紳士・淑女の香りが揃うトム フォードの香水シリーズ「プライベート レーベル コレクション」。

その第一弾として発売された香りに「TABACCO VANILLE(タバコ バニラ)」があります。

2007年の発売以来、多くのファンを虜にしている1本で、エレガント&ラグジュアリーなオリエンタルノートが楽しめます。

そしてこのフレグランスは何を隠そう、あのトム・フォード氏自身を表す香りでもあります。

トムフォードのアイコンとも言えるキリッとしたメンズスーツ、そしてそれを着こなすマッチョな身体にエレガントな佇まい…

フォーマルシーンやハイブランドのファッションと合わせても全く負けない香りなので、格調高いフレグランスをお探しの方にもぴったりの香りとなります。

今回は、そんなトム フォードきっての名香を詳しくご紹介しましょう。

タバコとバニラの相反する関係

「TABACCO VANILLE(タバコ バニラ)」オードパルファムは、その名前の通りタバコとバニラの香りとなります。

タバコとバニラ、一見すると正反対の香りに見えますが、この相性はトムフォード・フレグランスにおいては最上級に良いものとなっております。

舞台はイギリスの紳士が通うハイセンスなバー。

シガレットにラム酒、そして時折り女性に囁く甘い言葉が「TABACCO VANILLE(タバコ バニラ)」のキーワードなのです。

タバコの香りをイメージした数々の香料には催淫効果を表現したものも。

そこに洋酒と合わせたバニラの香りが相まって、見事な「甘い罠」を表しています。

そしてこれはもともと、英国の首都ロンドンに対するトム フォードの思慕から始まっています。

スパイスやコニャックの芳醇な香り漂う、イギリスの紳士クラブを思わせるフレグランス。

発売から15年経った今でもなお、香水ファンを唸らせる上等な1本です。

格式高いスパイスと樹液の香り

TABACCO VANILLE(タバコ バニラ)オードパルファム

トップノート:タバコリーフ、ジンジャー、クローブ、アニス、コリアンダー

ミドルノート:バニラ、カカオ、トンカビーン、タバコブロッサム

ラストノート:ベンゾイン、ドライフルーツ、ウッディノート

発売年:2007年

調香師:オリヴィエ・ギロティン

対象性別:ユニセックス

トムフォード プライベートコレクションの香水の多くは、最初から最後まで香りの印象があまり変化しないシングルノートです。

しかし香り立ちを説明するために、敢えてここでは三段階に分けています。

もちろん主役はシガーにも似たタバコの香りとバニラで、徹頭徹尾、その香りが消えることはありません。

特徴としては、ジンジャー、クローブ、アニス、コリアンダーのスパイス類が混ざることでタバコの香りが表現されており、それが本物のタバコより「害のない香り」として現れているところでしょう。

これはタバコが嫌いな人にとっても、当の喫煙者にとっても、良い香りとして映るのは間違いありません。

そこにさらに、バニラとカカオの甘くて誘惑的な香りが加わります。

トム フォードの打ち出すタバコとバニラの共犯的な関係。

この二つの香りを、これほどまで情緒的・魅力的に表現できるのはやはりトム フォードしかいないと思います。

イギリス紳士の社交場をテーマに作られたオードパルファムというだけあり、その香りは本当に質の高いものです。

経験豊富な大人だからこそ付けこなせる、簡単には立ち入らせない「敷居の高さ」も感じられます。

そしてトップノートからラストノートまで、「エンジン全開」な印象は続いていきます。

持続時間は8〜10時間ほどで、その長さもシリーズの中でピカ一と言って良いでしょう。

オードパルファムらしい穏やかで重厚感あるオリエンタルノートで、ラストはドライフルーツやウッディが混ざる、これまた格好いい形でフィニッシュします。

香りが強い、という表現よりは「出力高め」という表現が似合います。

ただただ強いというのではなく、その格調高さと上質さと官能性で「人の記憶に残る」香水だと断言することができます。

そのため多くのシーンで人の心に爪痕を残す香り、となるでしょう。

ハイブランドのファッションやバッグが憧れの存在であるように、トム フォードの「TABACCO VANILLE(タバコ バニラ)」は世の香水ファンが憧れてやまない逸品。

さらにはこの香水に見合う自分になりたい・追いつきたい、と思わせてくれるような非常に稀有な1本です。

フォーマルシーンに、バーに、社交場に…外に向けてアピールするべき香り

「TABACCO VANILLE(タバコ バニラ)」は格式高い香水のため、フォーマルなファッションに一番似合う香りとなります。

ですが、タキシードやドレスといった礼装の出で立ちでなくてももちろんOKです。

品の良い装いならデイリーシーンにもマッチしますし、オンにもオフにもまとえるオードパルファムとして持っていて損はないでしょう。

使い勝手の良い1本…とは言えませんが、とりわけナイトシーンには活躍すること間違いなしです。

たとえば香水のコンセプトにもあったように、大人が通うバーやラウンジにはぴったり合います。

電車移動よりは車移動、そして車移動よりは飛行機移動が似合います。

年齢層は上であればあるほど良く、30代半ば〜60代・70代の男性にも適しています。

ただ公式では「TABACCO VANILLE(タバコ バニラ)」はユニセックスタイプの香水となっています。

そのため、女性がまとえばかなり「カッコ良い」イメージにまとまるはず。

髪を短めに揃え、パンツスタイルにヒールを合わせる…といった、都会に生きる“デキる女性”にぜひとも身に着けてほしい香りです。

季節は夏以外でしたらいつでもOKです。

ただ付ける部位は工夫したいところです。

もし官能的な印象を強調したいなら、体温で甘い香りが立ちやすいウエストや太ももにつけると良いと思います。

一方、体温が低めの膝下などに付けるとスパイシーな印象が強調されますので、もう少しカジュアルな雰囲気に変化するでしょう。

いずれにしても、手首や耳の後ろは控えておいた方が良いかもしれません。

というのも「TABACCO VANILLE(タバコ バニラ)」は“外に向けてアピールするべき香り”だと言えますので、嗅覚が心地よいと感じる香り立ちに持っていく必要があります。

これほどの名香を、付け過ぎて「香害」と思われてしまっては本当にもったいない。

“空間を完全に支配する”ほど魅力的な香りですので、「TABACCO VANILLE(タバコ バニラ)」とはぜひとも上手に付き合いたいところです。

まとめ

トム フォードの「TABACCO VANILLE(タバコ バニラ)」は、タバコ&バニラの芳醇な香りが楽しめるオードパルファムです。

甘みとダークな色気を感じさせる、これぞトム フォード!な逸品。

格式高い香り、またはトム フォードらしい香水をお探しの方はぜひチェックしてみて下さいね。