およそ2世紀にわたって、香りのクリエーションを続ける『ゲラン(GUERLAIN)』。
現在ではコスメも取り扱っていますが、創業当時は香水のみを扱うメゾンでした。
そんな『ゲラン(GUERLAIN)』がこれまでに発表した香りは、なんと1,100種類以上。
中には「名香」と呼ばれる香りもあり、「サムサラ」「シャリマー」「ミツコ」などは時代を超えてなお、人々から愛され続けています。
クラシックな香りが多いと評判の『ゲラン(GUERLAIN)』ですが、1999年には軽やかでナチュラルな香りのコレクション、「アクア アレゴリア」シリーズが発売になります。
「アクア アレゴリア」シリーズは、“ゲランが愛する5つの庭”を元としたフレグランスラインで、自然ならではの香りや、季節を感じさせる美しい香りに重点を置いています。
香りのタイプは、ほとんどがオードトワレ。
さっぱりとした使い心地が魅力で、デイリーユースにも最適です。
さて今回ご紹介するのは、「アクア アレゴリア」シリーズからの最新作(2024年5月発売)、「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」です。
「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」は、アメリカの乾燥地帯で見られる壮大な現象“スーパーブルーム”と、“砂漠に舞う花々の香り”がイメージソースとなりました。
軽やかながらも力強い印象を残すその香りについて、詳しくご説明していきましょう。
目次
アメリカの砂漠で起こる、「スーパーブルーム」がインスピレーション源に
「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」のインスピレーション源となった“スーパーブルーム”について、少しご紹介したいと思います。
スーパーブルームとは、アメリカ南西部で野生の花々が一斉に開花するという伝説的な現象です。
開花するのは、前年に大雨が降った場合のみ。
場所も「手つかずの自然が残っている地域」に限定されるため、カリフォルニア州、アリゾナ州、ネバダ州の広大な砂漠でしか見られないということです。
こうした花々の一斉開花について、1895年のロサンゼルス・タイムズ紙は、「明るい夕焼け雲が空から降りてきて丘を包んだようだ」と伝えています。
近年では気候変動の問題もあって開花は稀だと言われていますが、『ゲラン(GUERLAIN)』はその驚くべき自然の力に、「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」のインスピレーションを得ました。
それは、乾燥地帯を輝かせる無限の花々とともに広がる、美しい景色です。
「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」の香りはこうして“砂漠に舞うカラフルな花々のブーケ”となって、人々の五感を満たしていくのです。
それでは「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」の香り立ちを詳しく見ていきましょう。
贅沢なフローラル、フルーティと混じるなめらかな香りで明るい気持ちに
フローラブルーム(FLORA BLOOM)オードトワレ
ノート:グラース産チュベローズ、ローズ、アイリス、ヴァイオレット、マンゴー、ココナッツ、モス、サンダルウッド
発表年:2024年
調香師:デルフィーヌ・ジェルク
対象性別:女性
「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」で特筆すべき点はまず、92%の成分が自然由来だということです。
また今回は、香料の採取にも「アンフルラージュ(※)」と呼ばれる技法が用いられているため、老舗『ゲラン(GUERLAIN)』の伝統的な香り作りを垣間見ることができます。
※アンフルラージュ…花の香りを油脂へと閉じ込める技法。
「アンフルラージュ」はもともと、ポマードに使われてきた動物性脂肪を使用していました。
しかし『ゲラン(GUERLAIN)』はこれを、植物性のマンゴーバターへと置き換えています。
現代ではほとんど用いられていない技法だといいますが、サステナブルな方法で取り組んだ『ゲラン(GUERLAIN)』の「アンフルラージュ」は、ある意味もっとも現代的だと言えるのではないでしょうか。
「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」はこの技法によって、香りの核となるチュベローズの、本来の花の香りを余す事なく閉じ込めることに成功しました。
こうして香るグラース産チュベローズは、とても丁寧でエレガントな印象を残します。
チュベローズといえば少し「ねっとり」とした濃厚な香りなのですが、「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」では、これがホワイトフラワーのように清々しく香ります。
センティフォリアローズとバイオレット、アイリスとの相性も良く、虹色のブーケを手渡されたような気持ちになるでしょう。
鼻腔に遠く抜けるピュアな香りには、本当に「スーパーブルーム」を見ているようです。
かすかに漂うマンゴーとココナッツが、その香りをよりなめらかにしています。
最後には、サンダルウッドの暖かさとベルベットのようなモス(苔)が先のフローラルノートを支えます。
香りが消えかかる頃にはリッチなウッディノートへと広がり、大地の重みが感じられることでしょう。
「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」の香り立ちはまるで、「地球の息吹」のようだと言えます。
チュベローズを中心としたノートは、野性的でありながらも詩的。
力強く咲く花々とは裏腹にある、「儚さ」「刹那」といった側面が香りにも表れています。
とはいえ全体的には非常にライトでつけやすく、ハッピーな印象を残す香りです。
オードトワレなのでオン・オフに関わらず、誰もが気軽にまとえることでしょう。
フローラル香水の最新作を手にしたい方に。地球にも配慮した香り
「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」は先述したように、地球に配慮した新しいかたちのフレグランスです。
今回、サステナビリティは成分や技法だけでなく、ボトル(リサイクルガラスを15%以上使用)やレフィルにも採用されました。
そのため最新のフレグランス事情を知りたいという方、『ゲラン(GUERLAIN)』ならではの「アンフルラージュ」で作られた香りを試したいという方には、必見のフレグランスだと言えます。
香り立ちも穏やかでやさしいオードトワレなので、オンオフを気にせずまとっていただけるでしょう。
また非常に明るい雰囲気で、陽気なオーラがあるのも「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」の特徴です。
春や初夏にまとう香水として、これほどキラキラとした香りはそう多くはありません。
ピンク色の美しいカラーにも癒されますね。
年齢は何歳でもOKです。
太陽のように明るく生き生きとした香りを味方につけてしまいましょう。
まとめ
『ゲラン(GUERLAIN)』の最新作、「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」をご紹介しました。
自然のパワーをインスピレーション源とし、地球にやさしい処方で作られた今回の「フローラブルーム(FLORA BLOOM)」。
老舗『ゲラン(GUERLAIN)』が提案する現代型フレグランスを、ぜひ体感してみてくださいね。