フランスの老舗フレグランスメゾン『Guerlain(ゲラン)』には、アクアアレゴリアシリーズという非常に使いやすいオードトワレのラインが存在します。
「ゲランが愛する5つの庭」というコンセプトのもと、1999年に始まりました。
それから22年、アクアアレゴリアシリーズはいつ、どこでも、どんなときでも使用しやすい、ラグジュアリーブランドの“等身大”フレグランスとして、不動の地位を築き上げたのです。
その香りの特徴は、「都会にいながら、まるでガーデンの中で癒されている自分を感じとることが出来る」というもの。
ひとつひとつが素晴らしい庭をイメージさせながら、ふたつ以上のトワレをレイヤードしてもぶつかることなく、素敵な香りが広がります。
いくつもの顔を使い分けなくてはならない現代女性にとっては、その人の本質を変えずに印象を自在に操れる香りのチェンジは、まさに理想。
アクアアレゴリアシリーズは、時代が求めている香りのかたちであったといえるのではないでしょうか。
さて今回ご紹介するのは、2021年5月に新発売となったシリーズ第22弾のひとつ「NETTARE DI SOLE(ネッターレ ディ ソーレ)」です。
それは、蜂蜜の甘さと軽やかなフローラルが入り混じる、明るくハッピーな香り。
蜜蜂を敬う『Guerlain(ゲラン)』ヒストリーとともに、この新作香水をご紹介していきたいと思います。
『Guerlain(ゲラン)』になくてはならない、蜂の紋章とその信念

蜜蜂は、『Guerlain(ゲラン)』の長い歴史において欠かせないシンボルであり、サステナビリティの象徴です。
ボトルデザインにはミツバチの刻印がなされ、キャップ部分はハチの巣がモチーフになっています。通称は、「ビーボトル」。
もともとはフランス王室のシンボルだったため、王室御用達ブランドであった『Guerlain(ゲラン)』がこの刻印を賜ったとのこと。
また、創業の1828年以来、自然は『Guerlain(ゲラン)』のインスピレーション源となっています。
この10数年、自然保護活動はブランドの活動において常に切り離すことの出来ないものであり、香水のクリエイションとともに、絶滅の危機に瀕するミツバチの保護活動をも行ってきました。
ということで蜜蜂は単なるブランドのシンボルではなく、『Guerlain(ゲラン)』のサステナビリティ、自然環境へのコミットメントを表す象徴なのです。

パリのシャンゼリゼにある『Guerlain(ゲラン)』本店では、定期的にサステイナブルな回顧展が企画されています。
2021年秋には廃材を利用した現代アート展が開かれていましたが、やはりそこでも、蜜蜂にオマージュを捧げた作品が多く展示されていました。
今回の新作「NETTARE DI SOLE(ネッターレ ディ ソーレ)」は、そんな『Guerlain(ゲラン)』の思いが詰まった、多幸感のあるハニーの香りです。
調香したのは、5代目専属調香師のティエリー・ワッサー。
「女性への賛歌を香りに」をモットーとする氏の匠の技が光る、素敵な香りです。
幸せを運ぶ「蜜蜂」の、甘くふんわりとした心地よい香り

NETTARE DI SOLE(ネッターレ ディ ソーレ)オードトワレ
トップノート:オレンジブロッサム、カラブリアンベルガモット、ウォーターノート
ミドルノート:ソーラーノート、マグノリア、ローズ、ジャスミンサンバック
ラストノート:ハニー、ホワイトムスク、トンカビーン
発表年:2021年
調香師:ティエリー・ワッサー
対象性別:ユニセックス
「NETTARE DI SOLE(ネッターレ ディ ソーレ)」とは、イタリア語で「花の蜜」を意味します。
そしてイメージは、蜜蜂が花々を巡って蜜を集めているという可愛らしい姿。
ボトルの中で蜜蜂の集めたたくさんの蜜、そして花の香りがハーモニーとなり、とても幸せな香りとなって現れます。
トップノートはアクアアレゴリアシリーズの特徴というべき、さっぱりとした癖のないフルーティーノート。
そしてそこから一気にミドルへと突入、華やかなフローラルノートへと移行します。
ただ、少しの青さや先のシトラス系ノートが残っているため、甘ったるい感じはせず、とてもみずみずしい生花のような香り立ちです。
鮮度が高く、『Guerlain(ゲラン)』らしい品の良さもあります。
ラストノートではハニーが加わるのですが、ハニーを用いた香水によくある重たさはありません。花×蜂蜜の、綿あめのような軽さと朗らかさを感じられる「ハニースキン」の出来上がりです。
「NETTARE DI SOLE(ネッターレ ディ ソーレ)」は、アクアアレゴリアシリーズの中でも「一番好き」といった声が多いのも事実です。
キツ過ぎない仕上がり、全体的にふんわりと優しく、ソーピィな香りが漂ってくるのも日本人にとって使いやすいところ。
キーワードは、「蜜蜂」「花の蜜」「暖かい日差しの差すお花畑」です。
ここに、陰の要素はありません。あまりにもピュアで幸せオーラに包まれた香りですので、ネガティブな気持ちがやってきたらきっと跳ねのけてくれることでしょう。
意外にもユニセックス、スイートな肌の匂いを目指す人へ

『Guerlain(ゲラン)』のアクアアレゴリアシリーズ全てに共通することですが、肌馴染みが他の香水より抜群に良いのです。
そのため、香水そのものに抵抗がある方、そしてライトな香りを探しているけどある程度名の通ったブランドが良い、という方にはうってつけのラインです。
「NETTARE DI SOLE(ネッターレ ディ ソーレ)」については意外なことにユニセックスなのですが、確かにこちらは男性が着けたら「角」が取れて、かなり話しかけやすい雰囲気になると思います。
マリン系のメンズ香水をお持ちでしたら、重ねづけするのも良いかもしれません。
また、「男らしく」「大人らしく」といった縛りからの解放を求める方にも良いでしょう。
もともとは20代から30代の若年層に向けて発案されたラインです。
しかし、価格の割にクオリティがかなり良いため、“ライトな『Guerlain(ゲラン)』”が欲しいという方には年齢層関係なくお勧めできるフレグランスです。
季節は春夏。梅雨のジメジメした時期でさえ麗しいと思える、幸せ度100%な香りとなるでしょう。
まとめ
『Guerlain(ゲラン)』のフレグランスは品が良く、多幸感のある香りが多いのが特徴です。
高貴さや女性の美を長らく支えてきたブランドコンセプトに触れることで、香水への理解がより深まるかもしれません。
特に「NETTARE DI SOLE(ネッターレ ディ ソーレ)」は、これまで以上に名作の予感。きっとそのフワフワな優しい香りが、ささくれだった心を癒してくれるはずです。
メイン香水としてだけでなく、2本目でも3本目でも絶対に大活躍するであろう「NETTARE DI SOLE(ネッターレ ディ ソーレ)」。
春の訪れの前にぜひお試しなってみてください。
