現在、世界で人気急上昇中の『ナルシソ ロドリゲス(Narciso Rodriguez)』。

アメリカ発の『ナルシソ ロドリゲス(Narciso Rodriguez)』は、ラテンの魂にアメリカのグラマラスさ、ヨーロッパのアート性を足したユニークなファッションブランドです。

そんな『ナルシソ ロドリゲス(Narciso Rodriguez)』が誕生したのは1998年のことでした。

5年後の2003年にはフレグランスラインもスタートさせ、創設者ナルシソ・ロドリゲス氏の美学が詰まった香りとして各地で人気を博します。

フレグランスにおいては権威ある賞、フランスの「グランプリ デュ パフューム アワード(Grand Prix du Perfume Award)」や「フィフィ賞(The FiFi Award)」も受賞しています。

なかでも定評のある香りが、ロドリゲス氏自身が手掛けた「フォー ハー コレクション」。

創設者でありデザイナーのナルシソ・ロドリゲス氏は、ムスクの香りに魅せられたことをきっかけに香水を作り始めたと公表しています。

そのため彼の手掛けるフレグランスは、どれもムスクが主体です。

現在では「ムスクといえばナルシソ ロドリゲス」というように、世界のムスクファンから認知されるようになりました。

今回ご紹介するのは、そんな『ナルシソ ロドリゲス(Narciso Rodriguez)』の最新作、「フォー ハー ムスク ヌード(For Her Musk Nude)」です。

ブランドのアイコン的ノートであるムスクが、「第二の肌」のように香るという「フォー ハー ムスク ヌード(For Her Musk Nude)」。

どんな香りなのか詳しく見ていきましょう。

ムスクが世界でこれほどまでに愛されるワケ

ムスクという言葉は、香水好きの方でなくても一度は聞いたことがあるかと思います。

その歴史は古く、香料としては紀元前からインドや中国で使われてきました。

ムスクは日本名で麝香(じゃこう)と呼ばれます。

オスのジャコウジカの腹部にある香嚢から得られる分泌物を乾燥させて作った香料です。

麝香はそのままでは獣臭が強いと言われますが、他の香料と混ぜ合わせて香水とすることで香りにふくよかさや広がり・持続性が加わります。

麝香という漢字も、実は「ジャコウジカの放つ香りが矢を射るように遠くまで飛ぶ」ことを意味しています。どれだけ拡散性に優れているかが分かるようですね。

しかし現在、絶滅の危機に瀕するジャコウジカは商業目的での取引が禁止されています。

そのため今のフレグランスに使われているムスクは、ほぼすべてが合成のもの。

合成とはいえ化学の進歩で上質な香料が手に入る時代ですから、天然のムスクにもまったく引けを取りません。

またムスクは嗅覚の特定領域で認識され、高次脳へと伝わることが明らかにされています。

ムスクが「フェロモンの香り」「相手を魅了する香り」とされるのは上記の理由があるからでしょう。甘く粉っぽい、ベビーパウダーのような香りを持つのも特徴です。

『ナルシソ ロドリゲス(Narciso Rodriguez)』はそんなムスクに惚れ込んだわけですが、ほかのブランドと違うのは、すべてのフレグランスにムスキーノートを取り入れていることです。

つまりムスク×フローラルや、ムスク×ウッディなど、ムスクを主体としながら、さまざまなキャラクターを持つ香りを楽しめるのです。

今回ご紹介する「フォー ハー ムスク ヌード(For Her Musk Nude)」は、アイコニックなムスクにジャスミンやダマスクローズを加えた繊細な香りとなりました。

それでは香りの構成を詳しく見ていきましょう。

“第二の肌”を演出、ヌーディーでやさしい香りに寄り添う

ナルシソ ロドリゲス フォー ハー ムスク ヌード オードパルファム

トップノート:オレンジブロッサム、ホワイトジャスミン、ピンクぺッパーコーン

ミドルノート:ムスク、ダマスクローズ

ラストノート:ウッディノート、インドネシアンパチョリ、トンカビーンアブソリュート

発表年:2024年

調香師:ソニア・コンスタン

対象性別:女性、ユニセックス

「フォー ハー ムスク ヌード(For Her Musk Nude)」は「ありのままの女性の美しさ」からインスパイアされた、フローラル・ムスクの香りです。

トップノートはオレンジブロッサム、ホワイトジャスミンを基調としたお花の香り。

そこにピンクぺッパーコーンの弾ける香りが加わっているため、開幕からヴィヴィッドな印象が残ります。

尖ったイメージは皆無で、温かみのある香りがまとう人の心をほぐすようです。

『ナルシソ ロドリゲス(Narciso Rodriguez)』のなかでも一、二を争う“やさしい香り”だと言えるでしょう。

ミドルノートでは、ブランドのアイコン・ノートであるムスクが主役になります。

ここで温かみはさらに増していきます。

香りが体温と一体化する様子に、「ほかの香水とは何かが違う」と感じる人もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これこそが『ナルシソ ロドリゲス(Narciso Rodriguez)』の真髄です。

まるで第ニの肌であるかのようなセンシュアリティさに、意識も鼻先も吸い込まれていくことでしょう。

“早朝に手摘みされたダマスクローズ”の香りが、そんなムスキーノートを抱きしめるように包み込んでいます。

甘さや濃厚さはあまり感じられません。

あるのはただただやさしい、人肌のぬくもりのみ。

そのため「フォー ハー ムスク ヌード(For Her Musk Nude)」は、ブランドに数あるムスク香水のなかでも「いちばん着けやすい」と評判です。

ラストノートでは、柔らかなウッディノート、インドネシアンパチョリ、トンカビーンアブソリュートのふくよかな香りに移り変わります。

こうした気品あるアコードは、まとう人の肌と溶け合い「一体化」するように丁寧に作られています。

清潔感や品がありながらもそこはかとない色気を感じる、『ナルシソ ロドリゲス(Narciso Rodriguez)』らしい一本だと言えるでしょう。

時代のトレンド、「スキンパルファム」をお探しの方に

「フォー ハー ムスク ヌード(For Her Musk Nude)」のような“スキンパルファム”は現在、フランスをはじめとした欧州でトレンドとなっています。

スキンパルファムとは香水らしくない、身につける人の自然な香りの延長のように感じられるフレグランスのこと。

これらが年齢・性別の垣根を越えて、今のヨーロッパで大流行しているのです。

オンライン化のすすむ現代では、「親密さ」がより貴重なものになりました。

そのため“スキンパルファム”は、人との距離が開いてしまった今だからこそ大切にしたい香りなのかもしれません。

もちろん「フォー ハー ムスク ヌード(For Her Musk Nude)」も年齢や人種、性別問わずにまとっていただけます。

フェミニンな香りではありますが、性別を特別視しないすべての方におすすめです。

フローラル・ムスクの香りが確かな「色気」となって、周囲の人を魅了していくことでしょう。

まとめ

「フォー ハー ムスク ヌード(For Her Musk Nude)」は力の抜けた、ナチュラルな色気が魅力のフレグランスです。

その香りはコンセプトにあるように、「ありのまま」。

人肌のような温かい香りが、武装する必要がないのだと教えてくれているようです。