ランコムのロングセラーにして大人気の香水といえば、ミラクに他なりません。
フランス発の化粧品ブランドとして世界的に認知度の高いランコムですが、実は香水事業からスタートしています。
ランコムは1935年の創業以来、マスカラ、美容液、香水とたくさんのヒット商品を世に生み出してきました。
トレゾア、ラヴィエベルなど、アイコン的な香りが多いランコムですが、ミラクの人気は2000年の発表当時から衰え知らず。
香水探しをしたことがある人ならば、一度は目にしたことがあるかと思います。
ミラク(MIRACLE)はフランス語で「奇跡」を意味します。
香りの良さもさることながら、ミラクに込められた秘かな女性へのメッセージは21世紀に生きる私たちにとって励みになることでしょう。
天才調香師が生み出した、「奇跡」という名のフレグランス。今回は、そんなランコム史上最大のヒット香水、ミラクの魅力について徹底ご紹介します!
奇跡の調香師が創り上げた「奇跡」という名の香り
ランコム/ミラク オードパルファム
2000年発表
調香師:アルベルト・モリヤス
対象性別:女性
トップノート:ライチ、フリージア
ミドルノート:マグノリア、ジンジャー、マンダリンオレンジ、ペッパー、ジャスミン
ラストノート:ペッパー、ムスク、ジャスミン
ミラクを創り上げたのは、世界一の調香師と呼ばれる、アルベルト・モリヤスです。
彼が創った香水は数知れず。カルバンクライン・シーケーワン、ブルガリ・ブルー、グッチ・ブルームなど、世界で最も香水を世に出した調香師なのです。
「完璧なものに全く惹かれない」と語るアルベルト・モリヤスですが、「奇跡」という名の香水は、傍から見れば完璧なフレグランスのような印象を受けます。
ですがミラクの香りを試した時、そこに「成熟さ」はありません。
なぜこれが「奇跡なんだろう?」と疑問を持ったほどです。
どちらかというと、ミラクの香りは「爽やか」「フレッシュ」「清潔感のあるフローラル」と形容されることが多いのではないでしょうか。
実は、それこそがアルベルト・モリヤスがミラクを通して表現したかったことで、そこには全ての女性に送る励ましのメッセージが含まれています。
「奇跡は自分で起こすもの」であり、たとえ今、欠けている部分があったとしてもそれが欠点とはなり得ない。
アルベルト・モリヤスは、「未完の美」が時には完成度の高いパーフェクトなものを遥かに超える力を秘めていることを知っているのです。
完璧な香水を調香ができるはずの偉人が、あえて「完璧を目指す過程」の香りを創り出したことに芸術性を感じずにはいられません。
ランコムのシンボルといえばバラです。化粧品のパッケージにもバラのマークが、そして香水にもバラの香料が使われていることがほとんどです。
しかしミラクに限っては、バラの香料が使用されていないのです。
ここにも意味深な「何か」を感じました。
ランコムのシンボルでもあるバラの香料を使用していないミラクが、なぜナンバーワンのフレグランスとなったのか。
ミラクの香りがどれほど魅力的か、探っていきましょう。
行動したくなるスパークリングな香り
ミラクのトップノートは、ライチとフリージアで始まります。
トロピカルでジューシーなライチと、グリーン感のあるフリージアは、トップノートにありがちな、突き抜けるような硬質さを感じさせません。
どちらかというと柔らかで癖がなく、非常に好ましいオープニングです。
そして、ミラクはミドルノートで覚醒します。
マグノリアの上品な甘さに、清潔感のあるジャスミン。そこにマンダリンオレンジが香りに生き生きとした活力を広げます。
ジンジャーとペッパーがキリリと締まったスパイシーさを添えています。
ロゼ・シャンパンのように美しく弾けるミドルノートの香りは、まるで夢を追う若い女性そのもの。
出典:ランコム公式インスタグラムより
バラの香料を使わずして、ここまでフェミニンな香りが存在するのは少し意外でもあります。それと同時に、もしバラの香料が含まれていたのなら、もっとゴージャスさが出てしまい、「奇跡」とはほど遠くなっていたのかもしれません。
日常で起こる一つ一つの小さな奇跡の繰り返しが「自信」となり、大人の女性へと成長していくのだと思います。
無限の可能性を信じてキラキラと輝く女性。
一つ失敗しても、十を得るという心意気。そんな活き活きとしたパワーを秘めているのをこのミドルノートから感じ取れます。
ラストノートでは再度ジャスミンが華やかに広がり、ムスクとアンバーで全体を優しく包み込みながら、穏やかにフィニッシュ。
一貫して嫌味のない、上品でフェミニンな香りが続きます。
この香りは本当に癖がなく嫌われないので、オフィスや学校、オン・オフ問わず一年を通してまとうことができるでしょう。
前向きになれるミラク
「奇跡」と聞くと何やら壮大な印象になってしまいますが、これを「軌跡」ととらえると、ミラクの香りはしっくりきます。
コンセプトは、“朝日が昇るように希望に満ち溢れ、自分自身で運命を切り開く女性達へ送られる神秘的な香り”。
調香師のアルベルト・モリヤスが「未完の美」が魅力的と語るように、「奇跡」を起こそうと切磋琢磨する姿は大変美しいものです。
似合うのはやはり20代から30代前半の女性。
香りに興味のある方でしたら、ティーンエイジャーのファースト・フレグランスとしてもおすすめです。
ピンクの可愛らしいボトルもポイントですね。
「奇跡は自分で起こすもの」と胸に刻みながら、お守りのように毎日まといたくなるフレグランスです。
まとめ
名前のインパクト、好感度の高さ、価格帯と全てにおいて、女性たちが手に取りやすいミラク。
甘いだけの香りは次第に飽きがくるものですが、ミラクだけは何年もずっとリピートしているという方も少なくないのでは?
裏を返せば、それほど現代女性にマッチしている香りとも言えます。
そして、ミラクは自分だけのリラックスタイムに使うにはもったいない香りです。
この活き活きとした香りを身にまとって、ぜひ出かけてみて下さいね。ミラクの素敵な香りが、本当の奇跡を運んできてくれるかもしれません!

