1999年に誕生した、『ディオール(DIOR)』を代表するフレグランス「ジャドール(J’adore)」。
「ジャドール(J’adore)」はその美しいフローラルの香りとエレガントなボトルデザインで、シャネルの5番に取って代わり、母国フランスでもっとも売れた香水となりました。
この香水は「歴史的傑作」と言われており、現在までには同シリーズに7作品が名を連ねています。
また2021年にはマスターパフューマーであるフランシス・クルジャンが『ディオール(DIOR)』の専属調香師に任命され、「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」という新たな香りの扉を開けることになりました。
「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」の「 L’Or(ロー)」とは、フランス語で「ゴールド」を意味します。
そのため「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」は、シリーズの中でも最高峰の香料を使用しており、「ゴールド」という名にふさわしい、もっとも濃厚な香りとして名高いフレグランスです。
もともとは2010年に発売されていた「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」。
今回リニューアルとなったこの香りは、現代の天才調香師フランシス・クルジャンによってどのように生まれ変わったのでしょうか。
「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」に込められた思い、そして香りの成り立ちを詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」のコンセプトと調香師フランシス・クルジャン
「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」はもともと、前専属調香師のフランソワ・ドゥマシーによって手がけられた香りでした(2010年発売)。
「香りの産地」と呼ばれるグラース(フランス)産のバラ、それも5月にしか咲かないバラを贅沢に使い、さらにジャスミンやマダガスカル産のバニラを加えることによって、濃厚なオリエンタル・フラワー・ノートの香りに仕上がりました。
さてこの名香を新たに解釈したのが、天才調香師と呼ばれるフランシス・クルジャンです。
彼は自身の名を冠した「フランシス・クルジャン」というフレグランスメゾンをすでに立ち上げていましたが、2021年には『ディオール(DIOR)』の専属調香師に抜擢されます。
フランシス・クルジャンは今回、「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」の真髄である「ゴールド」に関して次のように述べています。
「ゴールドに匂いはない。思い描いているビジョンを何か感情に、香りに具現化しなければならなかったのです」
「ジャドール ロー(J’adore L’Or)は、まるで肩のなだらかな曲線を照らす、たおやかな太陽の光」
フランシス・クルジャンは、オリジナルの「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」に敬意を払いつつ、香り全体に丸みやソフトさを加えたといいます。
また新しい香りは、世界中のすべての女性が対象です。
クリスチャン・ディオールがかつて『私のモデルは世界中の女性たちだ』と語ったように、クルジャンはこの度、多くの女性に響く香りを調香したそうです。
ローズとジャスミンの豪華なブーケ、圧倒的なスケールの主役香水
ジャドール ロー(J’adore L’Or)オードパルファム
香調:フローラル・ブーケ
ノート:オレンジ ブロッサム アブソリュート、ジャスミン、ローズ ドゥ メ、バニラ、チュベローズ
発表年:2023年
調香師:フランシス・クルジャン
対象性別:女性
「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」はスター的な花の香りが揃う、正真正銘の「主役香水」です。
まずは太陽の光を浴びたように輝くオレンジブロッサムが、明るい表情を保ちながら肌の上で咲き起ります。
香りはつけたての頃から本当にエレガントで、まさに女優のようなオーラがあります。
フルーティさも少しありますが、開幕から香るジャスミンの存在感が本当に素晴らしい。
美しいドレスをまとった女性が、オペラ座の階段をゆっくり降りているといったイメージです。
華々しいスタートを切った後は、体温と馴染み、いよいよローズ ドゥ メ(5月のバラ)が登場します。
『ディオール(DIOR)』が所有するグラースのバラ園。
そこで大切に育てられたバラは、温かく包容力があり、甘く極めて女性的でありながら「鋭い切れ味」があります。
ただ美しいだけじゃない、女性の奥底にある凄みといいますか、甘さの裏にある野心めいたもの、周りを圧倒する力。
「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」には、そういった内側の部分までがブーケの香りとともに表現されていると思います。
濃厚は濃厚なのですが、捻った香り、複雑な香りというわけではありません。
ただ非常にセンシュアルではあります。
高貴で官能的、誠実の装いを保ちながら誘う、「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」にはそういったセンシュアルさが初めから終わりまで徹頭徹尾、配置されています。
そしてラストノートの「黄金バニラ」も素敵です。
一日の終わりにはこのバニラがそっと寄り添ってくれて、まとう人を癒しの空間にいざないます。
ここまでの「主役香水」は、昨今の市場にはなかなかないものです。
定番の「ジャドール(J’adore)」がグレース・ケリーのイメージなら、「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」はまさにシャーリーズ・セロンのイメージ。
「ジャドール(J’adore)」のミューズを長年務めるハリウッドスターです。
官能的でありながら品格があり、知性と揺るぎない自信を感じる、そんな香りが今回の新香水、「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」です。
世界中すべての女性に。自分も周りも華やかになる香り
「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」の特徴は、何といっても圧倒的な「華やかさ」にあります。
確かな品と、情熱の表情、フェミニティもありますので、デートなど特別なお出かけの日にはぴったりの香りです。
年代は20代後半〜がお似合いになると思います。
現代で主流のユニセックス香水とは一線を画す香りでもありますので、女性であることを楽しみたい時に、周りに華やぎを与えたい時に活躍するフレグランスだと言えるでしょう。
自分だけの香りとするにはもったいない香水です。
ただオフィスには不向きですので、プライベートで人と会う日につけたい香りとなります。
華やかな香りを感じて、自分も周囲も、誰もが明るく輝くはずです。
まとめ
今回リニューアルされた「ジャドール ロー(J’adore L’Or)」は、世界中の女性に捧げられた、新しい形のフェミニン香水です。
まとえば誰もが主役になる香り。『ディオール(DIOR)』の真骨頂とも言える香り。
世界で人気の「ジャドール(J’adore)」から、また新たな名香が誕生しました。