「ALLURE(アリュール)」は、1996年にシャネルの3代目専属調香師、ジャック・ポルジュによって生み出されたオードトワレです。
この意味は英語で「一人ひとりの魅力」を意味し、実にシャネルらしいテーマを持ったフレグランスなんです。
この香りの構造は従来のトップ・ミドル・ラストのピラミッド型ではなく、6つの区分の香りが、まとう人によって異なる順序で現れる「シンクロ・ノート」。
“その人のその時”の魅力が反映されるように、香りが6つのファセット(※)で構成されている、画期的な香り方をするのです。
※ファセット…英語でfacet(切子面・小平面の意味)という言葉が示す通り、いくつもの小さな面が幾何学的に組み合わされたカッティング方法で、宝石の持つ透明度を最大限に生かす場合に用いられます。
巨匠ジャック・ポルジュが仕掛けた、魔法のようなフレグランス「ALLURE(アリュール)」は、まとう人によって本当に香り方が違います。
シャネルならではのこだわりと、高度な調香技術がなせる技。
この香りをのせれば、生まれながらの肌質の個性を活かし、自分だけの「ALLURE(アリュール)」を楽しめることでしょう。
今回は、今までになく画期的な香り「ALLURE(アリュール)」の素晴らしさを解説していきたいと思います。
「ALLURE(アリュール)」6つのファセットとは
ALLURE(アリュール)オードトワレ
香調:レモン、ベルガモット、マンダリン・オレンジ、ピーチ、パッションフルーツ、ジャスミン、スイレン、ハニーサックル、フリージア、マグノリア、メイローズ、ピオニー、オレンジブロッサム、サンダルウッド、ベチバー、バニラ、パチョリ、アンバー
1996年発表
調香師:ジャック・ポルジュ
対象性別:女性
「ALLURE(アリュール)」は「一人ひとりの魅力」を意味しますので、そのタイトル通りつける人によって香り方が変わってくる、非常に珍しいフレグランスなのです。
それでは6つのファセットの詳細を述べていきましょう。
1、シトラス=レモンとベルガモット
2、フルーツ=マンダリンオレンジとピーチ
3、フローラル=メイローズとジャスミン、スイレン、ピオニー、マグノリア、オレンジブロッサム
4、ウッディ=サンダルウッドとベチバー
5、オリエンタル=バニラ
6、アニマリック=アンバーとムスク
シトラス、フルーツ、フローラル、ウッディ、オリエンタル、アニマリックといった「ALLURE(アリュール)」に使われている香料が、まとった人に合わせて香りの出方が異なるようにデザインされています。
つまり、人によっては1のシトラスが強く香ったり、6のアニマリックが強く香ったりと万華鏡のように変化するのです。
また肌質だけでなく、「その時の状態」によっても香りは変化します。一人ひとり香り方が異なるうえに、その人の「その時の状態」でも微妙に変化する香り方。
まさに、シャネル帝国を築き上げた天才調香師ジャック・ポルジュのなせる業と言えるでしょう。
「ALLURE(アリュール)」は彼の出世作でもあり、このシンクロ・ノートは後に「偉業」と評価され世界的な名香となりました。
オールマイティーな正統派の香り
「ALLURE(アリュール)」の香調はフローラル・フレッシュ・オリエンタルノートと、3つもの特徴が混ざりあった複雑な香りです。
ですが、肌と馴染み「その人の香り」となった「ALLURE(アリュール)」の持つ天性の香りの良さは他に類を見ないほど。
6つのうちどの香りが香ってきても、「正統派美人」の印象を周囲に与えることでしょう。
端整で、香水特有の複雑なハーモニーを奏でているのに、嗅ぐ人には不思議と難解な印象を与えたりしません。
強く美しく、芯のある女性のイメージ。キャリアもプライベートも心の底から満喫しているような、シャネルらしい引力の強い香りです。
また、とても女性らしいのに、か弱さやセンシュアルさを感じさせないところもこの香水の大きな魅力。言葉で形容するならば、エレガント、洗練、クラシカル、清潔感、華やか。
清潔なパウダリー感や、気持ちの良いフレッシュ感をも含んだ「ALLURE(アリュール)」は、香水にも人にも通じる「あか抜け感」があるように思います。
周囲の人とうまく調和しつつも、自分をしっかりと持ち、臨機応変に対応する。
オンでもオフでも存在を必要とされ、誰からも好かれる内面美人のような女性に例えられます。
シンクロ・ノートは日によってはさわやかになったり、場所によっては甘さを感じたりと多角的に変化する香調ですから、全体としてはクラシカルでエレガントな印象を出しながらも「今日はいつもと雰囲気が違う」と、周囲にもちょっとしたトキメキを与えることができるのです。
シャネル・フレグランスのなかでは一番オールマイティーで正統派、そして頼もしくも社交的な、素晴らしい香りと言えます。
TPOが限定されない「ALLURE(アリュール)」
もう一つ「ALLURE(アリュール)」には長所があります。
まとうシーンや季節、年齢といったTPOが限定されないところです。
もちろん使い勝手が良いばかりではなく、「ALLURE(アリュール)」ならではの6つのファセット効果で飽きのこない一本となるに違いありません。
しっかりと香らせたい時は耳の後ろや手首、オフィスなど控えめに香らせたいときは足元など、つける部位によって香りの強弱を調節できますし、さらに「自分だけの香り」を放つことができる訳ですから、フレグランスをまとうワクワク感は他と比べ物にならないほどです。
しっかり主張すると同時に、謙虚さも垣間見える「ALLURE(アリュール)」は、目標をを持つ自律した女性にぴったり。
年齢層は問いません。20代から60代、70代の方にもお似合いになるでしょう。
この香りはフォーマルな服装によく合いますが、ジーンズといったカジュアルなファッションに「ALLURE(アリュール)」を添えれば、非常に洗練された雰囲気となり、一気に“香り上級者”のようなイメージに変化するはずです。
いつでもどこでも楽しめるシャネルの「ALLURE(アリュール)」オードトワレは、メインの一本としても、香水コレクションの一つとしても、迎え入れて必ず後悔のないフレグランスです。
まとめ
シャネルが提案する「ALLURE(アリュール)」のコンセプトは、「一人ひとりの魅力」。
トップノート・ミドルノートといった変化がなく、どれが香ってくるのかはその人次第という、魔法のようなフレグランスに世界中の女性が魅了されています。
角の立たない香りなので、シャネルのフレグランスを初めて身に着けるという方にもおすすめです。
一人ひとりの持つ、言葉に表すことのできない魅力を表現した「ALLURE(アリュール)」。
まとう人の個性によって、また季節やシーンによって、独自のハーモニーを奏でくれる唯一無二のフレグランスです。
「ALLURE(アリュール)」は自分らしいスタイルで素敵になるために大きな力になってくれるはず。自分だけの魅力的な香りを、ぜひ発見してみて下さいね。