香水のメッカといえばフランスです。

歴史の古い香水メゾンはたくさんありますが、中でも最も古いブランドはどこなのでしょう?

それはオリザ ルイ ルグランという名の、15世紀から続くフレグランスブランドです。

今でもパリ市内にブティックがあり、創設はなんと1720年。

ルイ15世の時代から続くフランス王室御用達のパフューム・メゾンであり、1720年にマリー・アントワネットの調香師であったジャン・ルイ・ファージョンとその家族によって創設されました。

ファージョン一族はマリーアントワネットお抱えの調香師として、とても大切にされていたそうです。

当時のフランスは不衛生だったため、香水が“体臭を隠すもの”として使用されていたのはとても有名な話ですよね。

その強い体臭をカバーするのに使われたのは、ムスクやアンバーなどの動物性の香りが主流だったようです。

マリーアントワネットだけはそんな常識を覆し、フローラル系の香水を好んで身にまとっていたそうです。

つまり、フローラル香水を流行らせたのはマリー・アントワネット自身でもありました。

彼女はファージョン一族とともに、時代の先を行く感性の持ち主だったようです。

その後ナポレオンやその妻ジョセフィーヌをはじめ、シューベルトなど著名な芸術家にもオリザ ルイ ルグランの香水は愛され、フランス国内に留まらずイタリアやロシア、イギリスの宮廷にまで輸出されるようになります。

こうしてオリザ ルイ ルグランは香水の分野で大成功を収め、パリ万国博覧会では1867年に銅メダル、1889年に金賞、1900年にはグランプリに輝き国内外の名声を獲得しました。

香水、スキンケア、石けんなど香りにまつわる全てのアイテムがここに

オリザ ルイ ルグランでは香水の他にスキンケアアイテムやルームフレグランス、石けんなどの商品もそろっています。

なおブランド名の「(オリザ)Oriza」という名前は、化粧品の原料のひとつであった“お米”のラテン語に由来しているそうです。

こちらのクリームやパウダーは18世紀、「フランス絶世の美女」と称された作家のニノン・ド・ランクロの“永遠の美の秘訣”だと言われ、当時の高級化粧品ブランドとしても人気を集めていたそうです。

現在でもオリザ ルイ ルグランは、昔と変わらず原材料は全て天然のものを使用し、フランス国内で香水を製造しています。

ところがフランスでも知名度はそう高くありません。

ただその歴史、上質さは他に類を見ないほどで、パリジェンヌの間では“知る人ぞ知る”ブランドとなっています。

お店の世界観はまさに「マリー・アントワネットの部屋」。

こじんまりとしたブティックではありますが、お店に足を踏み入れた瞬間に誰もが「可愛い!」と感じるに違いありません。

高級感がありながらも、可愛いさとヴィンテージが入り混じったインテリア。女性ならその世界観に魅了されてしまうことでしょう。

今回は、そんなオリザ ルイ ルグランでも人気の香り「Foin Fraichement Coupe(フォアン フレッシュモン クーぺ)」をご紹介します。

こちらは日本語に訳すと「刈りたての干し草」となります。

干し草とはなかなか慣れない香りではありますが、フランスでは「ノスタルジックな香り」としてたびたび香水に登場するものです。

ヴィンテージのパッケージも大変可愛らしい「Foin Fraichement Coupe(フォアン フレッシュモン クーぺ)」。

一体どんな香りなのか、詳しくご紹介していきたいと思います。

温かみのある甘い香り、少しスモーキーな女性用オードパルファム

出典:オリザ ルイ ルグラン公式インスタグラムより

Foin Fraichement Coupe(フォアン フレッシュモン クーぺ)オードパルファム

トップノート:アンジェリークの花、スターアニス、ミント

ミドルノート:クローバー、クラリセージ、ニュームーンヘイ(新月の日に採れた干し草)

ラストノート:ホワイトムスク、アイビー、干し草 

発表年:1886年

調香師:不明

対象性別:女性

「Foin Fraichement Coupe(フォアン フレッシュモン クーぺ)」の歴史は大変古く、今から130年以上も前の1886年に作られました。

先述したとおり、この名前の意味は「刈りたての干し草」となります。

干し草の香り?とイメージしにくいものではありますが、こちらは中世のヨーロッパでよく使われていた香料をふんだんに取り入れた香水です。

ヨーロッパ、特にフランスでは主に干し草は麦畑で採れたもので、南仏が原産となります。

まずトップノートではフローラルにちょっとスパイシーな香りと、スッキリとしたミントが漂ってきます。

1886年調香といっても古臭いことはなく、その清涼な香りには少し驚くほどです。

続いてミドルノートではクラリセージ、ニュームーンヘイ(新月の日に採れた干し草)といったハーブらしき香りが。

女性用香水ではありますが、現代のユニセックス香水でもいけそうなほど中世的なイメージです。

ラストノートではやっと干し草が登場します。

その香りを具体的に表すと、少し甘みのあるスモーキーなタバコの香り、というのがしっくりくるかもしれません。

乾いた甘さがあり、ひなたのぬくもりを感じさせるような温かみのある香りです。

スモーキーさがありつつも、草花の清潔感も漂う逸品。

全体的には女性らしい、というよりは温かみのあるユニセックス香水、という印象が強いです。

19世紀にユニセックスタイプは存在していませんでしたが、その時代でしたらちょっとメンズライクなカッコいい性格の女性が付けていたのかもしれませんね。

フランスの小説でよく出てくる表現に“干し草の香り”というのがあります。

フランス人にとってそれは田舎の光景を思い出させる、郷愁を思い起こさせるような懐かしい香りなのだそうです。

オフィスでもどこでも。意外と使い勝手の良いフランス最古の香り

「Foin Fraichement Coupe(フォアン フレッシュモン クーぺ)」は19世紀に作られた香水ではありますが、現代でまとっても全く古臭さを感じさせない香りです。

珍しい香水が欲しい方やアンティークが好きな方には特にお勧めです。

オードパルファムなので持続性は5~6時間とそこそこあります。

ただ香り自体が強いということはないので、香水が可能な職場であれは付けていっても問題ないと思います。

特筆すべきは、やはりその上品さにあると言って良いでしょう。

フランス王室御用達だったというだけあって、品の良さは抜群です。

さらに干し草の香りがフェミニン過ぎないので、セクシーさを売りにしたくないという方にもピッタリです。

年齢層は幅広く、20代半ばから60代くらいの女性へ。

何といってもタッセル付きのボトルが本当に可愛いので、お部屋のセンスを挙げるアイテムとしても活躍しそうですね。

まとめ

オリザ ルイ ルグランはフレグランス界での“原点回帰”をモットーとしているとのことです。

ブティックだけでも一見の価値ありなのですが、「Foin Fraichement Coupe(フォアン フレッシュモン クーぺ)」で香水のルーツをたどってみるのも良いですね。

アンティークやヴィンテージがお好きな方、他と絶対に被らないラグジュアリー香水をお探しの方は是非チェックしてみてください。