2021年9月8日、『GUCCI(グッチ)』のレディスのオードトワレ「グッチ フローラ ゴージャス ガーデニア」がオードパルファムバージョンにリニューアルとなりました。
もともとのオードトワレは、『GUCCI(グッチ)』のなかでも大変な人気を誇るフレグランスで、軽快さと濃密さの両面を持ち合わせる女性らしい香りです。
香りのメインは、ホワイトガーデニア(くちなしの花)。
主となる香りはそのままに、一層華やかで美しく生まれ変わったのが、今回ご紹介する「FROLA(フローラ)」です。
香りもさることながら、リニューアル後のパッケージにもご注目。
可愛らしいピンク色を基調に、フレグランスのボトルには、クリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)がデザインしたブランドのアイコニックなフローラパターンが施されています。
年々シンプルに、ミニマリストなデザインが増える香水ボトル市場において、このように華やかでフェミニンなボトルに惹かれる方も少なくないと思います。
ホワイトガーデニアの香りの特徴もご説明しながら、『GUCCI(グッチ)』の新香水の魅力についてご紹介いたします。
ホワイトガーデニアの香りの魅力
「FROLA(フローラ)」の主軸となる香料にはホワイトガーデニアが使われています。
日本名では「くちなし」として良く知られている花で、その甘い芳香は金木犀と並び、世界三大香木として親しまれているほど。
可憐な白い花びらと香りが特徴で、初夏の風によって運ばれてくる甘い香りから、「喜びを運ぶ」「とても幸せです」という花言葉があります。
欧米では、ダンスパーティーに誘う女性にくちなしの花を贈ることも。
太古の昔から愛され、なんと不老不死の薬や魔術にも使用されていたのだとか。
他にも、「洗練」「優雅」との花言葉があり、どれもその美しい花びらの様子に由来しています。
香料としてはローズ、ジャスミンほどのスター性はないものの、可憐で優しく、出しゃばりすぎない存在感があるので、普段使いに最適な香りの一つでもあります。
可憐なホワイトフローラル、現代版のレディス香水
FROLA(フローラ)オードパルファム
トップノート…ブロッサムアコード、イタリアンマンダリン、レッドベリー
ミドルノート…ホワイトガーデニア、ジャスミンアブソリュート、プルメリア
ベースノート…パチョリ、ブラウンシュガー
発表年…2021年
調香師…アルベルト・モリヤス
対象性別…女性
「FROLA(フローラ)」は、ホワイトガーデニアの芳醇さとフルーティーさが綺麗にミックスされた、フローラル・フルーティノートです。
まず、トップノートはマンダリンとベリーの、気持ち良いほど透き通る香りで始まります。
柑橘系のトップノートは王道ですが、グッチの香水のなかでも、これほどクリアで心地の良い香りはなかなかありません。
そしてガーデニアの芳醇な香りがふんわりと広がり、プルメリアがとろけるような、南国の甘さを出し香り全体を盛り上げていきます。
ミドルノートは香料だけ見ると割とふくよかなのですが、1990年代、2000年代の香水のすくよかさとは似て非なるものです。
例えば、「フェミニン」や「女性らしい」といった、香水をOOらしさで判別する時代が、西欧を中心に終わりに近づいています。
もちろん男性にも当てはまることですが、男性の伝統的な規範に「弱音を吐かない」「女性を養う」「仕事で出世する」などがあります。
そういった、ステレオタイプを誰かに押し付けることは時に苦しみを与えてしまいます。
「FROLA(フローラ)」もそうなのですが、現代の香水は、男女を分断するものではなくなってきました。
ベースに性差別をしないことがあって初めて、自分に与えられた「性」というものを楽しめる、そういった「ライトさ」があるのがこのフレグランスの特徴なのです。
そのため、ラストノートのスパイシーで力強いパチョリ、そしてブラウンシュガーのあっさりとした甘みは、今までの『GUCCI(グッチ)』でもかなりニュートラルな仕上がりとなっています。
全体的にさり気ないのですが、だからこそ洗練されており、優しく知的な印象を与えることができるでしょう。
レディス香水ではあるものの、トランスジェンダーの方、たくましいメンズ香水が苦手という男性にも広く受け入れられる1本です。
2021年のモダンフローラル、冬の終わり~春先に大活躍
さり気ないとはいっても、『GUCCI(グッチ)』らしい華やかさ、存在感はしっかりとあります。
ミニマリストさんやリラックスコーデを楽しむ方よりも、ファッションに貪欲な方、そしてトレンドに敏感な方にぜひともお勧めしたいフレグランスです。
「FROLA(フローラ)」のカラフルなパッケージのように、洋服のカラーもパステルで明るい色がお似合いになるでしょう。
年齢層は、20代前半から30代後半の女性・トランスジェンダーの方に。
オフィスや接客サービス系に勤務する方にはいささか華麗すぎる香りとなってしまいますが、仕事後の飲み会や、セミプライベートな集まりには足元などにちょっとまとっても良いと思います。
洗練されていて、『GUCCI(グッチ)』のエレガンスを全面に発揮することができますので、気持ちの切り替え時などにピッタリかもしれません。
もちろんプライベートタイムでは大活躍です。
季節は冬の終わりから春先がベストです。
少し寒さが残る時期、日差しが柔らかくなる頃に、くちなしの香りが心地よく伸びていくことでしょう。
『GUCCI(グッチ)』の大人気オードトワレ、「グッチ フローラ ゴージャス ガーデニア」を現代版として生まれ変わらせた今回の作品。
これ以上ないほどモダンなフローラル香水の誕生です。
まとめ
ホワイトフラワーの代表格、ガーデニア。
姿形の美しさもさることながら、その芳しい香りは世界中で愛され、多くの香料に使われています。
今回ご紹介した「FROLA(フローラ)」は、自然の美しさにインスパイアされた、時代の最先端を走るフローラル香水です。
シンプルなのに勢いがあって、「これぞグッチ香水!」と嬉しくなるような一面も。
すっきりとしたフルーティ感と、芳醇なガーデニア、それらを支えるさまざまなニュアンスが完璧に調和した、存在感抜群の華麗な香りです。
『GUCCI(グッチ)』らしい華やかさ、そして新時代のフローラル香水を求める方へ。
ローズだけではない、フローラルの素晴らしさを感じてみてくださいね。