Aesop(イソップ)は、1987年オーストラリア・メルボルンで誕生した歴史あるボタニカルコスメブランドです。

ボタニカルを使用した製品作りのパイオニアである、デニス・パフィティスにより開発されました。

Aesop(イソップ)では世界各地から厳選された質の高いハーブやエッセンシャルオイルを配合しており、合成保存料をできる限り抑えながら、植物本来の力を生かした肌に優しい成分を採用しています。

また洗練されたパッケージも魅力の一つです。

性別問わず、持ち運びにも自宅で使うのにも好感が持てるデザインとなっています。

現在では東京、ニューヨーク、パリなどに直営店を展開し、世界的に大変有名なブランドとなりました。

もう一つの魅力といえば、その香りの良さにあるでしょう。

植物由来の製品は清潔感を漂わせており、どれもナチュラルで心地よい香りばかり。

その他、過剰包装や宣伝費を省き、その分品質管理にコストを割いているという姿勢もAesop(イソップ)の人気に拍車をかけました。

今ではほぼ当たり前になっているような感覚ですが、これを80年代から実行しているというところがポイントです。

そんなAesop(イソップ)が初めて香水を発表したのは2005年のこと。

香りによって「感覚を体感すること」を目指し、香りによって五感が研ぎ澄まされるような体験をしてほしいと考えます。

第一作目はモロッコのマラケシュにインスパイアされた「マラケシュ」、そして二作目は“洗練・モダン・繊細”という印象を与える「タシット」が発表されました。

今回ご紹介するのは、三作目となった2017年発表の「Hwyl(ヒュイル)」です。

「Hwyl(ヒュイル)」のイメージは、“日本古来の森の新緑と静寂”。

ウッディなノートが冴えるその深い香りをご紹介しましょう。

Hwyl(ヒュイル)のテーマ背景

「Hwyl(ヒュイル)」のテーマ、そして香りの背景を少しご紹介したいと思います。

こちらは日本古来の森と苔寺から着想を得て調香されました。

調香師はイソップ初の香水「マラケシュ」を担当したバーナベ・フィリオン氏。

新緑や太陽を思わせる明るさは感じられず、深緑の森に立つ禅寺で佇んでいるかのような静かで神聖なイメージを持っています。

欧米では禅はそのまま「ZEN」と言われ、瞑想や静けさ、何にも動じない精神を表す言葉として使用されています。

今となってはそのZENが大ブームとなっており、先述した意味の他にも、「リラクシングな」「マインドフルな」「シンプルな」「健康的な」という意味合いで広く使われています。

海外のセレブリティもこのZENに魅了されているといいますが、彼らにとっての日本とは、食文化や漫画などのサブカルチャーの他にも、日本古来の大自然、神道、仏教、そしてそれらを敬う日本人の精神こそが「尊敬すべき日本の伝統文化」として目に映っているのです。

「Hwyl(ヒュイル)」は非常にリラックスできる香りとして評判です。

ということで、Aesop(イソップ)が日本の森林や神社仏閣をテーマに取り上げたことは、至極自然な流れであったと言えます。

深いウッディとスモーキーが香るAesop(イソップ)らしいフレグランス

Hwyl(ヒュイル)オードパルファム

ノート:サイプレス、フランキンセンス、ベチバー

発表年:2017年

調香師:バーナベ・フィリオン

対象性別:ユニセックス

つけたては非常にスモーキーな印象です。

スモーキーかつウッディで、甘さはほとんどなく、大地を思わせる土のような香りが特徴です。

メイン香料としてヒノキ科の「サイプレス」が用いられているため、ヒノキの香りが目立っています。

それはまさにヒノキ風呂を想像させる香りで、そうした香りが好きな人にとってはたまらないフレグランスとなるでしょう。

最初は想像以上にスモーキー・ウッディの香りが強く出るのですが、次第にそれは穏やかで丸い印象に変化します。

香りが消えかけの頃には、ベチバーの漂う落ち着いた香りとなります。

一番リラックスできるのはこの辺りです。

鼻を通り越して、まるで脳に直接作用しているみたいに心の底から落ち着ける香りとなっています。

自然由来の香料を使用しているので、香水特有のツンとする香りはありません。

周囲の空気を全てその香りで満たしてしまう、というような強い主張がなく全体的に優しい香りなので、香水を普段苦手としている人にも使いやすいでしょう。

今では大人気のイソップ香水ですが、つけた瞬間の「Hwyl(ヒュイル)」の個性はかなり強め。

スモーキーテイストが強くラストの心地よさまで時間を要するため、どちらかと言えば香水上級者向けの1本です。

しかし裏を返せば、「Hwyl(ヒュイル)」では本当の「香水の面白さ」を感覚的に楽しむことができます。

これはAesop(イソップ)の香水作りのテーマである「香りによって五感が研ぎ澄まされるような体験をしてほしい」ということに当てはまりますね。

いずれにしろ、他にはないような香り、そして香りの楽しみ方を深いところまで追求した香水となっています。

ビジネスシーンにも、ルームフレグランスにも!脅威を一切与えない癒し香水

「Hwyl(ヒュイル)」は使うたびにハマるタイプのフレグランスなので、森林の香りがお好きな人にはぜひとも試してもらいたい1本です。

やや男性よりではありますが、女性がまとえば非常にスタイリッシュで知的さを演出できると思います。

ビジネスシーンには最適で、落ち着きがあり頼りになる印象を周囲に与えることができるでしょう。

しかし「Hwyl(ヒュイル)」のトップノートはかなり個性的なので、つける場所は手首よりもウエストや腰など服で隠れる場所が良いかと思います。

その他、自宅でまとうのも良い案です。

ヒノキの香りがお部屋に漂い、まるで高級なルームフレグランスのような香り方をしてくれます。

年齢層はやはり20代後半以降の大人の男女が良いでしょう。

ふわっと空中にスプレーするようにしてまとうのが、Aesop(イソップ)らしい香りを楽しめるコツです。

まとめ

Aesop(イソップ)の大人気香水「Hwyl(ヒュイル)」は、日本古来の森や苔寺をイメージして作られました。

このフレグランスは木々や自然に包まれているような、心地よい安心感のある香りです。

ジェンダーレスで気品のある、Aesop(イソップ)らしい香りはまとう人を神聖な場所へと誘ってくれるでしょう。