スキンケアのスペシャリストとして、90年余りの歴史を持つ『ランコム(Lancôme)』。

1935年のスタートから途切れることなく、たくさんの美容アイテムを世に送り出してきました。

『ランコム(Lancôme)』はスキンケアブランドとして有名ですが、誕生のきっかけはスキンケアではなく“香水”でした。

創業者の名はアルマン・プティジャン。

調香師でもあるプティジャンは、5本の香水と数点の化粧品とともに、フランス・パリに小さなブティックを開いたのです。

『ランコム(Lancôme)』というブランドネームは、フランス中部にある美しい古城「ランコム城」が由来となりました。

プティジャンは、美、女性、高級感、そしてフランスをこよなく愛しました。

彼はまた、薔薇にも熱い情熱を注いだといいます。

そのため現在では、薔薇がブランドのモチーフにもなっています。

さて『ランコム(Lancôme)』はこれまで、「トレゾア」「ミラク」といった名香を生み出してきました。

今回ご紹介するのは、もう一つの高級フレグランスライン、「メゾン ランコム」シリーズから発売された「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」です。

「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」は薔薇とピオ二ー(芍薬)が咲き誇る、あたたかなフレンチガーデンをイメージして作られました。

それでは香りの構成を詳しく見ていきましょう。

薔薇に囲まれたフレンチガーデン、「ジヴェルニー」をイメージ

「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」のイメージソースとなったのは、画家モネの“終の棲家”として有名な「ジヴェルニー」の庭園です。

ジヴェルニーはパリの西、約70㎞に位置する小さな村です。

印象派の父クロード・モネはこの場所を終の棲家とし、名画『睡蓮』や『ポプラ並木』を描き上げました。

5月にもなると、庭園は色とりどりの薔薇で埋め尽くされます。

柔らかな日差しと薔薇の香りが舞う、可憐な庭園には「理想郷」という言葉がぴったりです。

「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」の香りは、そんなジヴェルニーの美しい光景にインスパイアされました。

薔薇とピオニー、やさしさ溢れる優雅な香り

©Lancôme

ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)オードパルファム

トップノート:ラズベリー、ピンクペッパー、アンブレットシード

ミドルノート:ダマスクローズ、ピオニーブーケ、アクアティックローズ

ラストノート:ムスク、サンダルウッド

発表年:2023年

調香師:マリー・ピエール・ジュリアン

対象性別:女性

「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」は、薔薇とピオニーの香りをメインとしたフローラル香水です。

トップノートは純真無垢なラズベリーの香りでスタートします。

イメージは、春の盛り、昼下がりの庭園。

明るいラズベリーとピンクペッパーの香りが、きらきらと輝く木漏れ日を彷彿とさせます。

気温もちょうど良く、嫌なことなど一つもありません。

訪れた人すべてを癒す、可憐で美しいフレンチガーデンです。

ミドルノートでは薔薇がいよいよ目を覚まします。

ここで用意されたのは、ダマスクローズとピオニー、2種類のお花です。

そのうちの一つ、ダマスクローズは「薔薇の女王」とも呼ばれています。

香りも高く、ダマスクローズの花弁から採れる香料は貴重品とされてきました。

特徴は、潤いのある華やかさと、生花特有のみずみずしさがいつまでも続くこと。

そのため「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」をまとっていると、本当にバラの花束を抱えているような気持ちになります。

もちろん、ピオニーも薔薇に負けていません。

華やかでみずみずしい薔薇の香りに対し、ピオニーの香りはより甘く、よりフェミニンな印象を残します。

どちらも存在感がありますが、癖のない香りのため最後までまったく飽きることがありません。

また、この二つの香りはトップノートの後半からラストノートまで長く続きます。

終盤でムスクがプラスされると、香りはさらに丸みを帯びていきます。

サンダルウッドの穏やかさも加わって、余裕ある優雅な表情に変わっていきます。

それはまさに、「昼下がりの庭園で見る至福のひととき」と言えるでしょう。

とはいえ複雑なところは見つからず、香りはあくまでもシンプル&ナチュラル。

厳選された香料だけが知る、“本当の贅沢”が「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」にはあります。

薔薇を愛するすべての女性に。ランコムらしい清潔感がここに

「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」の大きな特徴として、透明感と清潔感の二つが挙げられます。

突き抜けるような透明感に、安心と安定の清潔感。

「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」は、こうした中にある“ラグジュアリーな一面”がとても印象的なフレグランスです。

好感度も高く、非常に『ランコム(Lancôme)』らしいと言えるでしょう。

年齢層はまったく問いません。

ダマスクローズの香りを愛するすべての女性にお届けしたい香りです。

「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」の不思議なところは、ファーストフレグランスとしても香り上級者用としても、どちらも成り立ってしまう事だと思います。

フローラルのピュアさは初めて香水を手に取る方にも似合いますし、百戦錬磨の愛好家たちにも「これが原点」だと思われるはずです。

母娘で愛用するのも素敵ですね。

ただ季節はコンセプト通り、春〜初夏までがベストだと思います。

冬には少し肌寒い印象を与えることと、透明感のある香りを上着で隠してしまうのがもったいないためです。

他の長所としては、とても上品な香りなので、オンの日にも問題なくまとっていただけるところです。

ワンピースやスカート、そしてピンクやライトブルーといったやさしい色味の服装にもぴったりです。

薔薇の香りは世の中にたくさんありますが、『ランコム(Lancôme)』らしい清潔感を求めるのであれば、「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」を強くお勧めしたいと思います。

またロクシタン、ディプティック、ラルチザンなど、アロマティックな香りがお好きな方にもお勧めです。

まとめ

2023年に登場した『ランコム(Lancôme)』の新作香水、「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」をご紹介しました。

『ランコム(Lancôme)』は薔薇をブランドモチーフとしています。

そんな『ランコム(Lancôme)』がかける薔薇への情熱は、スキンケアブランドの中でも随一だと言えるかもしれません。

今回はデパートカウンターで限定発売ということですが、ブランドの愛と情熱が詰まった「ローズ ピオーニア(ROSE PIONIA)」を、この機会にぜひ手に取ってみてくださいね。