南仏プロヴァンス生まれのフレグランスブランド、Mad et Len(マドエレン)。

何とも珍しい、溶岩のポプリを製造・販売するブランドです。

ルームフレグランスといえば、液体にスティックを添えたディフューザーを思い浮かべる方が多いかと思います。

しかしMad et Len(マドエレン)では、溶岩を元にした“ストーン”に香りを含ませて香らせる、“ポプリ”の形を採用しています。

個性的ながらも、その香りは実にエレガントでナチュラル。

ずっと記憶に残ってしまう、というほど素晴らしい香りばかりなのです。

Mad et Len(マドエレン)の香りのコンセプトは、フランス人の小説家、マルセル・プルーストの長編小説「失われた時を求めて」の有名な一説に由来するものです。

マドレーヌを紅茶に浸して口の中へ含んだ時の香りが引き金となり、幼少期の記憶が鮮明に蘇る…というストーリーなのですが、香り好きのみなさんなら一度は耳にしたこともあるかもしれません。

香りによって過去を思い出す事を“プルースト効果”と言います。

以上のことから、小説にも登場するマドレーヌが『Mad et Len(マドエレン)』のブランド名となりました。

つまり記憶に残るもの、そして「いつかの記憶」を呼び覚ますような香り作りを目指すためにスタートしたブランドなのです。

マドエレンのラインナップと素材

Mad et Len(マドエレン)には、ルームフレグランスの他にもアロマキャンドル、オードトワレなどが揃っています。

香料はどれも昔ながらの蒸留方式で抽出したもので、化学製品や動物実験を一切行っていません。強い香りにちょっと疲れてしまった時などは、このような優しい香りで癒されたいものです。

コロナ禍以降、自宅滞在時間がかなり増えたかと思います。ルームフレグランスの需要もそれに伴って大きくなりました。

できるだけ質が良いものを…というのは世界共通なのかもしれません。

Mad et Len(マドエレン)は南仏以外にもパリにブティックがありますが、コロナ以前に比べて知名度がグッと上がったようです。

さて、Mad et Len(マドエレン)は溶岩ポプリだと申し上げました。

具体的に何が使われているのかというと、天然石、溶岩石、アンバー(琥珀樹脂)の3つです。

そこに専用のオイルを垂らして、部屋に香りを充満させるという方法です。

オイルには花や植物などから蒸留抽出したものを手作業で染み込ませる昔ながらの製法を採用しています。また、保存料にも天然素材を使うなど、100%自然由来の香りを楽しめるのも特徴です。

そしてもう一つ特徴的なのが、ポプリポットのデザインです。

実はこちらメタルで出来ていて、モロッコの職人さんによる手作りのものです。

ひとつひとつ丁寧にメタルを「叩いて」作るので、形が微妙に異なり、同じものは一つとしてありません。無骨さは残るものの、他のブランドにはないオリジナル性があります。

例え劣化したとしても、より味が出て長く使用できそうですね。

ポプリは女性の持ち物、というイメージがありますが、Mad et Len(マドエレン)のポプリは男性にも喜ばれそうです。

香りの種類とオイルの使い方

では香りの種類はどういったものがあるのでしょうか。

Mad et Len(マドエレン)のポプリは、3種類のストーンに自然の香りを染み込ませるものです。

なかでも溶岩石はパフュームオイルの染み込みが特に良いのだとか。

人気の香りをご紹介していきましょう。

・Ambre Nobile(アンバー ノービル)

こちらはブランドでアイコニックな香りなのだそうです。

リッチな甘さのなかにムスクの奥行きを感じる香りで、体の芯から温かくなるような、優しい香りです。

もちろん香水のムスクとは全然違うものなので、アニマルっぽさは感じられません。

上質な香料だけが持つエレガントさがあって、この香りならお洋服に移っても全く問題ないと思います。

・FigueNoire(フィグ ノワール)

イチジクのフルーティな甘さの中にウッディさを併せ持つ香りで、良い感じに大人っぽい、粋なタイプのルームフレグランスです。

テーマは「イチジクの香りが広がる樹の下、夕日を映した地中海を眺めた記憶」。とてもロマンチックな香りです。

・SPIRITUELLE(スピリチューレ)

ミントやヨモギの葉をベースに、ビターオレンジで深みを加えた香りです。フレッシュな香りとシトラスのみずみずしさが入り混じっています。柑橘系の香りで部屋をスッキリまとめたい時、深くリラックスしたいという方にお勧めです。春から夏にかけては特に良いかもしれません。

・SANG BLUE(サン ブルー)

こちらは王宮に咲く高貴なローズをイメージした香りです。華やかなローズの香りを、カシスの甘さで包み込んでいます。上の3つよりフェミニンです。フローラルベースなので癖がなく、空間に馴染みやすいのも特徴。

Mad et Len(マドエレン)には他にもたくさんの香りがあります。

ただ、数週間で香りが弱くなってくるので、パフュームオイルをストーンに足し、追加して使用するという方法が取られています。

そしてこのパフュームオイルは付属されていますが、リチャージオイルも別売りで存在しています。

自分好みの色の天然石、香りを十分に堪能することができますね。

また、香りを強めてもキツくならないのが特徴です。

複数の香りを混ぜてもお互いが邪魔をしないので、好きな香りをミックスさせて使用することも可能です。

ルームフレグランスもユニセックスに!

Mad et Len(マドエレン)は容器のデザインもアート作品のようで、オブジェ的要素もあります。

インテリアに上質な香りを添えれば、何気ない日常が楽しみになるかもしれません。

南仏で生まれたブランドですが、センスの良い日本ではこれからもっと受け入れられるのではないでしょうか。

宝石のようなヴィジュアルに、無骨なアイアンのポット。

シンプルな自然美の外観はインテリアとしても優れています。ジェンダーを感じさせないデザインも良いですね。

なんとなくルームフレグランスは女性が率先して選ぶもの、といったイメージでしたが、これでしたら男性にも気に入ってもらえるのではないでしょうか。

ポプリの概念を打ち破るMad et Len(マドエレン)の溶岩ポプリ。

高価ではありますが、「一度お部屋に飾ったら最後、虜になってしまう」という、大変な魅力を秘めています。