『CHANEL(シャネル)』でも大人気の香り「COCO MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)」。
2001年の登場以来、アメリカを中心に世界中の女性に愛されてきた香水です。
「MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)」とは、フランス語で未婚の女性に対する敬称。当時の『CHANEL(シャネル)』が「20代の女性のための香りを作りたい」と考えていたことで生まれた、21世紀の女性に捧ぐフレグランスでもあります。
しかしながら、これは若い未婚の女性のためだけにある香りではありません。
『CHANEL(シャネル)』の創始者、ガブリエル・シャネル自身は生涯独身であっても「マドモワゼル・シャネル」と呼ばれ親しまれていました。
「COCO MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)」は年齢に関係なく、仕事や自分の信じた道に突き進む女性のための香りなのです。
ただただライトな着け心地を追求したフレッシュな香水ではない、華やかさと奥深さの演出は一流ブランドである『CHANEL(シャネル)』の成せる技。
21世紀となってから20年以上が経過しようとしていますが、世界の『CHANEL(シャネル)』がこの新しい時代に相応しいと打ち出した「COCO MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)」について改めて振り返ってみましょう。
優雅でセンシュアルなフレッシュ・オリエンタルノート
COCO MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)オードパルファム
トップノート:オレンジ、マンダリンオレンジ、オレンジブロッサム、ベルガモット
ミドルノート:ミモザ、ジャスミン、ターキッシュローズ、イランイラン
ラストノート:トンカビーン、パチョリ、オポポナックス、バニラ、ベチバー、ホワイトムスク
調香師:ジャック・ポルジュ
発表年:2001年
対象性別:女性
これほど優雅で甘く、したたり落ちるようなトップノートはなかなかありません。
オレンジやベルガモットの香りが一瞬で広まるスタートダッシュ。パリのリッツ・ホテルのカフェでサーブされるような最上級のフレッシュジュースのような甘みととろみがあります。
一番甘く、食べ頃なフルーツを世界中から集めてギュッとまとめたような香り。
もちろん決して下品ではなく、フルーツという日常的な香りを非現実的で、非凡なものに仕上げていることろに『CHANEL(シャネル)』らしさを感じます。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花、というような誰もが憧れる綺麗な女性のイメージです。
堂々たる登場で、一瞬にして周囲の空気を自分色に変えてしまうような魔法の力をも持っています。
続くミドルノートのヒロイン感。華やかでみずみずしいターキッシュローズと豪華絢爛たるジャスミンが混じりあうフローラル・ブーケに香り、全体を包み込みます。
甘く、ゴージャスで、この香りをまとう女性の背景には大輪の花々が似合います。
輝く笑顔や、艶のある髪、陶器のような白い肌に、桃色の唇。しっかりしていて凛とした雰囲気はあるけれど、決して放っておけないたおやかさもある。
意識せずとも常に物語の主役になってしまう、そんなオーラのある女性像を彷彿とさせます。
そしてラストノートのパウダリーさ、ドライダウンではやはり『CHANEL(シャネル)』の格が漂っています。
ホワイトムスクがピュアで官能的なパウダリー感を出しつつ、透き通るような清潔感も演出。綺麗な女性が眠りにつく前のリラックスしたひと時ーそんなドキッとした瞬間を思わせる、艶っぽい幕引きです。
トップ、ミドル、ラストと香りの変化がはっきりしていて、それぞれオレンジ、ローズ、パチョリを強く感じられます。
徹頭徹尾『CHANEL(シャネル)』らしい格がついて回るので、どこか背筋がピンと伸びて姿勢を正して歩きたくなるような香り。
甘いといえば甘いのですが、上品な柑橘系とパチョリのエレガンス性が重なるため、どの女性も品の良さを漂わせることができ、気持ち良くまとえます。
前半部分は、ともすれば周囲に緊張感を与えてしまいそうな香りなのですが、時間が経つにつれてその緊張を解きほぐし、懐に飛び込んでくるというコケティッシュな香水でもあります。
ハイブランドの香りは得てして、その人の魅力を奪ってしまうほど主張の強いものがあります。「COCO MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)」はその人の魅力を奪うどころか、自分でも気づいていない「潜在意識」的な魅力を開拓してくれる、パワフルな1本なのです。
TPOを見極めるセンスが必要な香り
理想のフェミニン像を描き出す、美しい香り「COCO MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)」。
いつまでも香っていたくなるような素敵な香水ですが、やはり『CHANEL(シャネル)』の存在感は抜群なので、TPOを見極めるセンスが必要です。
他の『CHANEL(シャネル)』香水と同じように、服装には注意が必要です。
リラックスした服装よりもきちんと感のあるルックの方が断然似合いますし、湿度の高い日本ではなるべく心臓から遠い場所に着けた方が良いでしょう。
ただ、然るべきTPOでさりげなく添えられる「COCO MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)」ほどエレガントを極めたものはありません。
「21世紀に生きる20代の女性のための香り」と当初の『CHANEL(シャネル)』は考えていましたが、実際には年齢は問いません。
「COCO MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)」はいくつになっても恋と仕事に生きる、全ての独身女性に捧ぐフレグランス。
そこには若い女性が喜ぶような香りや、男性が喜ぶ要素など入っていないのです。
「マドモアゼル・シャネル」がそうしたように、ただただ人生をひた走る“自立した女性”のための香りです。
まとめ
『CHANEL(シャネル)』の三代目専属調香師ジャック・ポルジュが創り上げた「COCO MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)」は、水彩画で描いたかのような柔らかく包み込むフレッシュ・オリエンタルが光るオードパルファムです。
「もし、ガブリエル・シャネルが21世紀に生きていたらどんな香りを作っただろうか?」との解釈で創られた香りでもあります。
そこには、流行という時代の波にのまれず、かといって時代に逆らうこともせず、一流ブランド『CHANEL(シャネル)』が描く理想の女性像が見えて取れます。
いつもの自分に『CHANEL(シャネル)』らしさを添えたい時、最高のおしゃれをして自信を身に着けたい時。
ぜひ「COCO MADEMOISELLE(ココ・マドモワゼル)」とともに出かけてみて下さいね。