ワキガで悩んでいると、人とのコミュニケーションに影響してしまうことも少なくありません。
臭いというのは、それだけ敏感になるものですし、どうにかして解消したいとさまざまな対策をしているのではないでしょうか。
なかには、ワキガの原因として「遺伝」が関係しているのではないかと思っている人もいるかもしれません。
ワキガと遺伝の関係やその割合についても、わかりやすく解説していきたいと思います。
目次
ワキガと遺伝の関係は
ワキガは、アポクリン腺から分泌される粘り気のある汗と細菌が原因となっています。
アポクリン腺の汗は個人差こそあるものの、誰でも臭いがするものです。それでも気になる人もいれば、ほとんど臭いがしない人もいます。
ワキガで悩んでいる人にとって、両親の遺伝なのでは?と気になっている人もいるのではないでしょうか。
ワキガは「常染色体優性遺伝」だと言われており、両親のいずれかがワキガの場合、50%は遺伝する可能性があると言われています。
ちなみに両親ともにワキガだと、子どもがワキガになる可能性は80%とより高い確率になります。
また、女性よりも男性のほうがワキガとして強い臭いを感じやすいと言われています。
両親がワキガだと子どももワキガになるのは、脇のアポクリン腺の数や大きさが遺伝すると言われているためです。
汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があり、粘り気や独特な臭いのあるアポクリン腺が多いとワキガだけに限らず、体臭も強く出てしまいます。
一言にワキガといっても臭いの強さは個人差がありますが、におい前駆体の量が多いほど臭いが強く出ると言われています。
日本人でワキガは30%程度
ワキガの遺伝的要素が多いのはわかってもらえたと思いますが、そもそもワキガの割合がどの程度あるのかも気になる部分だと思います。
日本人や中国人、韓国人などのモンゴロイド系の人種になると、アポクリン腺を活性化させる遺伝子を持つ割合が少ないと言われています。
もともと清潔さを重視する人種なのもありますが、日本人のワキガ体質の割合は30%程度です。
半数以上の人はワキガになる遺伝子を持っていないのです。肉を中心とした欧米やアフリカでは80%以上の人がワキガになる遺伝子を持っています。
そのため、日本のようにワキガが珍しいものではなく、一般的なものとして受け入れられています。
ワキガをそこまで問題視していませんし、体臭対策として香水を務めにつけている人もいます。
国によっても、ワキガの割合が大きく変わってくると言われているのです。
ワキガが遺伝しているかどうかは何歳でわかる?
親からワキガが遺伝していたとしても、生まれてすぐにわかるものではありません。
ワキガを発症しやすいと言われているのは、おもに10歳以降の思春期です。
二次性徴の時期に、ワキガの原因となるアポクリン腺が発達し、体臭の変化に気付くともいわれています。
本人は自分の臭いに慣れてしまっているのでワキガになったことに気付かず、家族から指摘され気付くケースも少なくありません。
ちなみに、ワキガと体型は関係ないといわれています。肥満体型のほうが汗をかくイメージもあるのでワキガになりやすいと思っているかもしれません。
でも、細い人でもワキガになる可能性は十分に考えられるため、関連性が高いとへいえないようです。思春期にかけてワキガが発症する可能性があることを覚えておきましょう。
遺伝以外にワキガになる可能性はあるの?
ワキガに悩んでいる人のなかには、思春期にはなんともなかったものの成人になってから臭いが発症したという人も少なくありません。
ワキガになる要因は、遺伝だけではありません。肉類メインの食事をしていて、動物性たんぱく質の摂取量が多いと、体臭も強くなってしまうと言われています。
そのため、ワキガにならないためにも植物性たんぱく質を多めにとるようにしましょう。
汗をかいたらこまめに拭くようにする、わき毛のお手入れをすることで、ワキガを軽減できる可能性もあります。
ワキガは遺伝するものだと思い、不摂生な制活をしていると、ワキガになるリスクを高めてしまうので注意しましょう。
ワキガが遺伝してしまったときの治療法
ワキガが遺伝してしまったとき、根本からの完治を目指すのであれば医療機関に相談するのをおすすめします。
ワキガは基本的に体質が関係していますが、あくまでも臭いを緩和するにすぎません。
病院での治療を受けることで、ワキガの臭いに悩むことなく、毎日をアクティブに過ごせるようになります。
・手術の剪除法
ワキガを治療するうえで、確実に効果があるのは手術を受ける方法です。切る方法もさまざまなものがありますが、剪除法を行うのが一般的です。
これは、脇の皮膚部分を一度切開させ裏返しにします。その後、医師が直接目で見ながらアポクリン腺などを除去していく方法になります。
目で見て手術を行うため、取り残しの心配もありません。アポクリン腺をしっかりと取り除けることもあり、高い効果が期待できます。
ただ、手術になるので、全くリスクがないものではありません。手術を受けたあとに1週間程度のダウンタイムもあります。
この間は安静に過ごす必要があり、スケジュールと相談しつつ決めるようにしましょう。
・レーザー照射
ワキガの治療で切る手術を受けたくない人は、レーザー照射の方法もあります。
切開の必要がない分、傷跡が目立つこともありません。術後のダウンタイムも軽いので、日常生活への負担も少なくありません。
一般的にはレーザー照射を行い、皮脂の下にある汗腺に、強い熱の刺激を与え汗腺としての機能を破壊していきます。
一定量以上の汗腺を破壊できますが、全部が取り除けるかどうかが確証もありません。
切開の手術よりも残ってしまう可能性もあるので、臭いが取り切れない問題が出てしまうことも。
アポクリン腺が残っていれば、独特な臭いの汗が出てしまうこともあります。
切らない治療法を希望するのであれば、レーザーもありますが、取り切れない可能性があることも覚えておきましょう。
遺伝によるワキガは早めに治療したほうがいいの?
ワキガが原因で人とのコミュニケーションがうまく取れない人もいるかもしれません。
遺伝的な要因でワキガになった場合、早めに治療をしたほうがいいのでは?と考える人も多いのではないでしょうか。早期治療ならではの注意点もあります。
・早期治療は再発するリスクがある
思春期頃にワキガが発覚した場合、早めに手術を受けることを検討している人もいるかもしれません。
ただし、思春期以降も成長しているため、アポクリン腺が新しく作られてしまう可能性もゼロとはいえません。
一時的に解消できても、大人になって再発してしまい、ワキガに悩まされることもあります。
・傷跡の心配もある
ワキガで手術を受けると、傷跡がコンプレックスになってしまう人もいます。
できるだけ目立ちにくくなるように、脇のシワに沿って切開しますが、見る人が見れば気付く程度に残ってしまうこともあります。
思春期は傷跡を気にしてしまう年代ですし、思春期に手術を受けるべきかどうかもしっかりと検討しましょう。
まとめ
ワキガは遺伝的な要因も大きいからこそ、しっかりと向き合っていく必要があります。
遺伝だけではなく食生活が影響している可能性もありますし、生活習慣を改善して臭いが減らせることもあります。
体質も含めてワキガの対処法を考えておきましょう。