『GOUTAL(グタール)』という香水メゾンをご存じでしょうか?
以前は、正式名称をアニック・グタールとしていましたが、2018年9月に『GOUTAL(グタール)』という名のブランドとしてリニューアルしました。
創設者は、パリジェンヌのアニック・グタール。
モデル、ピアニストを経て、美しきアニックは南仏グラースで香水と恋に落ちます。
その後、これまでのキャリアを捨てた彼女は、シングルマザーとしてパリで孤軍奮闘し、香水の猛勉強をすることになりました。
パリ一区に「アニック・グタール」をオープンさせたのが1981年。
その前年に再婚した夫にはお子さんがいたそうです。
その子の名は、「シャルロット」。
アニックは、最愛の男性の娘にオマージュを捧げた香りを、1982年に世に発表したのでした。
今回は、この可愛らしい香り「Eau de Charlotte(オー ド シャルロット)」について詳しくご紹介したいと思います。
ファーストフレグランスにふさわしい香りが多く揃う『GOUTAL(グタール)』でも、「Eau de Charlotte(オー ド シャルロット)」は頬ずりしたくなるほどキュートな香り。
このオードトワレの秘密に迫ってみましょう。
目次
ブラックカラント×ココアのキュート・グルマン
Eau de Charlotte(オー ド シャルロット)オードトワレ
トップノート:百合、ブラックカラント
ミドルノート:ミモザ、スズラン
ラストノート:ココア、バニラ
発表年:1982年
調香師:アニック・グタール
対象性別:女性
アニックは、娘シャルロットに「どんな香りが好き?」と聞きました。
シャルロットは、少女らしく「ブラックカラントのジャムとココア」と答えます。
「Eau de Charlotte(オー ド シャルロット)」は、そんな娘シャルロットの「好き」を集めた香りとなりました。
まず、トップノートにブラックカラントがすぐに登場します。
ブラックカラントは別名カシスといい、カクテルのキールやジャムによく使われるベリー系の果物。
甘くフルーティーで、フランスの子供たちにも人気のフレーバーです。
全体的にお菓子のような、ベリーチョコレートのような、スイートで可愛らしい香りがトップで漂います。
そして、続くミドルノートはミモザとスズラン。
この二つのグリーンノートが先の甘い香りを程よく中和し、イメージは育ちの良いお嬢様へ。
ただ、それは実際の少女というわけではなく、写真の中で見る80年代のお嬢さん、といったノスタルジックさを感じさせるものです。
ラストノートは一転してココアとバニラが、パリのカフェで登場するホットチョコレートのような温かみを伴って登場します。
かなり珍しいことなのですが、グリーン系×グルマンの組み合わせが斬新なトワレでもあります。
グルマン、と断言できるわけでもなく、グリーンフローラルでもない。
ちょっとしたパウダリーさもあるのですが、パウダリーを前面に出してしまえばそれは大人の女性になってしまいます。
ミモザとスズランの若さ、グリーンさがあるからこそ「うら若き少女」のような雰囲気をここで上手に表現しているのだと思います。
いずれにせよ、とてもキュートでノスタルジック。
良いところのご令嬢がまとっていそうな上品さもあります。
そして、パルファムではなく「オードトワレ」としてライトにまとうのがこの香りにはとてもよく似合っているのです。
想いをのせて香水に。母アニックの意志が受け継がれる、ファミリー愛の強いブランド
母アニック亡きあとは、実の娘カミーユがその意志を継ぐことに。
母譲りの感性や、香料へのこだわりをもとにヒットフレグランスを連発。さらにブランドを発展させていきました。
名前が『GOUTAL(グタール)』と変更になってからも、香りへの真摯な姿勢はそのままに、ボトルデザインやラインナップがより現代的にアップデートされました。
特徴は、アニックが大切にしていた家族愛、幸福な瞬間、秘めた想い、人生の岐路での出来事、最愛の人をめぐる忘れられない記憶など、さまざまな感情を表現していること。
こうして「感情」そのものを香りで表しているのが、他のブランドと一線を画す
ところでしょう。
母から娘、姉から妹へ、家族内の女性に贈るフレグランスとしてこれ以上ないほどぴったりな香水なのです。
10代後半から20代の女性に。品のあるグルマンをお探しの方にも
「Eau de Charlotte(オー ド シャルロット)」はオードトワレなので、比較的ライトにまとえます。
ただ、シトラス系やフローラル系の香りではないので、「爽やか」というよりは「クラシック」という言葉がしっくりきます。
『GOUTAL(グタール)』のオードトワレには秀逸なものが多く、しっかりとラグジュアリーさがありながらも嗅ぎ疲れしないのがポイント。
もちろん「Eau de Charlotte(オー ド シャルロット)」もそのひとつです。
香水を始めたいけど、アルコール感が強いものが苦手だったり、セクシー過ぎないものが欲しい、といった女性におすすめ。
甘さ+品の良さ+正統派が交差する、とても良質な香りとなります。
年齢層は、10代後半から20代の女性に。
シャルロットのあどけなさと天真爛漫さが、若い女性のはつらつとしたイメージにとてもよく合います。
お嬢様へのファーストフレグランスの贈り物として、大学進学のお祝いや成人の日、誕生日などにとても喜ばれるでしょう。
その際は、ぜひこのエピソードとともに「Eau de Charlotte(オー ド シャルロット)」を贈ってみてくださいね。
母の愛が詰まった香り、娘さんがいつか母となる時もこの香りを伝えられたら素敵ですね。
まとめ
家族愛にまつわるエピソードが込められた、『GOUTAL(グタール)』のフレグランスたち。
他のブランドにはアグレッシブなものもありますが、このメゾンの香りはいつも私たちの心を優しくなでてくれるようです。
「Eau de Charlotte(オー ド シャルロット)」は、カシスとココアという異色の組み合わせにも関わらず、かなり完成度の高いグルマンノートとなりました。
これも、質の高い香料と母アニックの豊かな感性が確実に反映されているからでしょう。
上品ながら華美すぎない香り「Eau de Charlotte(オー ド シャルロット)」を身にまとい、大切な人に思いを馳せてみてくださいね。