香水のメッカ・フランスには、日本でまだ知られていない香水ブランドが多くあります。
今回ご紹介したいCHABAUD(シャボー)もその一つで、こちらは2002年に南仏のモンペリエで誕生したフレグランスメゾンとなります。
その香りは全て、調香師のソフィー・シャボーによって生み出されたもの。
品のあるたおやかな香りと、100%フランス製など高品質にこだわっているところが魅力です。
またシャボーの香水は「偉大なパフュームは常に伝えるべき美しいストーリーを持つ」というビジョンでもって制作されており、ポエムのように繊細な香り立ちをしています。
オードパルファムやオードトワレといった香水の他には、ルームフレグランス、キャンドルもあり、パリでは高級セレクトショップで販売されています。
透明感のあるボトルデザインも素晴らしく、ガラス容器はノルマンディーの由緒あるガラス工場で、キャンドルはプロヴァンス地方、フレグランスはグラースで作られ、フランスの中で実績のある場所で製造されているのも特徴的です。
シャボーで特筆すべきは、「甘い香り」のラインナップが豊富であることと、その香りの良さがフランスの香水ブランドの中でも群を抜いているということが挙げられるでしょう。
今回ご紹介するのは、そんなグルマン系ノートの中から、チョコレートのスウィートな香り「lait et chocolat(レ エ ショコラ)」です。
身近な「チョコレート」の香りを、シャボーはさらに上品で美しいものとして発表しました。
その魅力をご説明したいと思います。
フランスに根付くチョコレート文化
フランスの人々はチョコレートが大好きです。
チョコレート味のスイーツも豊富にあり、ほぼ毎日食べるという人も少なくありません。
では、どのようにチョコレートが生活に浸透しているのでしょうか?
香水にするほど愛してやまないチョコレートが、香水のメッカ・フランスでどのような立ち位置にあるのか少しご紹介したいと思います。
フランスにおけるチョコレート消費量は世界で第6位にランクインしています。
ショコラ組合 (syndicat du chocolat) のデータによれば、フランスの各家庭の年間平均消費量はおよそ8キロにも及ぶそうです。
そしてその3分の1は板チョコであることも分かりました。
昔ながらのイベントでも欠かせません。フランスではイースターとクリスマスにチョコレートを食べたり、プレゼントをする習慣があります。またこれはお菓子業界の繁忙期とも言えるでしょう。
バレンタインデーにチョコレートを送るといった習慣はありませんが、その代わり家庭での消費量は本当に多いです。
「どうしても辞められないもの」のひとつに、多くのフランス人が「チョコレート」と答えるほどです。
フランスの人々は「口に入れたくなるほど美味しい香り」を香水やシャンプーに好んで使用する傾向があります。
ということで、チョコレートの香水が各フレグランスメゾンで発表されるのは、至って自然なことなのでした。
リラックス効果の高いミルクチョコレートの香り
出典:Chabaud(シャボー)公式インスタグラムより
lait et chocolat(レ エ ショコラ)オードトワレ
トップノート…ジャスミン、チョコレート
ミドルノート…シダーウッド
ラストノート…バニラ、ムスク、ミルク
発表年:2003年
調香師:ソフィー・シャボー
対象性別:ユニセックス
「lait et chocolat(レ エ ショコラ)」は、「ミルクチョコレート」をテーマにしたグルマン香水です。
トップノートは柑橘類が一切使われておらず、ジャスミンの華々しい香りと甘いチョコレートの香りがダンスするように始まっていきます。
そこから珍しいことに、ミドルノートでシダーウッドの渋い香りが漂ってきます。
実はこのシダーウッドが大変良い仕事をしており、ともすれば「甘いだけ」で終わってしまうチョコレートの香りを一段と品よく仕上げています。
ラストノートではバニラ、ムスク、ミルクの芳醇な香りが広がり、さらに肌に馴染むことで本当に「口に入れたくなる」ほど魅力的なものに変わっていきます。
例えて言うなら「ホットチョコレート」。スウィートな上にとても温かく、心の奥からじんわりとした温もりが広がっていくようです。
実は、チョコレートのフレグランスは珍しくありません。
「lait et chocolat(レ エ ショコラ)」にも、とろみのある甘さがありますが、決して重たいということはありません。
なぜならこちらはオードトワレのため、ふわっと包み込まれるような、ライトで優しい香り立ちをするのです。
グルマン香水の多くは持続時間も長く、ヘビーな香り方をするものが多いのですが、「lait et chocolat(レ エ ショコラ)」のように品が良いものだと安心してまとうことができますね。
またチョコレートの香りはリラックス効果をもたらすとも言われています。
心を落ち着かせてくれるチョコレートの香りで、ストレスフルな毎日が少し改善できるかもしれません。
とにかく品が良く、ただただ甘いだけではない「lait et chocolat(レ エ ショコラ)」。
グルマン系香水を「甘ったるい香り」と誤解している人にもぜひお試しいただきたい1本です。
カップルでシェアしたい、温もりフレグランス
「lait et chocolat(レ エ ショコラ)」はユニセックス仕様なので、カップル香水としても大変おすすめです。
もちろん親子や兄弟姉妹で共有しても良いでしょう。
年齢層は全く関係ありません。
またこれは一人で楽しむより、二人以上で分かち合いたい「温もりフレグランス」であるとも言えます。
一番の魅力はやはり、肌としっかり馴染んだラストノートの香りです。
大変なリラックス効果に加え、まとった人を逆に「人肌恋しい」という気持ちにさえさせてくれます。
そのため自然に「誰かに香ってもらいたい」という気持ちにもなります。
ただまとう季節はやっぱり冬です。
春夏は気温や日が高いのでチョコレートの香りがすぐに蒸発してしまいます。
そのため秋が深まる11月〜春前の2月がベストシーズンだと言えます。
いずれにしろ「lait et chocolat(レ エ ショコラ)」は、大切な人の仲が一層深まりそうな、本当に温かいフレグランスです。
まとめ
シャボー自体があまり知られておらず、大変ニッチなブランドではありますが、香り好きさんのためにこのメゾンの大人気フレグランス「lait et chocolat(レ エ ショコラ)」をご紹介しました。
まだ誰も知らない香水を探している方、冬向けの香りを新調したいという方はぜひともチェックしてみて下さいね。