『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』の「DAISY(デイジー)」は、2007年に発売された香水。現在でもブランドの人気香水の一つとなっています。
白いデイジー(ヒナギク)を表したお花のキャップがキュートで、香水ボトルのヴィジュアルの大切さを改めて感じる一本です。
出典:『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』公式インスタグラムより
実は、このボトルのデザインを手がけたのは日本人アーティストの村上隆氏。
大変な親日家でもあるデザイナーのMARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)は“kawaii(カワイイ)”という言葉を世界に広めた張本人でもありました。
見た目のインパクトもさることながら、その香りはホワイトフローラルに満ちあふれていて、まるで花束を抱えたような幸福感が得られるものです。
ファッション小物だけでなく、コスメラインも実力派の『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』。
若い女性から絶大な支持を得るこのブランドで、長く愛されている「DAISY(デイジー)」は人気香水のランキング上位に常にランクインしています。
今回は、『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』のブランドカラーをご紹介しながら、「DAISY(デイジー)」の香りを詳しくレビューしたいと思います。
目次
タイムレスな魅力を発信し続ける『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』
出典:『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』公式インスタグラムより
『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』は、時代の空気感を巧みに読み取る感性に優れています。フレグランスにおいてもその鋭い感性を生かし、ヒット作を生み出し続けている稀少なブランド。
世界のポップカルチャーは刻一刻と変化し続けるものですが、『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』のアイテムはいつ見ても新鮮で「旬」のものばかり。
フレグランスの世界においても香りのトレンドは時代とともに移り変わります。
例えば10年前に一世を風靡した香水などは徐々に下火になっていくものですが、不思議なことに「DAISY(デイジー)」は全くその兆候がありません。
次の世代に受け継がれていく、タイムレスな「旬」な香りとも言えます。
出典:『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』公式インスタグラムより
さて、ニューヨークに生まれたMARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)は、1987年、24歳の若さでアメリカファッションデザイナー協会のペリー・エリス賞(新人賞)を最年少で受賞しています。
その後ルイ・ヴィトンにて服飾部門のデザイナーを務めるなど華々しい活躍を経験し、湧き上がるアイデアで唯一無二のデザイナーの地位を獲得していきました。
現在では『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』の中で幅広い価格帯のアイテムを展開し、今なお精力的に活動を続けています。
ポップカルチャーを巧みに取り入れつつもハイエンドで、かつ敷居の高くない親しみやすさがあるのが『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』の最大の魅力と言って良いでしょう。
では、卓越したセンスを持つ彼が手がけた「DAISY(デイジー)」の特徴をどこよりも詳しくレビューしていきたいと思います。
デイジー(ヒナギク)の花言葉にこの香りのヒントが
DAISY(デイジー)オードトワレ
トップノート:バイオレットリーフ、ルビーグレープフルーツ、ワイルドベリー
ミドルノート:ガーデニア、バイオレットペタル、ジャスミンペタル
ラストノート:ムスク、ホワイトウッド、バニラ
発表年:2007年
調香師:アルベルト・モリヤス
対象性別:女性
まずこの香りを調香したのは、数々の名香を世に送り出してきた香水界のレジェンド、アルベルト・モリヤスです。
彼の作品でもっとも有名なのは『Calvin Klein(カルバン・クライン)』の「CK ONE(シーケー・ワン)」。
年齢を重ねてもなお、時代が欲している香りを創り出す天才調香師です。
DAISY(デイジー)とはヒナギクの花のことですが、その花言葉に全てのヒントが詰まっていると思います。
「純潔」「美人」「平和」「希望」、特に白いデイジーは「無邪気」という花言葉を持っているようです。
まさに「DAISY(デイジー)」は少女の「無邪気」さ、そして濁りのない「純潔」さや「将来へのキラキラとした希望」を体現した香りと言って良いでしょう。
ピンポイントに10代後半から20代の女性に向けて発表されたフレグランスでもあります。
トップノートは比較的早く飛んでしまうのですが、バイオレットリーフ(スミレの葉)が柔らかな風に乗って、フレッシュなルビーグレープフルーツとワイルドベリーと一緒にダンスしているような感覚が。美しい草原で妖精たちが集っている、そんなイノセントさとファンタジックさから始まります。
ミドルノートではパウダリーな甘さが広がり、愛らしいフローラル調に変わります。
真っ白に清潔で、何だか輝いていて、こんなにも純粋無垢な香りが今まであったでしょうか。
肌の上で香りが遊ぶような、軽やかでくすぐったい着け心地です。 ただ甘さは意外なほど控えめで、大人になりきる前の少女の「奥ゆかしさ」が精妙に表現されています。
ラストノートのムスクはさらに秀逸です。
人肌に暖かくフワフワとしていて、向こう側が透けて見えそうなほどの透明感が。
それもキリッとした透明感ではなく、不思議な浮遊感のある、綺麗なガラス細工のような繊細な透明感です。
トップノートで現れた妖精が、天使となって成長したー。
そんな、汚れた部分が全く見当たらないエンジェリックな香りです。
『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』が打ち出すカワイイ
出典:『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』公式インスタグラムより
さて、デザイナーのMARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)は“kawaii(カワイイ)”という日本のカルチャーを世界に知らしめた人です。
カワイイにもいろいろ種類があって、「タイプとしてのカワイイ」「愛着としてのカワイイ」「父性・母性からくるカワイイ」などなど、おおむね好意的な意味合いで使用されていると思います。
『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』が打ち出すカワイイは、英語で言うところの「sweet(スウィート)」「precious(貴重)」と言った意味合いが含まれているに違いありません。
『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』の商品テイストからも分かるように、身に着けるもの、時間、経験など全てが「スイートで大切」なのです。
そういった意味で「DAISY(デイジー)」は、女性が一生まとう香りとはならなくとも、
少女時代という一区切りを謳歌するに大変ふさわしいフレグランスと言えます。
出典:『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』公式インスタグラムより
「DAISY(デイジー)」にはレースやモヘアといった、柔らかいタッチの服装が良く似合うと思います。ボトルキャップのモチーフカラーが白であるように、晴れた日に白いお洋服で出かける時にぜひとも身に着けたい香り。
辛酸をなめて商魂たくましく生きる女性よりは、まだ誰かの保護を求めているような、可憐な女性にこそ着けこなせる香りです。
香水っぽさもなく、優しく上品な雰囲気があるので、飽きることなく使用していただけるかと思います。
「DAISY(デイジー)」を経た女性は、将来きっと母性あふれる温かな人に成長するんだろうなあと、側で温かく見守っていたくなるような一本です。
まとめ
『MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)』のフレグランスには、ファッションブランドが手がける香水ならではの「スタイルの一部に溶け込むさりげない香り」という魅力があります。
「DAISY(デイジー)」も全くその通りで、女性のファッションやライフスタイルにさらりと馴染む人懐っこいオードトワレ。
シンプルで親しみやすく自己主張しないので、じっくり使える一本としても、たまに付き合う一本としても優秀です。
「DAISY(デイジー)」の持つ天使のような世界観に身をゆだね、まとった時の「ふわっと羽根が生えるみたいな心地」を感じてみて下さいね。