香水の発祥地として名高いフランス。

首都パリには非常に多くの香水ブティックがありますが、その中でもモダンでかっこいいと評判なのが『MEMO(メモ)』です。

こちらは日本未上陸で、フランスらしいエスプリの効いたパリ生まれの香水ブランドです。

ブティックはパリのカンボン通りにあり、シャネル本店、エルメス本店にもほど近く、ラグジュアリーブランドがひしめき合う一等地に位置しています。

またパリの大型デパートやセレクトショップでも展開されており、独立した香水メゾンとしては、セルジュ・ルタンスやラルチザン、グタールと同等の人気を集めています。

さて、今回ご紹介するのはそんなメモの代表作品「French Leather(フレンチ レザー)」です。

「French Leather(フレンチ レザー)」は冬のパリを想起させるキリッとした香りであり、カフェで佇むマダムの「レザーバッグ」をイメージした香りでもあります。

日本には決してないような、独特で通好みの「French Leather(フレンチ レザー)」はいったいどんな香りがするのでしょうか。

メモのブランド紹介も兼ねて解説したいと思います。

香りで「旅」を。旅とレザーの香りを結びつける『MEMO(メモ)』

メモは、フランス人のClara Molloy(クララ・モロイ)と John Molloy(ジョン・モロイ)夫妻によって2007年に設立されました。

パリでは比較的新しいパフューマリーです。

妻であるクララはスペインのイビサ島をルーツに持ち、パリに渡った後も世界各地を旅してきました。

香りの世界に入ったきっかけは、彼女が「22人の調香師」という書籍の出版に携わったこと。旅と香りをリンクさせ、自身もプロデューサーとして香水ブランドを作ることを思いつきます。

メモのコンセプトは香りで「旅」すること。

世界中の魅力的な都市にインスパイアされた香水をつくる傍ら、ホームフレグランスやキャンドル、バスグッズ、ボディクリームなど香りに関するアイテムを発売しています。

メモ(MEMO)の名前の由来は“想い出”という意味の“MEMORY”からきているそう。

ユニセックスフレグランスだけでなく、珍しいレザー系の香りを中心に取り揃え、個性的なパリジャン・パリジェンヌたちを惹きつけています。

また旅にちなんだ香水ブランドということから、オリジナルのトラベル用香水ケースも販売しています。10MLの香水も合わせて販売しているので、旅先はもちろん、試しに少しだけ買ってみたい、という人にもありがたいサイズ感です。

メモで活躍するのは、アリエノール・マッサネという女性の専属調香師。

ハンガリーにルーツを持ち、転勤族だった両親のもとで、小さい頃は創業者夫妻と同じように世界中を旅したそうです。

メモが最も得意としているのはレザー(革)系の香りです。

旅行の必需品であるスーツケースからもインスパイアされているという、なんとも徹底したブランドコンセプト。

香水の数は全29種類ですが、その中でもレザー系の香水は10種類にも及ぶということですから、レザー香水がお好きな方にはぜひとも目を通してほしいブランドです。

フランス人であること、とは?フランスの冬とカフェをイメージ

French Leather(フレンチ レザー)オードパルファム

トップノート:ライム、ピンクペッパー

ミドルノート:スエード、ローズ、クラリーセージ

ラストノート:杉、ホワイトムスク、ベチバー

発表年:2007年

調香師:アリエノール・マッサネ

対象性別:女性

カジュアルで、さりげない。1本の煙草。ぶっきらぼうな振る舞い。お気に入りのカフェに、決まったテーブルがあること。常に自分らしくいることを大切にする。

漂うのは革のハンドバッグの内側にあるスエードの香りと、やさしい薔薇の花の香り。

そんな魅力的なパリジェンヌのエスプリを感じられる「French Leather(フレンチ レザー)」は、レザーの香水とは思えないほどソフトでフレッシュ。

この旅の目的地はもちろん、フランスのパリです。

冬のパリはあまり晴れることがありません。しかしグレーの空と、鉛でできたアパルトマンの屋根はこの時期に一体化します。

空との境界線がなくなるパリの光景は、グレーであっても息を呑むほど美しい。

快晴のパリも良いですが、こうして灰色一色となっている方が、パリの曖昧・矛盾・ニュートラルさを確実に表していると言えます。

「French Leather(フレンチ レザー)」でも冬のパリを表現しています。

トップノートの印象は、パンチの効いたスパイスの香りが目立ちます。香りが横にふわっと広がり、きゅっとした冷たさも大変印象的です。

ミドルノートはローズが中心ですが、ここには一ミリの甘さもありません。

というのも、レザー(スエード)の香りとクラリセージが加わることで、ローズが「ノーブルな薔薇」から「ハードボイルドな薔薇」に変わっているためです。

美しいけれどちょっと冷たい感じのするローズは、つれないパリジェンヌのイメージそのもの。

強く、気高く、女性性を嫌い、男性とキャリアを共にすることを望むヨーロッパの女性。

それを含めた大都会パリの様子が香りで上手に表現されています。

ラストノートはホワイトムスクとウッディノートで落ち着いたフィニッシュです。

余韻は長く、6〜7時間ほどはこうした知的な印象が続いていきます。

知的な印象、オフィスでもOKのニュートラルな香り

個性的でニッチな香りが特徴のメモは、好きか嫌いかがはっきり分かれるブランドだと思います。

中でも「French Leather(フレンチ レザー)」はソフトでフレッシュな印象はありますが、やはりレザーの香りがベースです。

フローラルや森林などの大自然系の香りに振った香水とは違いますので、レザーの香りに抵抗のない人が良いでしょう。

メンズライクな香りを探している方、日本で周りと差をつけたい独特な香りを探している方、性的な印象を与えない香水を探している方には逆にぴったりです。

またパリジャンによる、パリをイメージしてつくられた香りですので、フランスやパリにご興味のある方にもぜひお勧めしたいところです。

ただ個性的な香りなので、サプライズ的なギフトには向いていないかもしれません。

年齢層は高ければ高いほど良く、少量であればオフィスでも大丈夫です。

季節はレザーを羽織る秋冬をお勧めしたいですが、乾燥さえしていれば「French Leather(フレンチ レザー)」は十分に美しく香ると思います。

まとめ

パリで大人気のラグジュアリーフレグランス、メモをご紹介しました。

世界中を香りで旅するブランドですので、いつか日本の香りも発表するのかもしれません。

現在は「French Leather(フレンチ レザー)」のほかにもローマ、エジプト、モロッコ、中国、アイルランドなどたくさんの香りが発売されていますので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。