『Guerlain(ゲラン)』といえば、世界的に有名なフランスのフレグランスメゾン。
「ミツコ」や「シャリマー」「サムサラ」といった名香の数々を世に生み出してきた由緒あるブランドです。
エレガントで重厚感のあるフレグランスが多く存在する『Guerlain(ゲラン)』ですが、実は「アクア・アレゴリア」というライトな使い心地で人気のオードトワレシリーズがあるんです。
1999年に『Guerlain(ゲラン)』が発表したこの「アクア・アレゴリア」シリーズは、日常使いに相応しい軽やかなノートが魅力。
そのコンセプトは「ライフシーン・フレグランス」と言い、“特別な外出の時だけではなく、日常の様々なシーンで楽しめる香り”として生まれました。
これまでの『Guerlain(ゲラン)』の香りとは一線を画したオードトワレで、日常にも気軽に香りを取り入れられるよう、とてもシンプルな香りになっています。
毎回、モチーフになるのは1~2種類の香料。
この香料の持つ魅力を最大限に引き出して個性を与えつつ、美しい印象派の風景画のような香りに仕上げたのが「アクア・アレゴリア」なのです。
“水の寓話”という意味を持つ「アクア・アレゴリア」。
現在では全12種類までに増え、そのコレクションの幅も広がっています。
誕生から21年目の2020年には、多幸感のある素晴らしい香りが二つ仲間入りしました。
今回は『Guerlain(ゲラン)』の新しいフレグランスについてご紹介したいと思います。
グラナダの庭園をイメージしたグラナダ・サルヴィア
Aqua Allegoria Granada Salvia(アクア・アレゴリア・グラナダ・サルヴィア)
トップノート:カシス、レモン、ベルガモット、ヒノキ
ミドルノート:ザクロ、セージ、ローズ
ラストノート:モス(苔)、ホワイトムスク、パチョリ
発表年:2020年
調香師:ティエリー・ワッサー
香調:フルーティー・シトラス
2020年の「アクア・アレゴリア」のテーマは「JOYFUL BY NATURE」。
「生きる喜び」「旅」「心の高鳴り」を表現したもので、そのハッピーな香りに思わず心が弾んでしまうほど。
そのうちの一つ「グラナダ・サルヴィア」は、アルハンブラ宮殿で有名なアンダルシア地方の庭園をイメージした香りです。
グラナダは南スペインに位置し、地中海からも近い要塞都市。街の中心にあるアルハンブラ宮殿は世界遺産に登録されています。
一年を通して好天に恵まれ、特に夕暮れ時の空の美しさは格別です。硬質な歴史的建造物とピンク色の空のコントラストが印象的で、グラナダの街の素晴らしさをより引き立たせています。
「グラナダ・サルヴィア」のピンク色のフレグランスは、まさにグラナダの空のイメージ。
香りそのものは、グラナダのアルハンブラ宮殿をはじめ、美しい庭園や果樹園にインスパイアされていて、弾けるようなベルガモットとレモンに、甘酸っぱいカシスと清涼なヒノキが絡み合うトップノートから始まります。
ミドルノートでは庭園を匂わせるセージとローズにプラスして、甘みのあるザクロが登場。ヨーロッパでは女性ホルモンを活性化させるためにザクロジュースがよく飲まれているのですが、この好ましい香りは私たち女性をリラックスさせてくれる効果があるようです。
ラストノートの優しいホワイトムスクに、落ち着きのあるモスとパチュリを加えることによって、『Guerlain(ゲラン)』らしい“品格”が添えられています。
女性を心から元気にさせてくれる鮮やかでチャーミングな香りが特徴で、全体に満ちるビビッドで澄み切ったトーンは、まとう方の気持ちを高めてくれるに違いありません。
トップノートの盛り上がりから、落ち着いたラストノートまでの一連の変化もドラマティックです。
「グラナダ・サルヴィア」は、「JOYFUL BY NATURE」のコンセプトのうち、「心の高鳴り」をよく表しています。
その香りからきっと、“何があってもポジティブな方を見つめる”というラテンの明るさを感じ取れることでしょう。
また、オードトワレなので香りも強くなく、夏のリフレッシュに最適な香り。
もちろん一年を通して使用できるので、非常に使い勝手の良いフレグランスと言えます。
シチリア島の太陽とオレンジ香るオランジェ・ソレイヤ
Aqua Allegoria Orange Soleia(アクア・アレゴリア・オランジェ・ソレイヤ)
トップノート:ベルガモット、ブラッドオレンジ、ピンクペッパー
ミドルノート:ミント、プチグレン(ビターオレンジの木の葉や枝から抽出されたもの)、カシス
ラストノート:トンカビーン、ムスク
発表年:2020年
調香師:ティエリー・ワッサー
香調:レモン・シトラス
「オランジェ・ソレイヤ」の旅の舞台は変わって、イタリアはシチリア島です。
「オランジェ・ソレイヤ」はイタリア語で“太陽のオレンジ”の意味で、シチリア島の果樹園からインスパイアされたフレグランスとなります。
イタリア南部の島、シチリアと言えば旅人を夢中にさせる美しく力強い島。真っ青な空と海、そして一面に広がるオレンジ畑が印象的です。
瑞々しいオレンジとマンダリンにピンクペッパーが加わることにより、トップノートが弾けるような爽快感に。
そしてミドルノートにミントとプチグレンがブレンドされることで、もぎたての果汁の香りが肌の上で拡散していきます。
ところが、ラストノートで温かみのあるトンカビーンが顔を出すと、香りはまろやかな丸みを帯びていき、柔らかい印象に変化します。
「オランジェ・ソレイヤ」光の粒を集めてボトルに詰めたような、朗らかで明るい、まさに“ハッピー!”な香り。
キリリとしたシトラス系の香調ですが酸味がマイルドで、クリスタルのような透明感があります。
そして、深みを増すミドル以降にギャップが生まれることで「単調過ぎない香り」となり、意外にもこの一本で高い満足感を得られます。
どんな年代にもどんな季節にもマッチし、サラリと清潔感や健やかさを演出できるので、まさに万人受け間違いなしのオードトワレ、と言えるでしょう。
「ミクソロジー」のすすめ
好きなとき、好きなように、好きなだけ使えばいいのです。いくつもの顔を使い分けなくてはならない現代女性にとっては、その人の本質を変えずに印象を自在に操れる香りのチェンジは、まさに理想。「アクア・アレゴリア」は、時代が求めている香りのかたちであったといえるのではないでしょうか。
と、ゲラン専属の調香師、ジャン・ポール・ゲランは語ります。
「アクア・アレゴリア」シリーズのもう一つの特徴として、「ミクソロジー」があります。
それは、「アクア・アレゴリア」シリーズの違う香りと組み合わせ、身体のパーツごとに違う香りを身にまとったり、肌と洋服で違う香りを身にまとうなど「ミックス&マッチ」を提案するもの。
香水に正解はありません。
生涯お気に入りの一本をまとうのも良いですし、その日の気分によって香りをチェンジする方もたくさんいらっしゃいます。
「アクア・アレゴリア」シリーズが使いやすい利点として、この「手に取りやすさ」があります。
値段の手ごろさもありますが、香水の固定概念をあの重鎮『Guerlain(ゲラン)』が払拭していること、そしてひとつひとつ香りのクオリティが高いうえに、さらに“重ね付け”ができるという目新しさは「アクア・アレゴリア」シリーズにしかありません。
一度試せば、その香りの良さと使い勝手の良さに誰もがぞっこんになるはず。
そして季節によって香りを変えたり、気分によって香りを重ね付けするうちに、いつのまにか「香り上級者」になっているかもしれませんね。
まとめ
『Guerlain(ゲラン)』は1828年に創業された、長い歴史を持つ老舗ブランドです。
これまで名香の数々を世に送り出し、いつの時代も女性たちを華やかに彩ってきた『Guerlain(ゲラン)』は香水の代名詞とも言われるほど。
母から娘へ、そしてそのまた娘へと受け継がれてきた『Guerlain(ゲラン)』のストーリー。女性に生まれたからにはぜひ手に取ってその素晴らしさを確かめてみたいものです。
現代シーンにぴったりとマッチし、私たちに香りの選択肢を与えてくれる「アクア・アレゴリア」シリーズは、日々の暮らしに嫌味なく添えることができます。
今回の「グラナダ・サルヴィア」と「オランジェ・ソレイヤ」は、カジュアルに使っても、メイクアップの仕上がりとして魔法のように振りかけてもOK。
ラテンの輝きを放つこの二つのフレグランスをまとっていると、まるで「幸せになるために生きているのよ」と語りかけられているようです。
『Guerlain(ゲラン)』の香水はいつどんな時でもそれを手にした女性を最高に輝かせてくれる、特別なフレグランスとなるでしょう。