創立以来、常に世界トップクラスの女性美を象徴とする香水を作り続けている『LANCÔME(ランコム)』。

ジュリア・ロバーツ、ペネロペ・クルス、リリー・コリンズなど世界的なトップスターが歴代のミューズを務めました。

『LANCÔME(ランコム)』の香水と言えばこうした「ワンランク上」の美女を連想させるものです。

このブランドのシンボルは、ボトルデザインにも採用されている薔薇。

どの香水にもローズの香りが使用されていて、他にはない華やかさと女性美を感じられるのが特徴です。

そんな『LANCÔME(ランコム)』の最新の香りは、ミレニアム世代に向けて打ち出した「IDÔLE(アイドル)」という名のフレグランス。

3人の女性調香師が生み出した現代女性のための新しいオードパルファムは、その香りの良さもさることながら環境にも配慮したエシカルな取り組みが施されています。

今回はそんな「IDÔLE(アイドル)」の香りにクローズアップしました。日本未発売のこのフレグランスを先取りレビューしたいと思います。

女性の自立にいち早く着目した『LANCÔME(ランコム)』のフレグランスヒストリー

出典:『LANCÔME(ランコム)』公式インスタグラムより

『LANCÔME(ランコム)』は1935年、創業者のアルマン・ブティジャンがフランスで創業したコスメブランド。その歴史は5つのフレグランスから始まっています。

『LANCÔME(ランコム)』というブランド名は、フランス中部にある城「CHATEAU LANCOSME(シャトー・ランコズム)」に咲いていた薔薇に由来したもの。

アルマン・ブティジャン自身が調香師として活躍していたこともあり、フレグランスを中心にブランドを発展させていきました。

『LANCÔME(ランコム)』はフレグランスの他にマスカラも大変人気です。

1967年にブランド初のマスカラ「ランコマティック」の爆発的ヒットを受けて、コスメティックの分野でも世界の頂点に躍り出ることに。

その他にもパリで最古の美容サロン「ランコム・アンスティテュ」や、美のエキスパートを養成する学校「エコール・ランコム」を設け、女性が活躍する場をかなり早い段階から広めてきました。

『LANCÔME(ランコム)』は常に先見の明を持っています。

20世紀の終わり頃には「女性が活躍する時代になっているだろう」とし、女性調香師のソフィア・グロスマンに依頼してできた香りがあります。

90年代の名香の一つ「Tresor(トレゾア)」です。

こうして、フレグランス・スキンケア・メイクアップの分野で数々のロングセラーヒット商品を生み出し、世界中の女性に愛される大変人気のあるブランドとして成長し続けてきました。

世界をまたにかけるミレニアム世代へ

IDÔLE(アイドル)

トップノート:ベルガモット、ペアー

ミドルノート:トルコ産ローズ、ローズ・ド・メ(5月のバラ)、インディアンジャスミン

ラストノート:ムスク、バニラ、ホワイトサイプレス

発表年:2019年

調香師:シャマラ・メゾンデュ、ナデージュ・ル・ガ―ラントゥシェク、アドリアーナ・メディナ

対象性別:女性

「IDÔLE(アイドル)」は、「大きな夢を抱く、新世代の女性のための香り」として3人の女性調香師が作り上げた香り。

この香りについて、3人の調香師がそれぞれコメントを発表しています。

・「IDÔLE(アイドル)」はグルマン系香水のトレンドを打ち破り、“なめらかなシプレノート”という新たな感性を提供するものです。

ーシャマラ・メゾンデュ

・一目で落ちる恋、一瞬で惚れる香り、それが「IDÔLE(アイドル)」です。

ーナデージュ・ル・ガ―ラントゥシェク

・「IDÔLE(アイドル)」は魂に結びついた香りであり、望むものは何でも達成できると女性に訴えています。

ーアドリアーナ・メディナ

ミレニアム世代はデジタルで世界をまたにかける存在です。

国境、性別、言葉、価値観といった従来の障壁をものともしません。そんなフットワークの軽さと人懐こさ、大胆さ、そして若い女性らしいフレッシュさ。

『LANCÔME(ランコム)』の新作香水は、咲きたてのような生き生きとしたローズの香りで、どんな人をも笑顔にさせるような明るい魅力でいっぱいです。

ベルガモットとペアーの組み合わせがとても瑞々しく、炭酸飲料のような清涼感が最初に広がります。

そして何よりトップからミドルにかけての、パアアッと花開いていくようなローズ感の強まり方が素晴らしく、女性のテンションを上げてくれるはず。

ラストノートはバニラの甘さは控えめで、どちらかというとホワイトサイプレスの落ち着いた香りで徐々にトーンダウンしていきます。

10代後半から20代半ばにかけての女性にぴったりな「IDÔLE(アイドル)」。

そのピュアなフルーティ・フローラルノートからは、少女と大人の境界線上にいるミレニアム世代の華々しさと勢いが感じられます。

個性的な香水は世の中にたくさん存在しますが、このように「つい必要としてしまう香り」はなかなか珍しいものです。

どこか普遍的なのに、「時代を読む力」に長けているフレグランス、その良いとこどりを見事に実現したのが「IDÔLE(アイドル)」です。

実は『LANCÔME(ランコム)』フレグランスのなかでもライトな香りなので、オンの日や学校でも少量なら問題ありません。

むしろ、オンの日にこそ着けてほしい、ポジティブオーラ全開の作品です。

クセのない清潔感のある香りで、一年を通して楽しめるでしょう。

フレグランスブランドとしてのエコへの取り組み

出典:『LANCÔME(ランコム)』公式インスタグラムより

今やエシカル消費は、最も緊急度の高い社会問題です。

もちろん香水業界でもその動きは当たり前のようになってきました。

スマートフォンのような薄いデザインが特徴の「IDÔLE(アイドル)」のボトルは、様々な場所に持ち運びやすく、どこでも立てられるようなデザインにこだわったそう。

華美なボトルデザインが流行した過去はとうに過ぎ去り、このようにシンプルなデザインのものが今日の主流となりました。

このボトルは詰め替えできるようになっていて、『LANCÔME(ランコム)』としてのサステイナブルな取り組みが進められています。

香料で使用されているトルコ産ローズを生産するにあたって、女性の雇用を支援していることや、そして現地の環境に配慮した生産方法を登用するなど、積極的なエコ活動を行っているのです。

環境保護を重視するミレニアム世代。

エコアクションを起こすことも新世代にとっては必要不可欠なテーマなのです。

まとめ

華やかさとしなやかさのコントラストが魅力の「IDÔLE(アイドル)」。

2020年代に必要とされる「柔軟性」に加えて、エコ問題にも配慮した画期的なフレグランスとなっています。

今どきの、と言うとどこか軽々しくなってしまいますが、自分のスタイルを持ちつつ時代の空気を楽しんでいるような、意欲的な「キャッチー」感にあふれています。

こんなに素敵でワクワクするフレグランスはなかなかお目にかかれないものです。

日本で発売となった日には、きっとたくさんの女性がこの香りを手に取るに違いないでしょう。