」。
ユニークなボトルデザインを含め、センセーショナルな香りにも注目が集まっています。