1988年、パリで始まった『Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)』。
マルジェラ氏が打ち出す前衛的なスタイルは、瞬く間に世界に知れ渡り、注目を集めました。
なかでも、古着をリビルドしたコレクション「レプリカ」は特に哲学的なコンセプトで人気を博しました。
そして2012年、満を持して「レプリカ」からフレグランスラインが登場したのです。
多くのファッションブランドが個性的で斬新な香りを打ち出すなか、過去に出会ったことがある、記憶を呼び覚ませるような香りというのが「レプリカ」フレグランスの最大の特徴。
モードで感度の高いそのフレグランスは、メンズ・ウィメンズともにOKな清潔感のある香りで、SNSを中心に話題となっています。
種類も豊富で、どれもライトな香りで使いやすいのも特徴です。
今回ご紹介するのは、そんな「レプリカ」シリーズのなかでもメンズ一番人気の「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」。
ニューヨークの中心地にあるジャズクラブをイメージしており、ラムやタバコリーフ、ピンクペッパーが香る「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」はセクシーな大人の色気をはらんだオードトワレです。
爽やかな香水だけでは物足りない、という方は必見です!
カクテル、シガーを連想させる色っぽい構成

出典:『Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)』フレグランス・公式インスタグラムより
Jazz Club(ジャズ・クラブ)オードトワレ
トップノート:レモン、ピンクペッパー、ネロリ
ミドルノート:セージ、ラムアブソリュ、ジャワ島産ベチバー
ベースノート:スティラックス樹脂、タバコリーフ、バニラビーンズ
発表年:2013年
対象性別:男性
『Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)』の「レプリカ」コレクションから初のメンズフレグランスとしてデビューしたのが、こちらの「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」です。
「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」はリキュールの香りが冴える、大人の男のひとときをテーマにしたオードトワレ。
トップノートはピンクペッパーのスパイシーさが効いた軽快なネロリ。そこにキツ過ぎないレモンが加わり、心地よい始まりです。
音楽に例えた香りは存在するものの、ジャズそのものに洗練されたイメージがあるせいか「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」は艶っぽく、子供じみていない風情のようなものがあります。
続くミドルノートはとてもふくよか。
セージの甘いハーブの香りの奥から、ラム・リキュールの香りが華やかに広がっていきます。そしてミドルノートから時を置かずして現れるシガーの香りがまた素敵です。
ラストノートにに少し香るウッディさは、木材でできた古い楽器を連想させます。
場所はニューヨーク、古くから存在する“大人の遊び場”、ジャズ・クラブ。そこで一人、ラムのカクテルを舐めながらシガーをくゆらすカッコいい大人の男性が目に浮かんでくるようです。

「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」の香りを一言で形容すると、義理人情に厚い、男気あふれる「ダンディイケメン」な印象。
センシュアルなラムの甘さとシガーの香りが絶妙にマッチした1本です。
「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」のイメージを深堀すると
2012年公開の映画、『華麗なるギャツビー』をご存知でしょうか?
ロバート・レッドフォードの『ジェイ・ギャッツビー』ではなく、レオナルド・ディカプリオの方の『ジェイ・ギャッツビー』が今回の「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」の香りを表現する際にしっくりきます。
質実剛健な仕事人間だけど、実はとてもナイーヴ。
知的なのに、どこかラテンの血が流れているかのような熱を秘めていて、一人でいたいのに周りが放っておかない。合理的な生き方の奥に純粋さが残っている。
危うさを漂わせながらも不思議な活力と魅力にあふれ、己の“夢”のために人生の全てをかけて成り上がった男のサクセスストーリー。

出典:『Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)』フレグランス・公式インスタグラムより
そんな『ジェイ・ギャッツビー』の主人公のように、円熟期の輝きとともに、男の哀愁をも彷彿とさせる大人の香りです。
そして、この香りは憎めません。女性にとっては悩ましい存在かもしれませんね。
この香りの描く男性像のキーワードは、「成熟、儚さ、エモーショナル」。
ポイントは、「無尽蔵のパワー」や「粘り負かす」といったパワフルさを持つ一方で、そのあまりにも脆い、儚さすら感じさせる「弱点」を内包しているというところです。
ラストノートで香るバニラがそういった「抜け感」を醸し出しているのかもしれません。
ただこういったちょっとの「弱点」は異性にとっては大いなる魅力として映りますので、ご自身が思っている以上のセクシーさを周囲に漂わせることとなるでしょう。
「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」が似合うのはこんな方

ラインナップが豊富な『Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)』の「レプリカ」コレクションですが、「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」にいたっては、やはり男性がまとうことでその素晴らしさが花開くと思います。
30代以上の男性、“ボーイ”よりも“ミスター”にしっくりくる香りです。
ビジネスシーンには完全に不向きで、プライベートでメリハリをつけたい時に活躍するでしょう。
季節は問いませんが、明るい日中よりは夕方以降に大変よく似合います。
メンズ香水として発売されていますが、実はその深く妖艶な香りに夢中になる女性は多く、ヨーロッパ女性のなかには自身がつけるメンズ香水として愛用しているという人も。
経験値の豊富な女性、メンズライクな服装が普段から好き、という方が「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」をまとえば、「香水上級者」のような印象を周りに与えることができるはずです。
まとめ
ニューヨークの中心地に潜むジャズ・クラブ。
薄暗い室内にはリキュールやシガーの香りが立ち込め、サックスの音色が心地よく響く。
洗練された大人の男性たちのプライベートな雰囲気を再現した『Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)』の「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」は、押し引きの加減を心得ている洒落た大人の香りです。
『Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)』でメンズ一番人気がこの「Jazz Club(ジャズ・クラブ)」というのも頷けます。
「シーンを切り取る」ようなリアルな香りが楽しめることでしょう。
時間を忘れて語り合いたくなる、セクシーで誘い上手なフレグランスを感じてみて下さい。
