丸く、コロンとしたフォルムが目印の「CHANCE(チャンス)」シリーズは、発売より20年が経った今でも大変な人気を誇る、『CHANEL(シャネル)』の定番香水です。

シリーズ最初の香りは、淡いオレンジ色をしたフルーツ・パチュリのオードトワレ、「CHANCE(チャンス)」でした(2003年発売)。

「CHANCE(チャンス)」は21世紀に入って初めて発表された、しかも『CHANEL(シャネル)』にとっては久しぶりの新作香水となりました。

そのためこの香りは、「チャンスを掴もう!」と、21世紀にはばたく女性たちを応援するフレグランスとして、かつての専属調香師ジャック・ポルジュ氏により調香が行われました。

丸いボトルは、「CHANCE(チャンス)」シリーズのトレードマークでもあります。

“5番”の名前で有名な「CHANEL No.5(シャネル・ヌメロサンク)」に見る、四角いフラコンとは正反対の丸いフォルムは、「親しみやすさ」を打ち出したもの。

さらに「CHANCE(チャンス)」の香りも「着けやすい」と評判になり、その後は続々と新作を発表、2019年までにはシリーズの中に5作品がラインナップするようになりました。

今回ご紹介するのは2007年に発表された、「CHANCE EAU FRAICHE(チャンス オー フレッシュ)」のオードパルファム バージョンです。

もとはオードトワレとして親しまれてきた香りですが、調香師ジャック・ポルジュ氏のご子息であり、現在の『CHANEL(シャネル)』の専属調香師であるオリヴィエ・ポルジュ氏がこの香りを再解釈し、2023年8月に新発売となりました。

みずみずしさはそのままに、「深みと奥行き」を与えることで香りの力強さを高めたという「CHANCE EAU FRAICHE(チャンス オー フレッシュ)」のオードパルファムは、トワレタイプと何が異なっているのでしょうか。

日本で最も愛されているこのシリーズ、待望の新作を詳しくご紹介したいと思います。

中性的でエイジレスなシトラス。トワレにはない「重力」も

CHANCE EAU FRAICHE(チャンス オー フレッシュ)オードパルファム

トップノート:ゼスティ・レモン、シダー

ミドルノート:ジャスミン、ピンク・ペッパー

ラストノート:アンバー、チークウッド

発表年:2023年

調香師:オリヴィエ・ポルジュ

対象性別:女性、男性

まず、原作となる「CHANCE EAU FRAICHE(チャンス オー フレッシュ)」のオーデトワレは、「CHANCE(チャンス)」シリーズの第2弾として2007年に発売されました。

明るいグリーン色から連想されるように、この香りは「水」「シトラス」「マリンノート」がキーワードとなっています。

今回新発売となったオードパルファムはというと、トワレタイプのトップノートよりももっと、「重力のある」イメージです。

これはシトラス(レモン)そのものというより、レモン・ピール(皮)のビターな香りの方が強いと言えるでしょうか。

お酒、ジンを味わった時のような苦みも伝わってきます。

このトップノートは特に中性的で、なおかつヨーロピアン・テイストであるため、初めのうちは香りに慣れないかもしれません。

しかし数分経つと、リッチで濃厚なジャスミン・ノートが顔を出し、驚くほど優雅でエレガントな表情に。

トワレタイプとは異なる、ずしんと下に滴る感じは、シャネルファンにとっては心地が良いことでしょう。

『CHANEL(シャネル)』の香りといえば、何といってもこのジャスミンです。

「水」の爽やかさ、フレッシュさは全体的に残っているものの、シャネルならではのジャスミン節が、フレグランスに不思議な高級感を与えています。

奧から駆け抜けるウッドもさすがのもの。

ウッドの香りは知的で重厚なイメージを香水に与えますが、先のシトラスが雰囲気の良い「緩和剤」となり、近づきにくさを見事に払拭しています。

そして香りが消えかけの頃に、アンバーが人肌の温もりとなって宙を舞います。

最初は「おっ」と予想外のイメージでスタートするものの、途中からエネルギーを増していく。ソフトながらも少しのミステリアスさを含む、魅惑的なオードパルファムです。

もちろん、エネルギーは失速したりしません。そのままアンバーが美しい「影」となり、肌の上で独り歩きをする印象です。

この美しい「影」はやがてまとう人の応援団となり、公私に輪を広げる貴女の心地良いパートナーとなることでしょう。

「CHANCE(チャンス)」シリーズはその名の通り、「チャンスを掴もう!」というメッセージが込められたフレグランスですが、「CHANCE EAU FRAICHE(チャンス オー フレッシュ)」オードパルファムに至っては、掴むというより「ものにする」という言葉の方が似合います。

開幕のシトラス・レモンで間口を広げたあとは、ジャスミン、ウッディのシャネルらしい香りがエレガントな舞台へと観客を引きずり込む。

引きずり込むという表現は大袈裟かもしれません。しかし、最初は軽い気持ちで観に行った映画や舞台が、途中からどんどん面白くなり、最後には息を呑むように、食いつくようにスクリーンを見守っていた・・・なんて経験はありませんか? 

そんな静→動のパワーが、「CHANCE EAU FRAICHE(チャンス オー フレッシュ)」オードパルファムにはあるのです。

いわゆる「巻き込み型」の今回のフレグランスは、原作のオードトワレよりやはり、重力があると言わざるを得ません。

暖かさと肌寒さが混在する、晩夏から秋に合う香り

「CHANCE EAU FRAICHE(チャンス オー フレッシュ)」オードパルファムは、エイジレスにまとえる香りです。

『CHANEL(シャネル)』のファーストフレグランスとして若者向けに、そしてカジュアルな服装にも似合うようにと考案された「CHANCE(チャンス)」シリーズですが、今回の香水は比較的、どの年代にも楽しんでいただける香りだと思います。

というのも、深みあるジャスミンとウッディがトワレの軽さを一新しており、落ち着きとフォーマルさを与えているからです。

そのためこの香りは、瀟洒な建物が連なるような、都会的で文化的な場所によく合います。

季節は、みずみずしい一面とウッドの両方を楽しめる香りなので、暖かさの残る9月末〜秋にかけてが良いでしょう。

カーディガンなどの羽織りの中から、ふっとさりげなく香らせるのが理想的です。

『CHANEL(シャネル)』の19番、N°5 ロー オードトワレを愛用している方の“2本目”、“3本目”としても良いかもしれません。

もちろん、同ブランドのファーストフレグランスとしてもおすすめです。

きりっとした香りの中には『CHANEL(シャネル)』らしさが詰まっていますので、季節ごとにフレグランスを変えたい方にもピッタリです。

まとめ

2023年8月に発売となった『CHANEL(シャネル)』の最新作は、大人気の香り「CHANCE EAU FRAICHE(チャンス オー フレッシュ)」のオードパルファムタイプでした。

フレッシュさにエレガントさを組み込んだ香りは、チャンスをものにしたいすべての人に。

従来の濃厚な香水とは一線を画す、非常に着けやすい香りです。