ラグジュアリーフレグランスのなかでも圧倒的な存在感を誇る『Kilian(キリアン)』。

2007年にパリで生まれた『Kilian(キリアン)』は、当時混迷していたフランス香水界において一大センセーションを巻き起こしました。

自身の名前をブランドに名付けた『Kilian(キリアン)』ー彼のフルネームはKilian Hennessy(キリアン・へネシー)です。

彼は18世紀から続く世界的コニャック・メゾン、ヘネシー家の御曹司であり、彼の祖父は『LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)』グループの創始者。

そう『Kilian(キリアン)』とは、世界的に有名なコニャック・メゾンに生まれた御曹司のフレグランスブランドなのです。

しかしながら彼は自身の恵まれた環境に甘んじることなく、絶対にファミリービジネスには参加しないと子供の頃から心に決めていました。

大学生の頃から香水に惹かれ、いつしか香りの世界に没頭するようになったKilian(キリアン)は著名な調香師に師事します。

そして、ファッション香水の「消費者のニーズにあった香り」「莫大な広告費」といったありきたりな打ち出し方に嫌気がさした彼は、本物のラグジュアリーフレグランスを作ることを決意したのです。

21世紀のゲランを目指す『Kilian(キリアン)』は、創業からわずか10年足らずで、香水業界において「真のラグジュアリーフレグランスブランド」と呼ばれるほどその存在価値を高めました。

その揺るぎない位置を確固たるものにした香りがあります。

「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」です。

世の中全ての人が肯定する、芳しいこのオードパルファムをご紹介しましょう。

一瞬にして辺りは楽園に。甘美な金木犀のマジック

Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)オードパルファム

トップノート:ジャスミン、オスマンサス、メイローズ

ミドルノート:インド産チュベローズ、スイセン

ラストノート:アンバー、シダー

発表年:2012年

調香師:アルベルト・モリヤス

対象性別:女性

正真正銘のラグジュアリーフレグランスブランド、『Kilian(キリアン)』。

その最高に贅沢な香水たちの中にあって、最も罪作りな香りが「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」です。

そしてこの香りは『Kilian(キリアン)』でも世界中でベストセラーになっているという名作でもあるのです。

調香を手掛けたのは世界の香水界を牛耳る天才調香師、アルベルト・モリヤス。

Kilian(キリアン)はこの香りを作る際、「どこよりも官能的な香水を生み出すのはアルベルト・モリヤスしかいない」と考えたそうです。

そして「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」は1秒で周囲の空気を変えるマジックを持っています。

この香水をワンプッシュした瞬間、辺りは楽園のような雰囲気に包まれるのです。

甘くまろやかなフルーティー香。

トップノートは、水分をふんだんに含んだ、美味しそうな白桃の香りから始まります。

この自然な甘さを伴ったトップのフルーティーな香りには驚くこと間違いなし。

ピーチの香料など入っていないのに、どうやったらこれほどみずみずしいフルーツの香りを作れるのか?と、惚れ惚れするほどの芳醇さです。

このオープニングにはジャスミン、金木犀、メイローズ(5月の薔薇)が使用されているのですが、金木犀の香りが他のジャスミンやメイローズを携えて堂々とした表情を出しています。

といっても日本の金木犀のイメージとは少し異なる香り。

西洋のアプリコットにも似たような、ジューシーでとろけそうなオスマンサス(金木犀)の香りです。

ここまで人の嗅覚を巻き込んでしまう、甘美なトップノートは他に類を見ません。

『Kilian(キリアン)』でも世界中でベストセラーとなっている「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」、おそらくその多くがこのトップノートの虜になっているはずです。

10分もしないうちに、そのトップノートにわずかにクリーミーなチュベルーズのヴェールが覆いかぶさります。

このクリーミーなチュベローズの香料も最高品質を思わせるもの。

トップで感じた果実香、チュベローズのふくよかさ、そして他のフローラルがシンクロしながら一斉に咲き誇る、美しいフローラルミックスのミドルノートの完成です。

重たさは全く感じられず、とても綺麗で繊細なミドルノート。

ラストノートのアンバー、シダーはほとんど主張がなく、トップから香り全体の印象がほぼ変わることなくゆっくり消滅するといった感じです。

出典:『Kilian(キリアン)』オフィシャルインスタグラムより

「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」のとろけそうな香りは、実は旧約聖書に出てくる「アダムとイヴ」のイヴをテーマにしたもの。

イヴはエデンの園で禁断の果実を食べてしまった、言わば「罪深き女」です。

「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」は、エデンの園でまどろむ追放される前のイヴをイメージさせるものです。

聖域と禁断、無垢と成熟。

そのちょうど中間で行ったり来たりするような、少し危うい香りでもあります。甘美で優雅で、人の心をうっとりさせる媚薬めいた香り。

ただ無垢と成熟のバランスが取れていると、時にとんでもない官能性と化けることがあります。まさに「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」はそのギリギリのところを突いた、官能の極みとも言えるフレグランスです。

全ての女性に。全ての人種、文化、気候に溶け込む香り

真の名香というものは、人種や文化、気候を飛び越えて、全てのヒューマンビーイングに響くものです。

「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」に関しては、その売り上げがアメリカ、ヨーロッパ、中東、アジアと全世界でベストセラーとなっていることから、心底人類が好む香りであると言えます。

「良い娘が悪女になる」という意味の「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」は、そのネーミングのように、まとう「本人が悪女になる」訳ではありません。

逆にこの美しく可憐な楽園の香りが周囲を誘惑して、悪の道に落としかねないという、ありそうでなかった媚薬フレグランスなのです。

女性も香りも、美しいほど罪作りです。

当の本人は全く気づいてないから、また罪作り。

と、「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」は特に意識していなくても、誰もが官能性を瞬時に(そして無意識に)身に着けてしまう、素晴らしくも恐ろしい香りです。

もちろん年齢層は問いません。

全ての女性に、そしてどのTPOにも、どんなルックにも似合います。ただセクシーさを控えたい場面では着けない方が無難でしょう。

一つポイントは、男性が「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」を着けこなすとものすごい色男さんになってしまうということです。

女性向けのフレグランスではありますが、軽いフローラル・フルーティー調なのでタイプが合えば男性にももちろん似合います。

「この人と恋愛してみたい」と思わせる、大モテする伊達男の香りへと転生を遂げてしまう「甘美で危険な香り」なのです。

まとめ

100年前のフランスで「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」が存在したならば、フランス中の女性が買いあさっていたはず。

上品な色気というものは、口には出さなくとも誰もが身に着けたいと願うスキルの一つではないでしょうか。

もし、香りでそれが叶うなら、それは「Good Girl Gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」しかない、と断言できます。

ひと嗅ぎで私たちの嗅覚を掴んでしまうこのフレグランス、「真のラグジュアリーフレグランスブランド」を謳う『Kilian(キリアン)』の底力を感じることのできる1本です。

最高の香りを探究する、香水界の貴公子が率いる『Kilian(キリアン)』からこれからも目が離せません。