SDGs、サステナビリティが盛んに叫ばれている昨今。

もちろん、コスメ業界もサステナブルな方向へとシフトしつつあります。

リップのレフィル化、香水ボトルのリサイクルシステム、アニマルフリーの化粧品などなど、欧米を中心にエコフレンドリーの輪が急拡大しています。

フランスを中心としたヨーロッパでは、大企業やトップブランドなどで相次いでサステナブルな取り組み・商品が企画され、もはやそれが「当たり前」の感覚になってきました。

そんな中、あるようでなかった100%ヴィーガンの香水が、2021年10月に『Chloé(クロエ)』から発表となりました。

オーガニックローズを中心とした新作「Chloé Eau de parfum naturelle(クロエ オードパルファム ナチュレル)」は、自然の持つ優美な力強さを表現しています。

他の香料にネロリ、ローズ、シダーウッド、シトロンも含まれていますが、その原料も全て厳選された有機農場などからエシカルに調達したもの。

アルコールや水も自然由来のものを配合し、人工着色料などは使用されていません。

また、今回『Chloé(クロエ)』は、ガラスボトルの25%、ボトルネックに結んだリボンのポリエステルは100%、外箱は40%をリサイクル素材を使用するなど、環境負荷の少ないパッケージを採用しています。

香水も「持続可能」がマストになる時代。

新世代のトレンド、“エコフレンドリー”をテーマにしたフレグランスとは一体どんな香りなのでしょうか。

最新作「Chloé Eau de parfum naturelle(クロエ オードパルファム ナチュレル)」の秘密に迫っていきたいと思います。

フランスで浸透するエコ活動、コスメ業界の使命

フランス・パリ発のブランド、『Chloé(クロエ)』。

自国フランスだけでなく世界中の人から愛されるメゾンですが、近年はこういった大手ブランドが次々と「地球に負荷をかけない」アイテムを発表しています。

例えば、仏大手ファッショングループのケリングは、今年10月に毛皮を使った商品を全撤廃する方針を決めました。

また、化粧品メーカーのロレアルも、今後は「プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)」を考慮したビジネスモデルに転換すると発表。

新たなサステナビリティ目標として、2025年までに全世界の拠点を100%再生可能エネルギーに移行すること、2030年までには全てのパッケージのプラチックをリサイクル可能もしくは植物由来に切り替えることを宣言しています。

フランスはコスメ大国でもありますが、実は化粧品業界は自動車業界、ファッション業界に次いで世界第3位の汚染産業なのです。

これを踏まえて、フランスの各企業は、持続可能な製品開発、容器リサイクルの啓蒙を盛んに行っているのが現状です。

便利でスピーディーな物が逆に「持続不可能」になる時代。これからは人間も、地球と一緒に綺麗になることが不可欠となりそうですね。

新感覚のウッディ・フローラル。クロエのローズがより軽やかに

Chloé Eau de parfum naturelle(クロエ オードパルファム ナチュレル)

トップノート…シトロン(レモン)、ブラックカラント

ミドルノート…オーガニックローズ、ネロリ、ミモザ

ラストノート…シダーウッド

発表年…2021年

調香師…ミシェル・アルメラック

対象性別…女性

最新作「Chloé Eau de parfum naturelle(クロエ オードパルファム ナチュレル)」は、これまでにないほど透き通った、素晴らしいウッディ・ローズの香りです。

今までの『Chloé(クロエ)』香水と違うのは、フローラルを基調としつつ、全体的に「グリーンさ」が加わったことでしょうか。

甘い・重い・くどい、といった形容詞は全く似合いません。

自然なバラの香りが漂う、そしてとことんナチュラルな、嫌味のない素敵な香りなのです。

今回、香料に使用されているローズ、シトロンやネロリなどのエッセンスは、モロッコとイタリアの持続可能なプランテーションで栽培されたものを厳選しているそうです。

『Chloé(クロエ)』は、サステナビリティを最重要課題とするブランドの一つです。

動物福祉の尊重、そして除草剤、殺虫剤、人工肥料の使用禁止、水の消費量削減、化学物質の使用制限などなど、地球にとってポジティブな変化をもたらす方法で香水を製造しています。

また、原料のプランテーションでは、あらゆる差別をなくし、困難な生活環境下にある少数民族の労働者におけるコミュニティを発展させることを目標に。

「良い香り」なだけでなく、「誰も不幸にしない」取り組みが裏でなされているのです。

そんなベースがあるからでしょうか、「Chloé Eau de parfum naturelle(クロエ オードパルファム ナチュレル)」の透明度、フレッシュさはブランドのなかでも群を抜いています。

今までは女性のための香りとして人気のある『Chloé(クロエ)』でしだが、今回の香りは少しユニセックス寄りでもあります。

甘すぎない、落ち着いた香りで、自然の美をも感じられる1本。

ローズの艶やかさ、華やかさにフォーカスしたというより、美しいローズを育てるために必要な良い環境、大自然の恵みなど、ローズを取り巻く「背景」が感じられます。

「Chloé Eau de parfum naturelle(クロエ オードパルファム ナチュレル)」は、地球にも体にも優しい「ワンランク上」の香水として、きっとこれからの『Chloé(クロエ)』を引っ張っていくことでしょう。

年齢問わず、オールシーズン対応できるローズ香水

「Chloé Eau de parfum naturelle(クロエ オードパルファム ナチュレル)」は、そのフレキシブルさも素晴らしいポイントの一つです。

とても気持ちの良い香り方をするので、世代や季節を問わず、ナチュラルさを演出したり、リフレッシュに用いるのも良いでしょう。

正統派だけど新しくもあるウッディ・フローラルノートで、最新の『Chloé(クロエ)』を感じたい方には声を大にしてお勧めしたい1本です。

全体的にソフトですが持続性は長め。

香り自体もクセがなく酸味も甘味も控えめなので、いつでもどこでも安心して使うことができるはず。

もちろんオンでもオフでも、さまざまな場所でその万能力を発揮するでしょう。

シンプルなのに印象深く、根底に流れるのは『Chloé(クロエ)』らしい落ち着いた雰囲気。

しかし、時折り発散される『Chloé(クロエ)』らしからぬ「鋭さ」も見え隠れし、一筋縄でいかないユニークな香りとも言えます。

グリーン系ローズがお好きな方はもちろん、『Chloé(クロエ)』の香水を愛用している方のセカンドフレグランスに最適です。

まとめ

『Chloé(クロエ)』のような一流ブランドから、100%ヴィーガン仕様の香水が発売されるのは非常に意味のあることです。

おそらく、10年後にはほとんどの香りがヴィーガンとなるのでしょう。

「Chloé Eau de parfum naturelle(クロエ オードパルファム ナチュレル)」はヴィーガン香水の持つナチュラルさ、香りの良さが十二分に発揮されています。

自然美あふれる素晴らしいこの香りを、感受性をフルオープンにして感じてみてくださいね。