歴史とモードが融合する街、ミラノ。

その土地で生まれた『GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』は、イタリア国内にとどまらず世界的ブランドとして確固たるポジションを確立しています。

『GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』の最大の特徴は、高い縫製技術や素材の良さだけではなく、シンプルでエレガンスさあふれ出る「シルエット」にあります。

完璧主義者として有名なGIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)氏。

彼らしい繊細なデザインは世界中のセレブから高く評価されており、そのブランドコンセプトは小物からスーツまで、全てのアイテムに徹底されており圧巻です。

コスメやフレグランスラインも例外なくエレガントで、まとう人の品を良くしてくれるものばかり。

『GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』の香水は大胆で美しい香りが多いのですが、その中でもアイコン的存在の「Si(シィ)」シリーズは女性を前向きにしてくれるフレグランスとして特に人気を博しています。

出典:『GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』ビューティ・公式インスタグラムより

今回は、そんな人気ラインから「情熱」の感情を表現した「Si passione(シィ・パッシオーネ)」の鮮やかな香りをご紹介したいと思います。

ラテンムードあふれるトロピカルなトップノート

Si passione(シィ・パッシオーネ)オードパルファム

トップノート:ピンクペッパー、洋ナシ、ブラックカラントネクター、グレープフルーツ

ミドルノート:ローズ、ジャスミン、ヘリオトロープ、パイナップル

ラストノート:シダー、バニラ、ムスキーブロンドウッド、パチョリ

調香師:クリスティーヌ・ナジェル、ジュリー・マッセ

発表年:2017年

対象性別:女性

「Si(シィ)」は、イタリア語で「Yes」を意味します。

自分自身のために生きる、自信に満ちあふれた女性へのオマージュとして誕生したフレグラン「Si(シィ)」シリーズに2017年に加わりました。

『GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』を象徴するカラーの“赤”が実に印象的な一本なので、見た目から「眩暈がするほどの強い香りなのでは?」とイメージされるかもしれません。

ですが意外なことに「Si passione(シィ・パッシオーネ)」はシリーズの中では我々日本人が一番使いやすい、晴れ晴れとしたフルーティノートなのです。

出典:『GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』ビューティ・公式インスタグラムより

それではトップノートから解説していきたいと思います。

まず、「Si(シィ)」シリーズに共通して使われているブラックカラントネクター。

これはカシスの甘酸っぱさと、ビターなグレープフルーツの果実感を含んでいて、南ヨーロッパで好まれているカクテル「サングリア」の香りに一番近いかと思います。

さらに洋ナシやグレープフルーツといった快活な香料がテンションを上げてくれ、ピンクペッパーの弾けるような爽快感が冴えるトップノート。

弾けるといっても、若さを全面に打ち出したフレッシュさではありません。

ちょっと甘くふくよかで、果実酒のようなセクシーな深みも感じられます。

次に香るミドルノートのフローラルに溶け込むことで、カクテルのような大人っぽさとジューシーさを醸し出しているのです。

基本的にフルーティーなので、ヨーロッパの香水にありがちなむせ返るほどの重厚感はなく、嗅覚を心地良く通り抜けてくれることでしょう。

シトラス系のトップノートはやや硬質なイメージがありますが、「Si passione(シィ・パッシオーネ)」はどちらかというとパッションフルーツのよう。トロピカルで陽気な雰囲気を持ち合わせています。

ここでラテン・イタリアの良い部分を上手く引き出していて、太陽光がさんさんと降る地・南イタリアらしい「人懐こさ」「大胆さ」「情熱」を表現していると思います。

一瞬にして霧が晴れていくような、そんな陽気な世界へ導いてくれる素敵な香りです。

悩んでいる時間がもったいない。机上の空論を語るより、外へ出て笑顔を作りに行こう。

と、ここまで思わせてくれる晴れやかなトップノートはあまり類がありません。

湿気が全く感じられない明るいトップノートには誰もが前向きになれることでしょう。

品と少しのゆるさが感じられるミドルノート

続くミドルノートでは、いよいよ『GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』らしい気品が感じられるようになります。

さて、この「Si(シィ)」シリーズのグローバル・アンバサダーにはハリウッド女優のケイト・ブランシェットが起用されているのですが、「Si passione(シィ・パッシオーネ)」のミドルノートでは彼女の持つ品格と『GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』のエレガンスが際立ちます。

出典:『GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』ビューティ・公式インスタグラムより

ローズとジャスミンの香料が香水全体を華やかに盛り上げていて、ヘリオトロープの上質なパウダリーさもハイエンドな魅力たっぷりと演出しています。

先ほどのトロピカルな香りとフローラルノートが意外なほどのベストマッチ。

ハイエンドながらもエアリーな質感が美しい、非常に丁寧な香りです。

ワンピースやドレスよりも、クールな服装やモードな雰囲気にとても良く似合うでしょう。

そしてここで特筆すべきは、他のフレグランスには使用されていないパイナップルの香りが

「Si passione(シィ・パッシオーネ)」に含まれていることです。

この抜け感が肝となっていて、単純なフローラルノートだけでは「近寄りがたい」フレグランスになっていたところをここでグッと親近感が増しているのです。

大衆的過ぎず、かといってお高くとまっているところもありません。

この絶妙な「少しのゆるさ」を含んでいるところが「Si passione(シィ・パッシオーネ)」の最大の魅力で、どんな人にも心を開放しているような器さえ感じます。

この香水のテーマは「情熱」とありますが、どちらかというと内側から燃えたぎるような自分発信のパッションではなく、人間愛あふれる「包容力」が表現されていると思います。

人が好きだからこそ包容力があり、心に壁を作っていない。

困っている人を見かけたら放っておけない、そんなイタリア人の愛すべき長所を香りにしたような1本です。

アドレナリンだけが「情熱」なのではない、親しみ深さや人好きといった「情」の部分を多分に含んだ陽気な「Si passione(シィ・パッシオーネ)」。

イメージとしては、南イタリアの人懐っこさとミラノの品格のどちらも取り入れた、生々たる素敵な香りです。

しっとり・センシュアルなラストノート

トップノートからミドルノートにかけてトロピカルで華やかな印象が続く「Si passione(シィ・パッシオーネ)」ですが、ラストノートではよりしっとりとしたイメージに。

パチョリが効いているため、モダンシプレの洗練された香りに変わっていきます。

ミドルノートの甘めな香りがムスキーブロンドウッド、バニラと結びつき、香りをしっとりとしたセンシュアルなノートへと昇華してくれます。

こうして最後の最後で『GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』が打ち出す「女性のエレガンス」さを感じ取れるかと思います。

トロピカルな人懐っこさがありつつも、ベースではきちんとTPOをわきまえ物腰が柔らか。派手なエレガンスではなく、分かりやすくシンプルなエレガンス。

どんな年代からも好ましく思われる、愛され香水です。

20代から40代といった幅広い年齢層の女性に合う香りで、季節は問いませんが、デイタイムにまとう場合は着ける部位をやや下めに調節したほうが良いでしょう。

フルーティーなので比較的湿度の高い夏でもOKな香りですが、夏だけはオフィスよりリゾートに連れていきたいフレグランスです。

心が開放的になっている夏のバカンス先でしたら、「Si passione(シィ・パッシオーネ)」の持つ陽気さが一層引き立つと思います。

まとめ

真っ赤なボトルがテンションを上げてくれる「Si passione(シィ・パッシオーネ)」。

意外にもオリジナルの「Si(シィ)」より明るく親しみやすい香りとなっています。

オリジナルを都会的とするなら、「Si passione(シィ・パッシオーネ)」は地中海リゾート風。

陽気なフルーツの香りがこんなにも女性の魅力を高めてくれるとは想像していませんでしたが、ある意味フローラルよりも普段使いしやすいかもしれません。

健康的で明るく、生きる喜びに満ちた香りです。

モードな服装と「Si passione(シィ・パッシオーネ)」を合わせるのもすごく素敵ですが、この香りには「笑顔」が一番似合います。

真っ赤なボトルカラーに包まれたフレンドリーな香りで、周りの人たちにも情熱をお裾分けしてしまいましょう。