2021年で創立60周年を迎えたフランス発の香水メゾン、『Diptyque(ディプティック)』。
その特徴は、男女の垣根なくすべてのラインナップがユニセックスタイプであること、そしてどんなインテリアにも馴染むデザイン性にあるのではないでしょうか。
そして『Diptyque(ディプティック)』を現在の地位まで押し上げた理由とは、なんといってもその極上の香りにあります。芳醇でありながら心地よく、心が穏やかになる香りばかり。独自のオリジナルレシピでさまざまな香りが配合され、現在では50種類以上の香りが生み出されています。
また、香りのトータルブランドとも言えるほどの品揃えを誇り、看板アイテムのグラスキャンドル、オードトワレの他にもたくさんの商品を販売しています。
オードパルファン、ソリッドパフューム、ロールオンオードトワレ、ボディーウォッシュ、ソープ、シャワージェル、ボディーローション、ボディークリーム、ハンドクリーム、ルームスプレー、ディフューザーなどなど、香りの全てのアイテムを『Diptyque(ディプティック)』で揃えることもできますね。
今回は、そんな『Diptyque(ディプティック)』でも根強い人気のウッディ系の香りである、「TAMDAO(タムダオ)」をご紹介します。
ウッディノートは男性がつけるというイメージがありますが、「TAMDAO(タムダオ)」については女性がまとうとずば抜けてカッコよくなる香りです。
その構成やヒストリーについてご紹介しましょう。
ウッディノートはなぜ魅力的なのか
「TAMDAO(タムダオ)」は『Diptyque(ディプティック)』でも一、二を争う素晴らしいウッディノートです。
この香りはもともと男性用香水に良く用いられたノートですが、現在ではユニセックスブームも相まって幅広く使用されています。
「クールビューティ」「ミステリアス」「包み込むような安心感」といったイメージがあり、甘い香りが苦手な方には特におすすめです。
可愛い系ではないので、「余裕のある大人の男女」を彷彿とさせるでしょう。
周囲に木々があると、人間は居心地の良さを覚えます。
そんな雄大で安心感のある香りが、ウッディノートなのです。
『シャネル』や『ブルガリ』などにはウッディノートの傑作が存在し、今でもベストセラーを記録するほど。
その多くはサンダルウッドやシダーなど、ラストノートで使われるのがほとんどですが、「TAMDAO(タムダオ)」はシングルノートのため最初から森林の香りが漂います。
ウッディ好きさんにはたまらない、真のウッディノートと言えるでしょう。
ベトナムの熱帯雨林、寺院にインスパイアされた香り
TAMDAO(タムダオ)オードパルファム
シングルノート:サンダルウッド、シダー、アンバーウッド、コリアンダー、バニラ、ムスク、ライム、ジンジャー
発表年:2003年
調香師:ダニエル・モリエール、ファブリス・ペリグラン
対象性別:ユニセックス
「TAMDAO(タムダオ)」は、ベトナムのトンキンの山々にある植物、木々を運ぶ象たち、そして熱帯雨林ジャングル特有のむせかえるような湿気と熱気の中で香り立つ様子にインスパイアされた香りです。
一吹きでライムのシャープさが空気中に拡散し、コリアンダーがスッと鼻に抜けるようなニュアンスを絡めます。
また、主役のウッディー感がドラマティックに広がり、森の地面のような苦みと深みを表現しています。
やがて荘厳なサンダルウッドとバニラの甘さが広がると、雰囲気はより神秘的なものに。
何より素晴らしいのが、一貫して深みのある安堵感が付きまとう香りだということ。
木造建築でできた歴史的建造物のなかに1人佇んでいるような、東洋の極楽浄土のような香りです。
また、ウッディを経てたどり着くバニラも神々しいです。
全体を貫く乾いた質感がそのバニラをふわっと持ち上げるように作用していて、とてもストイック。
少し複雑で難解な香りなのに、それでいて肌馴染みが良い、というのも「TAMDAO(タムダオ)」の非凡なところです。
同じく『Diptyque(ディプティック)』には「DOSON(ドソン)」という“ベトナムの港町”を表現したベストセラーもありますが、「TAMDAO(タムダオ)」が表現したかったのは打って変わってベトナムのジャングル、鬱蒼とした熱帯雨林です。
つけたての瞬間から香る神秘的なサンダルウッドは、ジャングルの奥地にある“神聖な場所”を表しているのです。
アジアでは、儀式や宗教イベントでお香を焚く習慣があります。
ところが、西洋ではこの習慣がありません。(むしろロウソクです。)
ということでお香めいたサンダルウッドの香りは、とりわけ東南アジアのサンクチュアリを思い浮かべるのだとか。
しかしメンズ香水のラストノートにあるような骨太な仕上がりとなっていないのが、「TAMDAO(タムダオ)」を女性におすすめしたい理由です。
ムスクやバニラなどまろやかな調香が工夫されているので、敷居が高すぎずまといやすい、というのもかなりのポイントといって良いでしょう。
男性なら親しみやすく、女性ならカッコよく格上げしてくれる香り
「TAMDAO(タムダオ)」はユニセックスタイプなので、男女どちらも気持ちよくお使いいただけます。
年齢層は20代後半から40代に。瞑想的で神秘的でもあるので、オフィスにも良いですよ。
特に、甘い香り、フローラルな香りに苦手意識を持つ女性には最適です。
型にはめられた女性像、女性の香り、、、そういったイメージを良しとしない、もしくは生理的に受け付けないという女性もいます。
そうした方に、声を大にしておすすめしたいのが「TAMDAO(タムダオ)」なのです。
恋人や夫の香水を拝借しました、というような香りでは決してなく、精神的にも経済的にも自立した女性のカッコいいウッディノート、となるでしょう。
季節も特に限定しなくて良いと思います。
ただ多くの異性が、この香りを身にまとった人とすれ違った時、その「ギャップ」にときめくかもしれません。
男性がまとえばクリーミーで親しみやすく、女性がまとえばシュッとカッコよく。
異なる二つの性を、ニュートラルに緩和してくれるような、まさに神秘の香りです。
まとめ
誰がまとっても既存のイメージにとらわれることなく、香りを楽しめるメゾン、それが『Diptyque(ディプティック)』。
セクシャルな部分を押し付けるのではなく、「場を良くする」、そんな気概とコンセプトが伝わってくるようです。
今回ご紹介した「TAMDAO(タムダオ)」も、『Diptyque(ディプティック)』らしいお洒落で品のある仕上がりで、きっと長年のバディとなってくれることでしょう。
まとっているだけで気持ちが安定する、そんな楽土のような香りをぜひお試しください。